菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

天才とはエゴをいかに通すかなのかもしれぬ。  『ブロードウェイと銃弾』

2010年02月19日 00時00分49秒 | オレは好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第204回

 

『ブロードウェイと銃弾』(1994)
 

原題は、『BULLETS OVER BROADWAY』で、『銃弾がブロードウェイを飛び交う』という感じですかね。
 
 
スタッフ。
監督:ウディ・アレン
製作:ロバート・グリーンハット
製作総指揮:J・E・ボーケア/ジーン・ドゥーマニアン
脚本:ウディ・アレン/ダグラス・マクグラス
撮影:カルロ・ディ・パルマ
美術監督:サント・ロカスト
衣装デザイン:ジェフリー・カーランド
 
 
出演。
ジョン・キューザック
ダイアン・ウィースト
ジェニファー・ティリー
チャズ・パルミンテリ
メアリー=ルイーズ・パーカー
ジャック・ウォーデン
トレイシー・ウルマン
ジム・ブロードベント
ロブ・ライナー
ハーヴェイ・ファイアスタイン
ジョー・ヴィテレッリ
イーディ・ファルコ
デビ・メイザー
トニー・シリコ
ステイシー・ネルキン


物語。
主人公のデビットは若い劇作家。
新作の上演が決まったまではよかったが、彼には次々と思いがけない問題が降りかかる。
ギャングの顔役に演技力ゼロのショーガールを押しつけられ、主演女優をめぐる三角関係の愛に悩み、脚本のリライト騒動がおき、やがて殺人事件にも巻き込まれていく・・・。




受賞歴。
1994年の米アカデミー賞にて、助演女優賞(ダイアン・ウィースト/ジェニファー・ティリー)を受賞。
ノミネートに、助演男優賞(チャズ・パルミンテリ)、監督賞(ウディ・アレン)、脚本賞(ダグラス・マクグラス/ウディ・アレン)、美術(監督)賞(サント・ロカスト)、美術(装置)賞(SUSAN BODE)、衣装デザイン賞(JEFFREY KURLAND)。
1994年の全米批評家協会賞にて、助演女優賞(ダイアン・ウィースト)を受賞。
1994年のNY批評家協会賞にて、助演女優賞(ダイアン・ウィースト)を受賞。
1994年のLA批評家協会賞にて、助演女優賞(ダイアン・ウィースト)を受賞。
1994年のゴールデン・グローブにて、助演女優賞(ダイアン・ウィースト)を受賞。
1994年のインディペンデント・スピリット賞にて、助演男優賞(チャズ・パルミンテリ)と、助演女優賞(ダイアン・ウィースト)を受賞。

 
 

ウディ・アレンによる、1920年代のあるブロードウェイの芝居をめぐる舞台業の人々とギャング業の人々の交差する模様を描いた映画。


アレンの、その極上のストーリーテリングはすでに古典の域に達しているといえる。
もちろん、それは古くなると言う意味ではなく古臭くならないという意味でね。

まるで、ウィリアム・ホールデン主演作でありそうだもの。
『サンセット大通り』のパロディも散見しますものね。


ウディ・アレンのブロードウェイものには『ブロードウェイのダニー・ローズ』があるけど、あちらもストーリーのひねりが最高に心地よい物語でした。
そういえば、あちらもギャングが絡んでいましたっけね。


飛び道具みたいなキャラクターの濃さが時代背景にあっていて、実に心地よい。
ジョン・キューザックはウディ・アレンが似合うと思うのだが、組んでいるのはこの一本のみ。
どこか、ジョン・キューザックには、才気を感じてしまうところもあったりするので、ウディ・アレンの自家中毒に陥ってしまう袋小路的嘆きに合わなかったのかも。
(この役では、差異気を感じさせる必要があるので、ベストなキャスティングなのだが)
そう考えると、『バートン・フィンク』で自家中毒に陥る脚本家を演じているジョン・タトゥーロでも見てみたかった気もしたりして。



様々な意味で才能についての描写、言及がイチイチ胸に刺さり、あえて、反論さえしたくなるあたりが、流石ウディ・アレン。
「アレン屋」と掛け声をあっけたくなる熟柿のコメディ。






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