菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

そうそう、そうそう、ソウなのよ。  『ソウ5』

2008年12月05日 00時11分01秒 | 映画(公開映画)
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第25回。



「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」



『ソウ5』



いやぁ、おいら、このシリーズに尊敬の念を抱いているのよ。
だって、後付けとはいえ、きっちりと矛盾点をなくしていこう、とする態度に惚れているのよ。
もう、ここまで来ると、『24』や『プリズン・ブレイク』に近いかと。
しかも、一回一回きっちり終わらせていくし。
映画史上初のスリラー・サスペンス・ホラー・シリーズだ。
ちゃんと、興行収入も確保し続けていて、アメリカだけで制作費の4倍稼いでいる。
すでに『ソウ6』の制作も決定。(実は、『5』で終わる予定だったらしいけど、『5』にも、『6』への布石が打ってあったのよね。試写の好評で変えたのか?)
これも、きっと、物語の精度を下げず、新たな趣向を盛り込み続けながらも、安易な方向に走らず、作品のテイストを守り続けてきたからこそだよね。
ま、ついてこれない人はおいてくよというところを傲慢ともいえるけど、あえて、おいらは、21世紀の語りべとしての挑戦と潔さ、と受け取っている。


さて、『5』は、『3』で死んだジグソウを引き継いだのは一体誰か?を『1』の頃からの話を交えて、見せていく。
新たな話を始めるために広げた風呂敷を、楽しませるために、刺激増幅させた『ソウ4』は、ついていくのが結構大変だった(新技法のアクション・ワイプの弊害もあって・・・。でもあれは、今後発展させるべき技法だと期待している)。
あと、『4』は、ジグソウの誕生秘話も入っていたしね。

で、『5』は、オーソドックスに、いままでの謎を解いていく。
なので、実に見やすい。
3人目の監督となったデビッド・ハックルは、これまで『ソウ』シリーズで美術担当をしていた方で、作品の味をよく分かっている。
で、『5』で、説明のために、前作の仕掛けを再現してたりして、押さえどころもばっちり。
だって、『1』の矛盾点(ブタマスクは誰?)、『2』の矛盾点(どうやって彼女をゲームに参加させたのか)、『3』の矛盾点(彼女のゲームを誰が用意したのか?)のほとんどを説明終えてしてしまうんですもの。

話を、『ソウ』はシリーズを通して、テイストが守られ続けているのかに戻す。
『1』のジェイムズ・ワンは、シリーズの製作総指揮を続けている。
2人目のダーレン・リン・バウズマンは、『2』~『4』までを担当し、『2』は彼のオリジナル脚本を『ソウ』用に改訂。
『6』は、4人目になるが、シリーズの編集をやってきた方が監督することが決まっている。
そう、あくまで、『ソウ』のテイストが守られているのは、作品に関係した人たちがずっと作り続けていることも理由だと思われるのだ。


当然、一見さんお断りな作品ですが、ファンを満足させ続けてくれている稀有なシリーズです。
いやぁ、満足満足。


それにね、なんと言っても、新しいキラー・アイコンと哲学を提示した功績はデカイ。
あと、残された謎は、あの人形はなんだろうだよなぁ。
当然、『6』も観ますよ。

見ていない方は、『1』は、さすがに伝説の作品ですから、損は無いですよ。
ジャンルもシチュエーション・スリラーなので、痛いとこさえ目をつぶれば、話の面白さに目を奪われるはず。
食わず嫌いせずに、ぜひ。

で、気に入ったら、『4』まで一気に観て、『5』は映画館で味わっていただきたい。
なんといっても、暗闇の劇場でこそ、『ソウ』の最前線感は最高ですから。




 
 
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