で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1246回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『悪女/AKUJO』
犯罪組織によって殺し屋として育てられたヒロインが辿る壮絶な復讐の旅路を驚異のアクション満載に描き出す衝撃のハード・バイオレンス・アクション。
スタントマン出身で『殺人の告白』のチョン・ビョンギル監督・製作による5年の歳月をかけた革新的な超絶アクションとカメラワークが世界的にセンセーションを巻き起こした。
物語。
幼い頃に父を殺されたスクヒはマフィアの男ジュンサンに引き取られ、殺し屋として育てられる。復讐のために、腕をあげた彼女は人間兵器となる。しかし、恋する心は捨てきれなかった。
だが、ある事件により、スクヒは暴走し、敵組織を殲滅し、国家組織に拘束される。
国家が運営する暗殺者養成施設に送られ、今度は政府直属の暗殺者として、再教育されようとしていた。
脚本は、チョン・ビョンギル、チョン・ビョンシク
出演。
キム・オクビンが、スクヒ(整形前/整形後)
シン・ハギュンが、師匠のジュンサン。
ソンジュンが、監視役のヒョンス。
キム・ソヒョンが、クォン幹部。
キム・ヨヌが、ウネ。
ほかに、チョ・ウンジ、イ・スンジュ、チョン・ヘギュン、ミン・イェジ、パク・チョルミン、キム・ヘナ、など。
スタッフ。
製作総指揮は、キム・ウテク。
撮影は、パク・ジョンフン。
音楽は、グ・ジャワン。
アクションコレオグラフィは、クォン・ギドク。
チョン・ビョンギル×パク・ジョンフン×クォン・ギドクは、ソウル・アクションスクール時代からのチーム。
兵器として育てられた女の血と復讐と愛と目覚めの半生を描くメロドラマ・アクション。
FPSにバイクに車に銃にジャンプに斬る刺す当てる狭所で、と現代アクション全部入り。チョン・ビョンギルの願望福袋。
キム・オクビンの感情と肉体に女優の粋を見る。カメラは見にくくもあるがカメラもスタントという精神を買いたい。カメラで見たことないアクションに変えているところも。
好きな映画のいいところ取りをするなら、憧れ越えしなければ失礼なアスリート魂が炸裂し、見たことあるけどそれ以上に挑んでくる。とはいえ、物語は編集だけでかなり薄かったり、ご都合だったりはするけど。アクションで語る潔さに軍配。
リアル系アクションに沿って、語り口も現実味のある苦さ。
映画的な設定が活かされきれないのがちょっと残念だが、訓練シーンは随一。
オリジナル越えに挑んだアクションを今後アクジョンと濁点付きで呼びたくなる擦作。
おまけ。
原題は、『악녀/悪女』。
『悪女』です。
英題は、『THEVILLAINESS』。
『悪の女』でヴィランの女性形ですね。
日本語では"悪女"の意味が、3つあり、1.性格が悪い女、3.容姿が悪い女、3.男を騙す(惑わせる)女、悪事をする女)で、最近では最後の男を騙す女の意味で通っているからですかね。
どうやら、韓国では、悪事を行う女、男を惑わせる女、加えて、強い女の意味が通っているようです。(中島みゆきの歌『悪女』のせい?)
日本でも昔の意味は、悪い=強い、だったので、そこの部分といわゆる、物語のタイトルに時折用いられる「果たして、本当にこの人はそうでしょうか?」や「どちらがそうでしょうか?」(例:『冷酷』など)といった問いかけなのではないですかね。
キム・ギドク作に『悪い女』がありましたね。原題の意味は『青い門』でしたが。
韓国語での発音も「agnyeo」ですし、本気でアクションとかけてるんじゃないか。
映画見て、「うぉ、カッケー!!!! 俺もあれやりてー、やるなら超えなきゃ失礼だろ!」な精神があふれ出ているヒットした後の自由に撮れるようになった一本目のいわゆる真の作家デビュー作な感じ。
キムオクビンは、元々テコンドーとパプキドー(韓国合氣道)の黒帯で、それに加えて、今作用にチームと約4ヶ月のトレーニングでスタント、格闘技、銃の扱いを学んだそうです。
ややネタバレ。
どうやら整形前のスクヒもキム・オクビンらしい。(IMDBの写真によると)
『アトミック・ブロンド』もそうだけど、時系列をいじることでアクションの度合いをコントロールするのは監督の腕がかなり問われる。
『ヘッドショット』、『ハードコア』、『ザ・ヴェンジェンス』、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』でも近いことをやっていたりするので、アクション映画のシンクロニシティというのがあるのだろう。
ネタバレ。
食材映画リスト。
『ニキータ』
『キル・ビル』
『ボーン・アイデンティティ』
『ドリフト』
『男たちの挽歌』
『シュリ』
『マッハ!』
『トムヤムクン』
『チョコレート・ファイター』
『ザ・レイド』
『少林寺木人拳』
『ポリス・ストーリー/香港国際警察』
『レオン』
『狼の死刑宣告』
『ヒットマン』