【俺は好きなんだよ】第38回
『天国の約束』(1995)
小品なんですけど、アメリカにおける『ニューシネマパラダイス』とも呼びたい佳作です。
原題は、『TWO BITS』。
物語。
舞台は、1933年、大恐慌のアメリカ。
12歳のジェンナーロは、近所に新しく出来た映画館に行きたくてしょうがない。しかし、家は貧しく、入場料の25セントをもらうことが出来ない。
だが、祖父のガエタノが自分が天国に行ったら、25セントやろうと、約束してくれる。けれども、ジェンナーロは祖父に長生きして欲しい。
そこで、彼は、街でお金を稼ごうとはりきるのだが・・・。
スタッフ。
監督:ジェームズ・フォーリー
製作:アーサー・コーン
脚本:ジョセフ・ステファノ
撮影:ファン・ルイス・アンシア
音楽:カーター・バーウェル
ハリウッドの異端の一人である、ジェームズ・フォーリーが手がけた映画と人生のドラマ。
しかも、脚本があの『サイコ』のジョセフ・ステファノで、意外さに驚かされる。
しっとりと魅せる少年と老人の人生の重なりを描く物語。
ジェームズ・フォーリー監督作品では、
『NYPD15分署』 (1999)
『 摩天楼を夢みて』 (1992)
『 ツイン・ピークス』 (1990~1991) <TV>
『アフター・ダーク』(1990)
なんてのが有名ですかね。
出演:アル・パチーノ/メアリー・エリザベス・マストラントニオ/ジェリー・バローン/パトリック・ボリエロ/アンディ・ロマノ/ドナ・ミッチェル/メアリー・ルー・ロサト/ジェフ・ピアソン/アレック・ボールドウィン(ナレーション)他。
意外と見せるキャストですよ。
アル・パチーノの老人役は、やりすぎかなって気もしますが、いい意味で、ファンタジーにしてくれてもいます。
セピア色が強い画面の質感が、ノスタルジーへと誘ってくれます。
映画好きには、ぜひお勧めしたい良作です。
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元の戯曲は、デビッド・マメット作ですし。
渋いジャック・レモンにKOされます。