Monkey-ATAX

北米に生息する伝説の獣人 ビッグフット を追い求め、いろいろ活動しています。

死のテレビ実験

2012-01-25 22:18:13 | 

書名   :死のテレビ実験                                                       
副書名  :人はそこまで服従するのか                                             
著者名  :クリストフ・ニック/著 , ミシェル・エルチャニノフ/著               
目次(BOOK):第1部 テレビは殺人を犯させるか?(過激になりつづけるテレビ;実験はこうして企画された;被験者はこうして選ばれた;いよいよスタジオへ;実験開始);第2部 テレビへの服従(予想される批判への答え;被験者は残酷ではない;服従と良心;テレビというシステムが支配する;服従を続けた人々;服従をやめた人々);第3部 テレビの暴走(自己増殖する“権威”;楽しげな暴力;虚構と現実のあいだ;テレビ教の信者たち)                       
要旨(BOOK):相手がクイズでまちがえるたびに電気ショックを与えるよう命令される、過激な新番組が企画された―。殺してしまうかもしれない緊張のなか、テレビカメラの前で人間はどうなってしまうのか!?衝撃の心理実験ドキュメント。    

アメリカの社会心理学者 スタンレー・ミルグラムによる著名なアイヒマン実験というのがあります。

アイヒマンとはナチス親衛隊中佐(SS-Obersturmbannführer)。ナチ政権によるユダヤ人の組織的虐殺の歯車として働き、数百万の人々を強制収容所へ移送するにあたり指揮的役割を執った。自らの職務に対する生真面目さの一方、無責任な服従の心理を持つ人格の典型として有名。(ウィキペディアより)

1960年代、アメリカのイエール大学で「権威から良心に反する命令を受けたとき、個人はどれくらいの割合でそれに服従するのか?」という疑問に対して行われたこの実験とは...

広告で募集した普通の人に「科学のため」という名目で、見ず知らずの他人に電気を流すレバーを押させる実験...(実際には電気は流れていなくて、役者が演技で苦しむふりをしていた)

悲鳴を上げる人間に、最後まで(死んでもおかしくない450V表示まで)電気を流したのは被験者の割合はなんと60% !

アイヒマンは冷酷非情な怪物ではなく、ただ与えられた仕事を黙々とこなす、どこにでもいる官僚だったのかもしれない...という結果が世間を騒がせました...

 

では...

この実験をテレビ番組を舞台として行ったらどうなるか?

というのがこの本の実験です。

日本でもそうですが...世界中でテレビにおける表現は過激になりつつあります。

ワールドレベルでは芸人を熱湯フロに落とすなんてかわいいもの...

アメリカでは1日に3時間テレビを見ている子供の場合、12歳になるまでにおよそ8千件の殺人を目撃することになるらしいです。

 

ニセのクイズ番組をでっち上げ...被験者にペアの回答者(ニセ)が答えを間違えるたびに電撃を加えさせる...しかもだんだん電圧が上がってくる...

「クイズ番組が収録されるテレビ局の華やかなスタジオ」という「非日常的な空間」に放り込まれたことによって、通常の判断基準は後退し、被験者は主にこの二つの判断基準を頼りにして、電気ショックのレバーを押すという決断をしていったのであります。

その結果...

舞台がテレビとなると、その数字は驚愕の81%まで上がったのでした !

あなたもテレビならアイヒマンになってしまうのです !

 

テレビでは暴力は番組を盛り上げるための一つの手段にすぎなず...番組の中で他人を傷つけたり、蹴落としたりするのは、なにかやむにやまれぬ感情に突き動かされているわけではなく...ただ「暴力をふるえば盛り上がる」それだけ...

いわば暴力という行為だけが純粋に取り出されて、道具として使われているのであり...これは意識してふるう暴力よりも恐ろしい...

 

実験の模様は撮影されてて...ドキュメンタリー番組として放映されてて...

ユーチューブにありました ♪ 

Documental El juego de la muerte (parte 3) de 10



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