一期一会

日々是好日な身辺雑記

古都トレドへ

2015年05月22日 | 旅行

今日22日(金)は朝ゆっくりホテルのCafeで食事を済ませ、世界遺産である古都トレドへ向け、10時半頃にホテルを出る。
トレドは「もし1日しかスペインに居られないなら、迷わずトレドに行くべきである」と言われるスペインの歴史が凝縮した町だ。
また画家エル・グレコが愛した町としても知られ、グレコの描いた「トレドの風景」も有名である。
マドリッドから南へ64kmに位置し、バスで1時間位で行ける。

そのバスのチケットを買うのに一苦労だった。Plaza Eliplicaという地下鉄の駅にあるバスターミナルの窓口に行ったら、
(ここでは売ってない、上の券売機で買って下さい)というような事をスペイン語で言われた。全く英語が駄目で単語からの推測だ。
券売機はスペイン語表示で全く分からない、多分往復券かどうか聞いているのだろうとか、ポスタルコードって何だろう、
とか二人で焦りながらやっていたら、後ろに並んでいた若い男性が英語で操作を教えてくれ、やっと買うことが出来た。
その後も我々と同じく券売機操作が分からない人が多く、券売機の前に列をなし、とうとうバス会社の人が操作の助けをしていた。
ここマドリッドでもホテルやレストラン以外は英語が通じず、言ってる事を理解するには語学力ではなく、推測力だ。
そんな苦労をしながらも、45分くらいでトレドのバスターミナルに着き、タクシーでトレドの町の全景が観れるパラドールに行く。

そこから観る町の風景は絶景で、言葉では言い表せないし、iPhoneでの写真ではその素晴らしさは伝わらないと思う。
タホ川を挟んでトレドの町の対岸の高台にあるパラドールのカフェで昼食を取りながら、しばしその絶景を楽しむ。





それからタクシーでトレドの町に行く。そこは正に(16世紀で歩みを止めた町)で、町全体が中世期のままである。
石畳の細い道を歩きながら、スペインカトリックの大本山である大聖堂や、エル・グレコの住んでいた家を観る。
ここの大聖堂の中は今まで観た中で一番凄い。勿論イタリアに行った時にバチカンには入れなかったので、そこは除いてだが。



エル・グレコの住んでいた家は現在美術館になっており、「トレドの風景」も展示されていた。4時間位トレドの町を散策し、マドリッドに戻る。
今日はそのままホテルに戻り、カルフールでパスタや野菜煮のような4種類の惣菜と苺を買い、部屋で夕食を摂る。
サン・セバスティアンでのBAR巡りでアルコール抜きが出来なかったので、マドリッドでは2度目の休肝日の部屋食だ。
これも部屋が広かったので出来た。
明日は高速鉄道AVEでコルドバに移動する。いよいよアンダルシア地方に入る。
今まではカトリックの文化・歴史の町だったが、これからはイスラム文化の薫りのする町だろう。


マドリッド美術館巡り

2015年05月22日 | 旅行

21日(木)は前日のプラド美術館に続いての美術館巡りをした。先ずはあのピカソの「ゲルニカ」が展示してあるソフィア王妃芸術センターへ。

ここはスペイン現代絵画の三代巨匠ピカソ、ダリ、ミロの作品と、現代の前衛アートが展示されている。
その展示品の一つが「ゲルニカ」で、この作品がナチスによるバスク地方ゲルニカの空爆で、2000人以上の死傷者が出た。
パリに滞在していたピカソが、その惨劇を描いた事で知られる作品である。

当時、クーデタを起こしたフランコ軍がイタリアのムッソリーニとヒットラーナチスの援助を受け、
そのフランコ軍と対峙する共和国政府側がソ連の援助を受け、その内戦に欧米が不干渉の立場をとったという、
複雑な政治状況下で起きた惨劇である。

欧米の文化人や市民が参加した国際旅団にフランスのアンドレ・マルローやオーウェルやヘミングウェーも参加した。
そんな当時のスペインの背景やゲルニカの状況を頭に入れて観た大作「ゲルニカ」だったが、正直なところよく解らなかった。

そんなソフィア王妃芸術センターで中年の女性二人から(日本の方ですか)と声をかけられた。
リタイア記念に、1ヶ月の予定でスペイン・リスボン・イスタンブールを廻る話をしたら、
羨ましがられ、65歳でのリタイアに(50代にしか見えない)と言われた。
前日のセゴビアのアルカサルのチケット売り場で、65歳以上の割引を申告したら窓口のオジさんに(嘘だろう!)という反応をされた。
スペイン語が分からない私の勝手な解釈ではなく、カミさんもそう解釈したので、間違いのないところだろう。

念のために申し添えておくと、これは自慢話ではなく、そんな割引対象の歳になったいう一抹の感慨があっての話だ。
この時は年齢証明のパスポートを持ってなく、割引引きのない短い観覧コースにしたので、それ以上の問答はなかった。

因みに二人の日本女性は、70歳以上で美術館が無料とのこと。お返しをするわけではないが、そうな歳には見えない上品な感じのお二人だった。
女性友達5人で17日の予定でスペインを廻っていて、ツアーではなく英語が通じないので大変だと言っていた。

ソフィア王妃芸術センターの後は、歩いて10分くらいデイッセン・ボルネミッサ美術館へ廻る。
デイッセン・ボルネミッサ男爵が親子2代にわたり収集した作品は個人のコレクションとしてはエリザベス女王に次ぐものらしい。
シャガール、ゴッホ、ドガ、モネ等の有名な作品が展示されていたがルノアールの(庭の傘をさした女)は貸出し中だった。
三つの美術館はその展示品において、それぞれ特徴があり、その所蔵する作品の著名さにおいても指折りだ。





美術館巡りの後は、カミさんのショッピングに付き合う。その前にCafeチョコラテリア・サン・ヒネスでひと息。
揚げパンのチュロスをカカオを溶かした濃厚なチョコラーテにつけて食べる。美味しいが二人で一皿一杯で充分だ。
この店は1984年創業で、著名人の来店者の写真が店内に飾ってあり、その中にリチャード・ギアの写真があった。





甘いモノのあとはショッピング、マドリッドの後は東京並みの大きな町が無くなるのでカミさんも一生懸命だ。
カミさんのショッピング中は広場でのパフォーマンスを観たりして待つ。上の写真を撮るのも肖像権から小銭を入れる。

夕食は息子が(BARの食事に飽きたら)と、教えてくれたアルゼンチン料理のレストランへ行く。
Googleマップにナビゲートさせて向かうが行きつくのに一苦労。近くに行き地元の人に聞いても分からず。
何とか探り当てた店は大通りから少し中に入った分かりづらい場所だった。







料理はサラダとパスタとステーキの3品を頼み、カミさんとシェアしたが量も味も申し分なかった。
サングリアを飲み、ショッピングも済ませたこの日のカミさんはご満悦のようだった。