一期一会

日々是好日な身辺雑記

「ウォール街のランダム•ウォーカー」

2020年10月31日 | 雑記
「ウォール街のランダム•ウォーカー」を一週間かけて読み終えた。サブタイトルに(株式投資の不滅の真理)とあるので、普段ほとんど読まないHow To本のようだが、150万部というミリオンセラーで長年世界中で読み継がれた古典的経済書なので図書館から借りて読んでみた。
45年前に初版が出てから改訂を重ねて、今回の本は昨年7月に出版された12版だ。
著者のマルキール教授はプリストン大学の経済学者で、フォード政権下で経済諮問委員会委員を務めた経済・金融の専門家である。

ランダム・ウォークとは(物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測することは不可能である)という事を意味する言葉である。これを株式市場に当てはめると、投資顧問サービスや証券アナリストの収益予想、複雑なチャートのパターン分析をしても無駄だということだ。

投資と投機の違いから書き始められ、投機家にとってはこの本は何の役にも立たないと断っている。市場の狂気として17世紀のチューリップバブルから、1960年代から90年代の株価バブルについて語られ、1989年の日本の株価ピーク時には株式時価総額はアメリカの1.5倍の4兆ドルに達し、世界全体の株式時価総額の45%を占めたとしている。
そのバブルの最中に公開されたNTTの時価総額はAT&T、IBM、エクソン、GE、GMを全部足したものより大きかったのだ!

その頃は電機を中心にNEC、東芝、パナソニック、三菱電機、安川電機などの株取引をしていたが、現在の運用額の10%くらいで、お金がまとまるとせっせと住宅ローンの繰り上げ返済をしていたのだ。
半沢直樹の決めゼリフではないが、25年ローンを組むとその金利で倍返しだったのだ。

第2部では株価分析の2つの手法テクニカル分析とファンダメンタル分析について述べ、(テクニカル分析は科学的な外見を装っているが、実は占星術と同類である)と。
第3部では新しい投資テクノロジーとしてスマート・ベータとリスク・パリティについて書かれているが、このへんからガクンと読むスピードが落ちたが、4部構成501ページを読み終えた。
45年前が初版だがこの第12版では行動経済学や仮想通貨を取り上げているので、大きな改訂を続けているのだろう。 因みに仮想通貨に関しては、価格上昇の度合いと短期間の価格変動幅の大きさから、チューリップバブルも凌駕する、史上最大のバブルだと断じている。ドルコスト平均法など投資戦略についても述べられているが、一貫して述べられているのは(個人投資家は、個々の株式を売買したり、プロのファンド・マネージャーが運用する投資信託に投資するよりも、インデックス・ファンドを買ってじっと持っているほうが、遥かに良い結果を生む)というバイ・ホールド理論だ。

株式投資理論としては正しいのかもしれないが、株式投資を毎日の生活の張り合いとして、調べ、考え、中小型の成長株を探し、20%から30%の利幅で売買するスイングトレードの考えに合わないし、保有しているだけでは面白味がない。

因みに昨年末の証券口座保有額からコロナ禍で3/19に50%まで下げ、最安値となった保有額も85%近くまで戻した。情報・通信、サービスの中小型株に投資していたのが良かったのかもしれない。
昨日はシステナを利益確定売りし、その資金でバイオ創薬ベンチャーのGNIを買った。
どちらもこの1年間で2回売買しているので、GNIは3回目の買いとなるが、この株はとにかく値動きが軽いというか荒い。そして東証マザーズの小型株だが出来高も大きくなる時があるが、アクティブ・ファンドが関わっているのだろう。
12月決算で増収増益の予想なのだが、10/6に4070円の年初来高値を付けてから昨日の終値1800円まで急落している。11/13がQ3の決算発表でそれまでは下げるかもしれないが、そのリスクも考えた上で逆張りで買った。アクティブ・ファンドの空売りの餌食にならないように、売値は2500円と決め、年末までの売りを目論んでいるがどうなるか。
中国での肝線維症治療薬F351の臨床試験の結果で有効性が評価されたと、IRニュースで発表されたが、専門的過ぎてよく分からない。サンバイオの暴騰暴落の例もあるし、バイオ創薬は難しい。

そして来週はいよいよアメリカ大統領選だ。日本時間の11/4正午頃には大勢が判明するらしいので、この日は家に篭ってネットとテレビに釘付けになるだろう。
NHK BSで9:00から15:50までABCの開票速報が放送されるので見逃せない。
木村太郎がトランプの圧勝と言ってるが、私はバイデンが勝つと思っているし、上下両院も民主党が過半数を占めると思っている。これが最も株価に良いケースだ。
問題は大勢が判明してもトランプが負けを認めず、ゴタゴタが続くと年末株高にはならないだろう。コロナウィルスの欧米での再拡大を受けてNYダウは下げ続け、今日も157ドル安となっている。

もし予想に反してトランプが再選されたら、このブログも止めようと思っている。
あと4年もトランプだと、ブログを書いていても罵詈雑言を浴びせたくなる。
トランプの自画自賛とドヤ顔を見ていると、ロバート・デニーロ言うところの(殴ってやりたい)気持ちになるので、精神健康上良くないのだ。


トランプ vs バイデン

2020年10月24日 | 日記
昨日は午後の囲碁対局の前に、NHKで10:00から放送されたアメリカ大統領選の討論会を見ていた。第一回目は蝶ヶ岳登山に行っていて見れなかったが、その後YouTubeに1時間半の討論会のノーカット版がUpされていたので見たが、言われてるように史上最悪の泥試合のような討論会だったが、ある面エンタメ番組のようで面白かった。

昨日の討論会については既に一部報道されているし、日曜日のTV報道番組でも放送されるだろうから細部については書かないが、全体的な印象ではバイデンは特に失言もなく、Sleepy Joeとトランプから揶揄されているが、今回はトランプを厳しく責めていて強さと熱意も感じられた。トランプは相変わらずの自己弁護と、物は言いよう言ったほう勝ちの客観性のない嘘とレトリックに満ちた相手攻撃だった。

今回の討論会は●新型コロナ●人種差別●気候変動●経済●安全保障●指導力の6つのテーマについて討論されたが、経済以外はトランプにとって不利なテーマだ。

新型コロナウィルスについては200万人が死亡すると言われたのを20万人に抑えたと言い、コロナワクチンについてはもう直ぐ出ると言い、ファイザーとジョンソン&ジョンソンの会社名を上げていたが、ジョンソン&ジョンソンは治験中に問題があり、一時中止しているのを知らないのだろうか。アストラゼネカのブラジルでのコロナワクチン治験では被験者が死亡しているし、昨日のワールドニュースでは韓国でインフルエンザワクチン投与で32人が亡くなったと報じられていた。
ワクチンの治験については安全確認にそれだけの期間をかける必要があるのだ。

今週のワールドニュースではヨーロッパでの再拡大が4月の第一波より酷いというのが報じられ、再度のロックダウンも始まっている。
決してトランプが言うような、収束に向かっているとは思えないし、トランプの支持者が多いと言われる中西部では右肩上がりの感染拡大が続いている。
前から言われている気温との関係なのだろうが、日本もこれから冬に向かって感染拡大となるのだろうか。

人種差別については自分をリンカーン大統領に例え、(私ほど黒人コミニュティに多くのことに尽くした人間はいない、私は最も人種差別をしない人間だ)と、よくぞ言ったりだ。
760ドルしか税金を払ってない事については、数千万ドルを事前に払っていると言ったが、これは同時通訳の間違いなのか?Pre Payと2度ほど言ってるが税金の前納なんてあるのか。この放送は録画してあるので来週にでも再度見てみよう。要はトランプが納税証明書を公開すれば良いだけの話なのだが。

トランプは混乱しているのか、オバマやバーニー•サンダース、オカシオ•コルテスの名前を出して攻撃していたが、自分のこれからの政策について語る事はなかった。
この男の人生訓は(攻撃は最大の防御なり)
なのだろう。

今回の討論会はどういう人が司会者なのだろうと、事前にインターネットで調べたが分からなかった。そして放送が始まりクリステン•ウェルカーというNBCのニュース番組のキャスターだと知ったが、公平で厳しさもある名進行役だったが、ハーバート大学卒業の才媛だ。
顔からするとインド系のような気もするがどうなんだろう。
2024年の大統領選はカマラ・ハリスと前国連大使ニッキー・ヘイリーのインド系2人の女性の戦いになるだろうと思っているが、マイクロソフトもグーグルもCEOがインド系男性であるように、アメリカはトランプが何を言おうと移民社会なのだ。

午後からの囲碁対局は4戦全勝だったので気分良く夕食を済ませ、BS TBSの(報道1930)を見たが出演者がトランプ応援団のジャーナリスト(コメンテーター?)木村太郎だったので、討論会の感想を何と言うか興味を持って見ていたが、トランプの完勝だったと、う〜ん。

そしてOctober Surpriseはタブロイド紙のニューヨークポストが報じたバイデンの息子のウクライナ関連のメールで、これからこの問題が追求されるだろうとも。
この件についてのトランプの投稿に問題ありと、フェイスブックもツイッターも掲載に警告を出し、他の主要メディアもガセネタとして扱っているらしいが、共和党はCEO2人を議会喚問をすると言ってるらしいが、注意警告や削除をした事で議会喚問をする事は出来ないだろう。

トランプはよく民主党左派のバーニー・サンダースやオカシオ・コルテスを社会主義者と呼んでいるが、現在のアメリカの行き過ぎた金融資本主義、経済格差、人種格差、医療保険などの問題からすると、エリザベス・ウォーレンも含めた民主党左派と言われる人達の政策が必要なのだろう。
何より若い世代がそれを支持しているのだ。

バイデンの政策で一つ気になるのがキャピタルゲイン税の増税だが、20%→39%の増税だが詳細は分からない。アメリカは年金を401Kで運用する人が多数なので極端な税率に出来ないと思うが、7月末にカミさんの退職金全額で3Mの株を買ったのでキャピタルゲイン税の増税は無関係ではいられない。

まぁトランプが落選するのであれば、20%を超えた分は民主党への献金と考えよう。



山岳情報

2020年10月17日 | 山登り
先月末に単独行で北アルプスの蝶ヶ岳に登り、改めてその雄大な山容の素晴らしさに、今後単独行でも北アルプスの主峰に登り続けたいとの思いを強くした。
それと同年代男性2人の単独行者の話を聞いて刺激を受け、北アルプス主峰への登山もまだまだやれるとも思った。
1人は蝶ヶ岳に上る途中で知り合い、1時間くらい話をしながら一緒に上った信楽の74歳の男性。
西穂高岳に上り上高地に下山し明神館に泊まり、翌日蝶ヶ岳に上るという行程での登山をしていた。縦走で幾つかのピークを踏破するというのはあるが、一度下山してまた別の山に上るという行程は思いつかない。会社員時代は山岳部で活動し、現在はバトミントンで身体を鍛えているという。

もう1人は徳沢ロッジで相部屋だった72歳の男性で、涸沢から南陵の岩尾根のルートで北穂高岳に上ったという。南陵取付からの鎖場が長い急登できつかったとの事。
槍ヶ岳から大キレットを通って北穂高岳へ縦走した時に、南陵から涸沢へ下っているが、記憶がほとんどない。記憶にあるのは大キレットの滝谷の絶壁と、北穂高小屋直下の北壁ぐらいだ。

このお2人の話を聞いて思い浮かんだのが、涸沢をベースに北穂高岳と奥穂高岳に登る行程で、初日を上高地から涸沢、2日目を涸沢から北穂高岳をピストン、3日目に奥穂高岳へのピストン、これだと3泊4日で人気の2座に登れる。10月の下旬になると山小屋も閉まり北アルプスは冬山になるので、来年の7月中旬から10月中旬にでも計画しようと思う。
それまでに新型コロナウィルスは収束しているか?してないと涸沢の山小屋も半数営業なので、天気予報に関係なく早めの予約をしないといけない。



そんな北アルプスへの思いと、9/14〜9/22に相次いだ70代単独行者3人の死亡山岳事故のネット報道を見て、改めてルートの事前検討が重要と認識し、ガイドブックと地図を25年ぶりに買った。
そして昨日は予約本を受け取りに図書館に行ったので、「山と溪谷」の最新刊11月号を読んできた。特集が(充実!日帰りコースガイド)というもので、東京・名古屋・大阪周辺の日帰り低山コースを紹介していた。そこで言われていたのが、低山での道迷いの遭難事故の多さだった。幾つかの原因が指摘されていたが、メジャールートと比べ人がいない事や、ペンキや赤いリボンの標識の見逃しなどだ。

道迷い遭難事故で記憶に新しいのが一昨年5月に新潟県であった、37歳会社員の父親と小学1年生6歳の長男の遭難死亡事故だ。GWの登山だったのか5/5に行方不明になり、重なり合った遺体が発見されたのが5/29という痛ましい事故だ。
五頭山という900mくらいの低山だったが、尾根道から沢に迷い込んだ事故らしい。

蝶ヶ岳で会った信楽の男性も、滋賀県の1300mの鈴鹿山系での遭難事故が多いと言っていた。またスマホの山岳アプリ(YAMAP)でのGPSを使っての登山中のモニタリングが家族と共有出来るというのを見せてくれた。この(YAMAP)と(ヤマケイオンライン)はスマホにインストールしてあるが、登山レポートを見るだけでGPSを使った事がない。

そして一昨日は2ヶ月に1回の川越の理髪店に行ったので、いつもの山行きの相棒と定例飲み会をした。8月に飲んだ時に、半身の痺れがあり市内の病院でMRI検査を受けたら何でもないと言われたというので、再度大学病院での検査を勧めたら、埼玉医科大学で検査を受け、異常は無かったとの事だった。現在は別な病気で飲んでいたビタミン何たらという薬を飲んだら痺れも無くなったというが、よく分からない話だ。

蝶ヶ岳の写真を見せ、一緒に登った燕岳の遭難事故の話をし、最後はどんな状況だったのだろうと言ったら、あの週は天候も悪かったし、2000m級でのビバークでは低体温症になり、冬山遭難と同じく眠るような最後だったろうと。
そしていつもビバーク用のツェルマットと保温用のアルミ製の袋を必ず持って行くと言う。
サージカルテープや薬のセットを持っているのは知っていたが、この二つは知らなかった。
50年以上の付き合いになるが、カミさん言うところの(何でも大丈夫だろうと言う、根拠のない楽観主義)の私とは真逆で、慎重で用心深い性格だ。
山岳保険に入ったのも、相棒が入っている保険で遭難救助に相乗りするのも何だかなぁ、と思い7月末に毎年更新していたが、今年はコロナ禍で更新しなかった。

秋の日帰り登山に行きたいと思っているが、全然秋晴れとならず図書館から借りてきた(山と渓谷)を読みながら憂さ晴らしをしている。



「スパイはいまも謀略の地に」ジョン・ル・カレ

2020年10月09日 | 日記
ジョン・ル・カレの最新作「スパイはいまも謀略の地に」を2日間で読み終えた。
ル・カレのスパイ小説はプロットが複雑で、前に遡って読み返したりするので、時間もかかるが、この本は冷戦期の諜報戦を題材にしたスマイリー3部作と比べると、筋立てがシンプルだったので読み進め易かった。
ル・カレの新作としては2年半振りとなり、1ヶ月前に日経新聞の書評を見て図書館に予約したら3人目となり、思いがけず早く手に取れた。新作でも日本の人気作家と比べると圧倒的に予約が少なく、私の後には1人だけだ。ル・カレは好きな海外作家の1人で新作が出ると直ぐに読むが、なにせ89歳という高齢なのでいつまで新作が読めるか。

イギリス秘密情報部(SIS)のベテラン部員ナットに引退の時期が迫っていたが、新しい任務として対ロシア活動を行う部署の再建を打診され、やむなく承諾する。
そしてコードネーム(ローズバッド)と呼ばれる、ウクライナ人の新興財閥のロシアへの怪しい資金の流れを探る作戦を指揮する。
バトミントンを趣味とするナットが、スポーツクラブでエドという若者と知り合う。反Brexit、反トランプを語るこの若者に違和感を感じながらも、バトミントンの対戦を通して少しずつ親しくなっていく。
そんな中、ロシア人亡命者から近いうちにロシア人大物スパイがイギリスで活動するとの情報がもたらされる。そこから色々な手を尽くしての諜報活動が行われるのだが、最後にナットはイギリスの諜報機関を裏切るような決断を迫られる。

読後感は、ル•カレの本にしては読み易かったなぁ、というものだった。
東西冷戦下での諜報戦を書いたものではなく、Brexitの時期を背景としているので、冷戦期のような緊張感は伝わらないが、登場人物の言葉として語られる汎ヨーロッパ主義や反トランプや反プーチンはル•カレの思いでもあるのだろう。

ロシア人亡命者の言葉として「トランプが何か知ってるか?あれはプーチンの便所掃除人だ。あのちびウラジが自力で出来ないことを、代わって全部やっている。ヨーロッパの結束に小便をかけ、人権に小便をかけ、NATOに小便をかける。クリミアとウクライナは神聖ロシア帝国のもの、中東はユダヤとサウジのものだと我々を説得する。世界秩序などくそくらえだ」と、トランプのゴールデンシャワースキャンダルにかけたのだろう。
また「トランプは完全に空っぽで、生まれも育ちもギャングだ」とも言わせている。

この本がシンプルなストーリーでも事実は小説より奇なりで、ロシアがドイツやイギリスでロシア人亡命者の暗殺を行なっているのは、周知の事実で今もドイツで裁判中である。
そして最近のロシアのナワルヌイ氏の暗殺未遂など。
この本では「プーチンは生まれた時から民主主義というものを知らないで育っている」とも。




そんなトランプのこの一週間は前にも増して史上最低最悪の大統領振りだった。
NYタイムズに750ドルしか税金を納めていない事を暴露され、バイデンとの討論会では相手の発言を遮り非難した挙句に、自分に投票された用紙が川に捨てられたと、根拠と証拠を示さず話すという一国のリーダーとしての品位、理性、知性を感じさせられないものだ。
そして先週末には本人がウィルスに感染し、側近も感染するというホワイトハウスがクラスター化している。そして入院からまる3日での退院については報じられている通りだ。
退院と同時にビデオメッセージをTwitterに投稿したというので、削除していたTwitterをインストールし直した。そこには映画さながらにバックグランドミュージックにのせて、ヘリコプターがホワイトハウスに降下し、トランプが出てきて階段を上り、バルコニーから敬礼するという映像だった。
何台ものカメラを使ったカット映像の編集で、撮り直しをしている様子を写真でとられている。
金正恩が白馬に跨がり駆けるというプロパガンダ映像を思いだし、不愉快になりインストールし直したTwitterをまた削除した。
いずれにしても11月3日の大統領選挙以降もこのお騒がせ男から目が離せない。
色々な手を使って大統領の椅子に座り続けようとするだろうから。

2ヶ月前にプライムニュースで木村太郎がトランプの圧勝を予想していたが、現在の予想を聞いてみたいものだ。



昨日はNHK BSで10:00からのマイク・ペンスvsカマラ・ハリスの副大統領候補の討論会を見ていた。今回の両大統領候補が74歳、77歳と高齢なことから次期大統領の可能性もあるので興味を持って見ていた。先週の30日のトランプvsバイデンの討論会は登山中で見れなかったのと、実況放送があるのも知らなかったので録画もしていなかった。
トランプのなりふり構わぬ挑発的なもので内容がなかったらしいが、エンタメとしては面白かったかもしれない。

昨日の討論会は色々な面で興味深いもので、こういうディベートも有りなんだなぁと思った。司会者の質問に直接答えず、はぐらかすという高等テクニック?のような手が目立った。ペンスはトランプがオバマケアを廃止し、既往症のある国民への医療保険の提供はどうするのかとの質問に答えず、人口中絶の廃止の是非についても回答しなかった。
キリスト教福音派の信仰に従い明確に反対の意見を述べると思っていたが意外だった。
気候変動についてはカマラ・ハリスは即パリ協定に復帰すると言ったが、ペンスは回答を避けた。
両者とも答えなかったのは、高齢の大統領が執務が出来なくなった場合の事を話し合ったかとの質問だった。まぁこの質問には答えにくいのは理解できる。
カマラ・ハリスはペンスからのバイデンが勝てば最高裁判事の定数を増やすのかとの質問には明確に答えなかった。

全体的にはカマラ・ハリスは2年前にボストン旅行中にTVで見たカバノー最高裁判事候補へのような舌鋒鋭い追求は抑え気味にしながらも、ロジカルに攻めていた。
ペンスはトランプの失点をカバーするのに苦労して、得点をあげることは出来なかった。そして1番印象に残ったのは、白髪のペンスの頭にハエが止まり続けたことだ。
これはトランプ側への不吉な兆候かもしれない。

今週末は台風の影響で大雨となるらしいので、録画してあるこの番組をまた見てみよう。


北アルプス蝶ヶ岳登山

2020年10月02日 | 山登り

28日(月)から2泊3日で北アルプスの蝶ヶ岳への登山に行ってきた。
いつもの山行きの相棒は、体力の衰えを感じたか7、8時間歩行の北アルプスはパスという事で単独行となった。例年だと7月の梅雨明けに夏山登山をしてきたが、今年はコロナ禍で(来ないで下さい)(出かけないで下さい)との声で行けなかった。
今回は槍・穂高連峰を眺めるのに絶好の北アルプス随一の山、蝶ヶ岳と紅葉の涸沢カールを主目標として計画を立てた。そしてコロナ禍でもあるので山小屋は3密を避け、二段ベッドでカーテンがある徳沢ロッジと横尾山荘を利用する事にし、初日は松本まで電車、上高地までバス、その日は徳沢ロッヂ泊。2日目は長塀尾根を上って蝶ヶ岳へ、蝶槍から横尾へ下って横尾山荘泊、3日目が涸沢カールへ紅葉を見に行き、15時頃まで上高地に下山しその日に帰ってくるという計画を立てた。

それからネットで涸沢カールの紅葉状況と山小屋の予約状況を調べていたが、涸沢ヒュッテは9月26日から10月11日まで、横尾山荘は10月1日から満室で、28日〜30日が僅かに空きがあるという状況だった。紅葉は10月第2週が見頃のようだったが、天気予報を確認して土曜日に28日、29日の宿泊を予約した。

9月28日(月)
自宅発(7:00)→立川(7:53発特急あずさ3号)→松本(10:23着/1045発)→新島々乗換え→上高地バスターミナル(12:35着昼食)→自然探勝路・明神池(14:00)→徳沢ロッヂ(15:00着)

 (河童橋からの穂高連峰)


 (明神池)


 (徳沢ロッジ)




前日まで秋雨が続く天気だったが一転この日はすっきりとした秋晴れとなり、絶好の登山日和だった。河童橋を渡って自然探勝路を明神池へ。初めて泊まった徳沢ロッヂは松本民芸家具と暖炉のあるカフェラウンジ、ウォシュレットトイレと今までの山小屋にない雰囲気と設備だった。
コロナ対策の方は検温での入館、2段ベッドの8人相部屋も半数での運用で、食堂の席もアクリル板で区切られていた。

9月29日(火)
徳沢ロッヂ(6:00発)→長塀山2585m(10:00着/10:15発)→蝶ヶ岳2677m(11:20着:昼食12:00発)→蝶槍(12:40着)→横尾分岐(13:30着)→横尾山荘(16:40着)

この日はコースタイムが8時間の蝶ヶ岳に上り横尾に下るピストン登山だったので、7時の朝食では遅いので、前日に弁当を作っておいてもらい、5時にそれを食べ6時に出発する。チマキ2個と豚肉の甘煮、リンゴ、紙パックお茶となかなかの内容だった。

樹林帯を上っていくと、樹々の間から穂高の山並みが見えるという徳沢からのアプローチならではの気持ちの良い上りだ。
前を行く人も後から来る人もいない静かな山行きだ。1時間歩いて5分の水飲み休憩というペースで上り、ほぼコースタイム通りの10:00に長弊山に着く。



そこでリュックをおろし、クッキーやチョコを食べて休憩していたら、滋賀県の信楽から来たという単独行の74歳の男性から話しかけられる。
前日に西穂高岳に上り上高地明神館に泊まったというこの男性、とてもその歳には見えない身体つきだったが、山登りは若い時からで、今でもバトミントンをしているという事だった。長塀山から蝶ヶ岳までの1時間のなだらかな上りを2人で色々と山に関わる話をしながら上った。オープンで気さくなお人柄で、初めての登山が高校生の時に横尾から蝶ヶ岳への登山で5月だったので苦労したとの話もあった。そして上り着いた蝶ヶ岳で後を振り返ると下の写真の穂高連峰の偉容が目の前に迫り右手には槍ヶ岳も見え、思わず2人で(凄い)と声をあげた。

(蝶ヶ岳からの穂高連峰)

右から下っている所が大キレット、そして北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳が見える。全て登ったが40代の頃に単独行で登った槍ヶ岳から大キレット、北穂高岳というルートが最も思い出深い。上級難ルートというこのコース、大キレットの滝谷の絶壁、北穂高岳に上る北壁など、今になるとなんで登ったんだろうと思う。大キレットの様子はネットで見れるが、今では恐くてとても登れない。
(蝶槍からの槍ヶ岳)


蝶ヶ岳頂上では途中から追い抜かれたスペインとイタリアの若い男性2人と写真を取り合ったり4人での自撮りをした。スペインを1か月で廻った話やイタリアのドロミテ山塊の写真を見せたりした。登山での一期一会である。
この日は蝶ヶ岳ヒュッテに泊まるという男性と別れ、ベンチで持参したパンと野菜スムージー、チーズなどでランチを取る。
(楽しかったです)の声を頂いた信楽の男性からは、日常的に鍛えていれば75歳位までは北アルプスの主峰に上れるのだという思いも頂いた。

蝶ヶ岳からは蝶槍に行き、横尾分岐に戻り樹林帯を横尾へ下った。机上のプランでは15:00頃に横尾山荘に着く予定だったが、ヘトヘトになって横尾山荘に着いたら16:40だった。横尾分岐からは2時間のコースタイムが水飲み休憩1回だけだったが1時間も遅かった。




  
横尾山荘も8人2段ベッドの相部屋が半数での利用だった。風呂に入り夕食を終えてから翌日の涸沢カール行きについて検討し直した。徳澤ロッヂでの相部屋の2人の男性が紅葉は20%くらいだと言ってたのと、この日の下山ペースで行くと上高地16:00のパスに間に合わないのでは思った。
5年前の10月の涸沢•屏風の耳のブログを読み返して見ると、パス出発の5分前に着いたとあった。この時はパノラマコースを通って上高地という険悪路だったが、明らかに5年前より脚力は衰えているだろうと思った。そんな事から涸沢カール行きは止めた。
9月30日(水)
横尾山荘(9:00発)→徳沢園(10:30/10:50)→上高地バスターミナル(13:00)
(前穂高岳のモルゲンロート)


(横尾山荘からの前穂高岳)


(徳本峠入口からの明神岳)


涸沢カール行きを止めたので横尾山荘周辺を散策し9:00に出発する。
徳沢園ではソフトアイスコーヒーなるものを飲んでのんびりと休憩を取る。
梓川に沿って明神岳を眺めながら歩いて13:00に上高地バスターミナルに着く。
16:00発の松本行きのチケットを購入していたので、13:50発に変更してもらい17:30に帰宅した。

(2015年7月奥穂高岳から前穂高岳の吊尾根)7


今回の単独登山には娘から心配と反対のLineメールが何回か届いた。ANAのとくたびマイルを使って四国旅行でもとか、子供の頃から知っている相棒と一緒に行けないのかとか。カミさんは手術入院が無くなったからか、(気をつけてよ)と言うくらいだった。
娘はネットで見た燕岳に単独登山した奈良県の70代の男性の遭難のニュースを知らせてきた。
14日から燕岳に入山し、17日18時頃に道に迷って遭難と警察に連絡があり、翌日捜索に入ったが携帯のバッテリーが切れたのか連絡が取れなくなっていた。浮石を踏んだのか捻挫もしていたらしい。警察は連絡を貰った時点でビバークするように言ったらしいが、2000mの気温はどうだったんだろう。今日現在まだ発見されていないようだ。先週の天気からすると生存の可能性は低いだろう。

燕岳も登山した事があるので、何であそこで道に迷って遭難なんだろう?と思った。
地図を広げネット記事を見ながら確認したが、分からない点があった。14日に燕岳に入山し17日の下山で道迷いの遭難らしいが15日、16日の行程が分からない。普通に行けば翌日15日の下山になるのだが、17日に東沢乗越から沢を下ったという事は、餓鬼岳、唐沢岳に上ったというしか考えられない。このコースは一般的ではないので上級者だったのだろう。

相棒と2017年の9月に燕岳に上った時は
翌日に逆の大天井岳から常念岳に縦走し、常念小屋に泊り烏帽子沢を下山した。

遭難者がとった東沢乗越から燕岳登山口までのルートは地図では破線の険悪路となっており、浮石やペンキマーク外さないように注意とも記されている。ガイドブックにも(赤ペンキ印に従ってルートを間違えないように)と書かれ、右岸から左岸と河原を7回渡り返しながら下るのだ。
薮漕ぎもあるだろうから、普通は取らないルートだ。

このニュースを知り、長野放送のサイトを見たら14日から22日の間に、横浜市の70代女性が15日に八ヶ岳でロッククライミングで転落し亡くなり、22日には新潟市の70代男性が奥穂高岳から前穂高岳を結ぶ吊尾根から滑落し死亡との記事があった。
2015年7月に写真のこのルートを通ったが、確かに滑落の可能性があり、登山難易度を示す「山のグレーディング」では槍⇄北穂高の大キレットに次いでの難易度にランクされている。

この3件の山岳事故はいづれも70代の単独登山者であるが、背景から推測すると若い時からの登山愛好者なのだろう。私も20代から登山をしているが、あの時代は週末になると新宿駅の西口広場が夜行列車を待つ登山者で賑わっていた。その頃からの経験が過信になっているのだろうか。

こんなニュースを見ながらも、今回の山行きで北アルプス登山への思いが強くなり、今持っているのが25年前の槍・穂高のアルペンガイドなので、アマゾンに最新のアルペンガイド(北アルプス槍・穂高)を注文した。
今月下旬には相棒と飲むので、1日5時間くらいのヘルメットなしルートのコースを幾つか考え提案してみよう。
筋肉痛が取れたら長めのジョギングを再開しよう。