一期一会

日々是好日な身辺雑記

オンダリビアからフランスへ

2015年05月18日 | 旅行


今日5/18(月)はサン・セバスティアンから東へ約20km、フランスと国境を接する漁師町オンダリビアへバスで行ってきた。
ここにはハプスブルグ家出身で神聖ローマ帝国の皇帝カール5世であり、スペイン国王でもあったカルロス1世の城がある。
城壁の中にある旧市街は石畳の通りで、バスク地方独特の赤や緑の窓枠の家が並んでいる。
そんな歴史のある町なので、道行く老人もあのバスク人独特のベレー帽を被っているのを見かける。

現在はパラドールとして利用されている城の辺り見学していたら、2歳位の男の子を連れた30代中頃の日本人女性に声をかけられる。
こちらに住んで8年になるとの事で、立ち話でセバスティアンより歴史が古いというこの町 について教えてもらう。
その女性と別れて石畳の狭い道を歩いていたら、小さな靴屋さんの店先に、昔履いていたTimberlandの
3EYELETCLASSIC にそっくりの靴が飾られていた。価格を見ると47ユーロとなっていたので、店に入り履かせてもらう。
70歳以上と思われる男性の主人はバスク語らしい言葉で話すので全く分からない。(スペイン語なら解るというわけでもないが)
そこは昔ながらの売り手と買い手の関係で、何となく通じる。少し大きいかなと思い靴先を押したら、
(大丈夫だよ、靴紐を結べばほらこの通り!)と、言ってるのだろうと思われる言葉が返ってきた。
Classicと言う位、昔からの変わらぬ形で、実直そうなオジさんだったので"Esto por favor"と買ってしまった。





そんな旧市街散策の後はボートに乗り 、フランス国境の町アンダイエに渡る。10分に満たない距離だが、
ヨットハーバーになっている港に着くと、そこは確かにフランスでフランス国旗がはためき、話されている言葉はフランス語だ。
陸路の国境越えはタイからカンボジア・ミャンマー、船やフェリーでもカナダのヴィクトリアからシアトル、
トルコからギリシャと国境越えをしたが、パスポート不要で入国審査なしというのは初めてだ。
これがEUの条約による地域内移動なのだろう。同じボートでの国境越えではタイからラオスがあるが、これは入国審査に時間がかかった。

ヨットハーバーを30分ほどブラリ歩きし、またボートに乗りオンダリビアに戻る。同乗者はフランス語を話す男女8人。
昼食をBARで取った後、またブラリ歩きをする。オンダリビアはバスク地方らしさと歴史を感じさせる良い町だった。

オンダリビアから3時頃戻り、ホテルで一休みした後サン・セバスティアンでの最後の夕食を取りに7時頃に町に出る。
最後はハシゴをしようと、カミさんが2軒の店を選択済み。最初の店はサンタマリア教会前にあるアタリ・ガストロテロ
(Atari Gastrotero)。






人気店らしく満杯の状態。いつも通りカウンターに並ぶピンチョスから7品選び、ワイン2杯で26ユーロ。
どれも美味しかったが、キノコを炒めたものが(今までで一番)と、いたく感激の様子。
そして次のお目当の店バル・ゼルコ(BAR Zeruko)を探して行くがお休み。
月曜日休みいう店も多い。近くの店に入り二人で5品食べて、美食の都サン・セバスティアンでのBAR巡りは終り。

明日はバスで5時間かけてマドリッドへ移動。これからはイベリア半島を南下するので、日一日と暑さを感じる旅になるだろう。


サンセバスティアン観光

2015年05月18日 | 旅行

サン・セバスティアン2日目は市内観光だけの予定なので、昨日スーパーマーケットで買った食材で、部屋でのんびり朝食を取る。
日本にいる時は朝夕の2回、人参・小松菜・リンゴ・レモンのジュースを飲むのが、手術後の日課となっている。
旅行中それが飲めないことから、青汁を持参し、朝食は出来るだけ野菜を、というカミさんの考えで、この日のような朝食になる。

朝食の後は歩いてサン・セバスティアンの町へ。高台にあるホテルからは下り道で20分位。
朝も鳥のさえずりが聞こえるような、緑豊かな閑静な場所を、散歩がてら歩くのは気持ちが良い。
日中も気温が17度という気候で、厚手のパーカーを着て出かける。
先ずはホテルフロントで場所を確認しておいたバスのチケット売り場で明後日のマドリッド行きを買う。
8:30発と10:40発があるというので、8:30のにする。5時間半の乗車時間で一人32ユーロの料金。
小雨が降ってきたのでバスに乗り旧市街へ。最初に予定していたラ・ブレチャ市場は日曜日で休みだった。


そこで、朝飲んでいないコーヒーを飲む為にBARに入る。パンの上にチーズと
アプリコットのジャムが乗ったものも一緒に頼む。
これも美味しかった。(美味しかった)だけでは(猿でも書ける食レポ)だと思うが仕方ないか。これからは食べた時にメモするか。



この後ブエン・バストール大聖堂、サンタ・マリア教会と廻る。サンタ・マリア教会ではミサの最中で写真は撮れなかったが、
教会内の彫刻は、歴史を感じさせる重厚なものだった。市庁舎や県会議事堂も旧市街の街並みに合った建物である。
町の北東にある丘モンテ・ウルグルの頂に建つモタ城の上には高さ10mのキリスト像が街を見下ろすように立っている。



昼も旧市街のBARに入るが、飛び込みで入ったこの店は、パンを主体としたタパスで、それぞれ3品づつ食べたが、
どれも味が同じだね、ということでカミさんと意見が一致、よって店名は出さない。昨夜の店は小鰯・蛸・シラスなどの
魚介類、キノコ等の野菜類と、食材も味の幅も広かった。BARもそれぞれの店で特徴があるようだ。

この後も街をブラリ歩きをする。ピレネー山脈を挟んでフランスとの国境に接しスペインの北西に位置するこの街は、
バルセロナよりこじんまりして、落ち着きのある綺麗な街だ。
何処でも見かける中国人団体客もいないし、日本人も見かけない。

バスク地方はその地形的な特長から、独自の文化や言語を育んできた。1970年代のフランコ政権時代まで、
独立を目指すテロ集団活動が続いたりした歴史があり、関連本を数冊読んだが興味深い地域だ。
3時頃ホテルに戻り一休みし、6時半頃にまた街に出る。外は昼のように明るく、陽が落ちて暗くなるのは9時半頃だ。





夕食はカミさんがインターネットで探したBARに行く。ここは趣向を変えて肉主体のバスク料理の店らしい。
いつもの通りから少し離れた所にあるこの店(La Cunchara de Santelmo)へは、GoogleMapにナビゲートされ向かう。
7時半の開店と同時に一番で入った店は鰻の寝床のように狭い店で、カウンターには何も置いてない。
前知識でお目当の品を決めてきたカミさんは、英語メニューをもらい確認しながら注文する。
その品は・牛の頬肉のワイン煮・フォアグラ・イベリコ豚の耳のグリル・生ハムと野菜乗せゴートチーズ、
それをカウンターで立ち喰いするのだが、人気店らしく後から来る人達で満杯になる。
ワイン煮はとろけるような柔らかさで、イベリコ豚のソースはブラウンシュガーとパイナップルとバニラの絶妙な味に、
いつものカミさんの(美味しい!)の感嘆詞に(幸せ)が加わる。


そんな大満足の夕食の後は、ブラリ歩きをしながら見つけた店で口直しのデザートを。いや~食べ過ぎと、少し反省の夕食だった。