一昨日25日(金)から、いつもの山友達と南アルプスの北岳へ登ってきた。
北岳は富士山に次ぐ日本第二の高峰(3193m)で、40代の頃には北岳、間ノ岳、農鳥岳と縦走したことがある。
早朝電車も走っていないので山友達が車で4:00に迎えに来てくれる。
4:30圏央道入間インターから乗り、八王子から中央高速を走り5:30甲府南インターで下りる。
そこから一般道を山に向かって走ること1時間半、バスが出る奈良田の駐車場に着く。
377台の車が停まれる無料駐車場は既にいっぱいの状態だったが、なんとか駐車スペースを見つけることが出来た。
7:30発のバスを待つ登山者は30人位だったが、リュックがあるせいか2台のバスに分けて乗せてもらえる。
芦安~広河原間が土砂崩れにより通行禁止になり、臨時便が運行されたこの奈良田~広河原間のバスの混雑を
予想していたが、おもいがけず、ゆったり座って行くことが出来た。
バスは8時20分に北岳の登山口広河原に着く。この日は雲ひとつない快晴だったので川の向こうに北岳がはっきり見える。
吊り橋を渡って20分程行くと白峰お池小屋へと、大樺沢へのコースとに分かれる。
大樺沢のコースを取ったつもりが1時間ほど登っても沢に出会わず、間違って白峰お池小屋へのコースを来たことを知る。
どちらのコースを取っても小太郎尾根の手前で合流するし、コースタイムもほぼ同じなので、
翌日の下山に二俣から大樺沢のコースを取ることにする。
登り始めて2時間半、11:05白峰お池小屋へ到着。ここで持参したオニギリで昼食。
11:50出発。ここからは(草スベリ)という500mの直登のコースで、小太郎尾根まで3時間。
55分登って、5分給水の休みというペースでひたすら登り続ける。
単調できつい登りもキタダケキンポウゲ等の高山植物で幾分和らぐ。
尾根道の小太郎分岐点に着いたのが14:05。地図上のコースタイムより大分早かった。
ここからは仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳が眼前に見れるパノラマの風景。
そんなパノラマの風景を楽しみ 、14:20小太郎分岐を出発。
稜線を登りピークがあるとその向う側にこの日の目的地肩の小屋があると思うと、
またピークがあるというのを3回繰り返し、ようやく14:50肩の小屋に到着。
受付を済ませ、部屋に荷物を置き早速グラスサイズ一杯900円の生ビールで乾杯。
そのテーブルに日立からの我々と同年代のご夫婦、東京からの中年女性二人連れが一緒になりおしゃべり。
陽気な人達で話が面白い。(秋田 佐竹藩(角館)の城主は茨城の常陸(日立)から国替えで移ったので
秋田美人は茨城の血が混じっている)、また話は美空ひばりの(みだれ髪)の歌詞になり、
「春は二重(ふたえ)に巻いた帯、三重(みえ)に巻いても余る秋・・って、どれだけ痩せたんだろう)
と笑い話で盛り上がる。帰ってきてからMusicTubeで聴いたが確かにその歌詞で名曲でもあった。
とにかく中年女性は中年男性と比べ社交的で陽気で元気が良い。これは何故なんだろう?
そんな女性たちも山歴を聞くと凄い。槍ヶ岳から北穂高、奥穂高の縦走とか。
私もこのコースを40代の頃に登ったことがある。前泊が横尾山荘か槍沢ロッジだったか忘れたが、
槍ヶ岳に登り、南岳、北穂高岳と縦走した。途中には痩せ尾根の大キレットがあり、
北穂高小屋にたどり着く前には鎖が取付けられた急傾斜の岩場があった。
夕方に北穂高小屋に着き、翌日は奥穂高岳、前穂高岳と縦走した。
これは体力よりも、無知ゆえの怖さ知らずだから出来たのだろう。今はとても怖くて出来ない。
夕食は5時からで、まぁその内容は何と言っても3,000mの場所に立つ山小屋なのでそれなりである。
夕食の後は特にすることもなく,iPhoneでMusicTubeを聴いていたが、疲れとビールとお酒の酔いで6時半に寝てしまう。
部屋は8畳位の広さに10人位で、寝具は寝袋。そんな時間に寝たので夜中の1時半頃に一度目が覚めるが、
そのまま1時間位うつらうつらしていたら周りの人もごそごそと動き出す。
そこで外にあるトイレに行き空を見上げると満天の星で、この日の快晴を予想させるものだった。
3時半頃にはキャップライトを付けリュックを背負い、出発する人もいる。北岳山頂でご来光を見るのだろう。
我らも4時には着替えを終え、ご来光を待つ。4時45分のご来光を見て、その時間に合わせた4時50分の朝食を取る。
5時半にはリュックを山小屋に置いたまま空身で北岳山頂を目指す。
岩稜を登ること40分、6:10北岳山頂(3,193m)到着。
山頂からのパノラマ風景を楽しみ,6:30に山頂から肩の小屋に下山。7:10に肩の小屋到着。
7:30には置いていたリュックを背負い、肩の小屋を出発。帰りの下山は小太郎分岐から下り、
右俣コースを二股に向かい、大樺沢に沿って下る当初登りで考えていたコースを取る。
本来このコースは登りに使うルートだ。その理由の一つはこのコースの方が北岳の雪渓やバットレスが見れる
その景色を背に下山するよりも、その景色を目前に見ながら登った方が良い。
もう一つの理由はこのコースは広河原近くまで岩場の道が続くので、下りでは脚の負担が大きい。
そして、土曜日のこの日は登って来る人も多く、すれ違う道は上り優先で待つことになる。
そんなことで登って来る人を待っていたら、その中の若い男性がリュックの外に付けている私の水筒を見て
(恰好良い水筒をお持ちですね)の一言。
その時はその意味が解らず、帰宅してからカミさんにその話をしたらインターネットで調べて教えてくれた。
この水筒は30年位前に買ったフランス製の水筒で長い間愛用している。
今回インターネットで知ったのだがこの私が持っている形の(グランテトラ)は現在は生産中止になり、
ネット上で高く取引されているとのこと。
内面に匂いがつかないように特殊コーティングが施されているとのこと。
蓋をしめる針金の構造が独特だなぁとは思っていたがグランテトラが雷鳥の意味で、
水筒に描かれているのがそのマークだとは知らなかった。
ヤフーオークションで見たら中古品で11,000円の値がついていた。
いつもはリュックに入れ、飲むときに出して使っていたが、この日はペットボトル2本を飲みほし、
このグランテトラをリュックの外にぶら下げていた。これからはリュックにぶら下げて行くとするか。
因みにリュックは同じくフランス製のMILLETを30年前から使っている。
そして20代の頃は布製の横長のリュックを使っていた。
12時45分の広河原発のバスに乗ることを目標に下山したが10分遅れで間に合わず、
その30分後に9人乗りのマイクロバスの相乗りタクシーで奈良田に戻る。
いつもは下山した後にキャンプで一泊し帰るのだが、今回はそのまま帰路につく。
今回は天候に恵まれ最高の山行だった。