昨日は例年この時期に開催される(マネックス証券お客様感謝Day2019)と題したセミナーに出席してきた。
この数年水道橋の東京ドームシティホールで行われてきたが、今回はベルサール高田馬場で13:00〜16:30に開催され、
3部構成で第1部が「2019年 日本株相場展望」というマネックス証券のチーフ・ストラジテスト広木氏の講演、
第2部が参院議員藤巻氏の「2019年経済予想」、第3部がパネルディスカッションとなっていた。
マネックス証券は2017年11月にハウスビュー(会社見通し)として、2018年度中に日経平均3万円の予想を発表し市場での話題になったが、
流石にこの話題に触れる事はなかった。
このようにアナリストレポートで掲げられる株価予想も大きく外れる事があるし、TVや新聞でよく見る証券会社のアナリストは
大和証券/木野内氏、野村証券/若生氏、三菱UFJモルガンスタンレー/藤戸氏など広木氏も含め株価予想の強気派が多いが、
そんな中で2018年末日経平均19,500円を予想していたのが大川智宏氏で、日経プラス10などテレビ東京系の経済情報番組に出演している。
一方向の予想だけでなく、逆の予想分析も参考にしつつ、会社四季報などでの各種数値情報から判断するのが良いのだろう。
そんな事で第1部と第3部は参考的に聞かせてもらったが、恒例の年末までの日経平均株価27,000円〜28,000円の予想を聞いても、
現在の経済状況と企業業績からすると半信半疑だった。
第2部藤巻氏の「2019年経済予想」は副題が〜避難通貨はドルと仮想通貨〜で、この講演は参院議員としての立場ではなく、
JPモルガンでのトレーダー経験とフジマキジャパンの社長としての話だった。
黒田日銀の異次元金融緩和政策を批判して、日本の財政赤字1062兆円から円の信認が失われ、将来的にハイパーインフレになる可能性について言及し、
今のベネズエラの札束でパンを買うような状況を連想する様な話だった。
氏は膨大な国の借金から国債の下落、長期金利の上昇、日本経済破綻というシナリオの本を何年も前から出しており、
その経済理論が正しいかどうかは分からないが、今回のセミナーでは一番興味深い話しだった。
氏自身の資産運用は、低金利下で借金をしてワンルームマンションなどの不動産に投資し、ドル買いでヘッジしていると言い、
円下落時の避難通貨として仮想通貨を、というのは為替トレーダーとしての経験からなのだろが、韓国の2度にわたる通貨危機からすると、
あながち日本では起こり得ない話とも言えない。
今週のテレビ東京のモーニングサテライトに投資家ジム・ロジャースが出演して日本株の見通しを聞かれ、
巨額の財政赤字から日本株を昨年全株売却したと言っていたが、そのインタビュー記事が今日の日経新聞に載っている。
その読みが当たっているかどうかは分からないが、債務がGDP比236%で世界1位というのは有難くない首位だ。
いづれにしても60兆円台の税収に100兆円台の予算で、毎年30兆円台の財政赤字は正常ではない。
75歳からの年金受給にすると倍額になるとかの話が出るのは、この巨額の財政赤字からだろう。
藤巻氏の講演を聞き、帰宅して本棚を見たら、氏の同じ本が2冊あった。私が買った覚えはないので娘と息子の本だろう。
藤巻氏は息子の大学、学部で13年間講師として教鞭を取っていたので、その講義を受けていたのだろう。
そう言えば、昔息子に(株取引は経済の知識が無いと・・・)と言われた事があるが、マクロ経済の知識はともかく、
FPの資格も持っているので、株取引に必要な最低限の知識はあるつもりなのだが。
そんな興味深かった藤巻氏の講演は、内容的には仮想通貨以外はマネックス証券のセミナーに合わないものだったからか、
マネックスのCEO松本氏のパネルディスカッションにおける藤巻氏の話に否定的なニュアンスのコメントだった。
外資証券会社でのトレーダーというキャリアは一緒でも、日本経済と市場に対する見方は違うようだ。
先週で保有株式銘柄のQ3の決算が出揃ったが、増収増益となった会社、減収減益となった会社とまちまちだった。
その内容を決算説明資料などで細かく見てみると、その決算の中身もそれぞれで、来期業績予想の参考になる。
通期で10期連続増益の医療情報サービス会社、アメリカ子会社の268億円の減損処理で今期の純利益64%減予想の食品メーカー、
最高益予想が中国経済減速で一転減益予想となった半導体製造装置メーカー、経常利益がQ3で既に113%の進捗率に関わらず
通期予想据え置きとした電子部品メーカーと色々だった。
8日(金)引け後の決算発表だったこの電子部品メーカーは、決算短信がホームページ上にアップされたのが11日(月)の場が開く直前だった。
決算予定はスマホのカレンダーに記入してあり、通常は即ホームページ上にアップされその日に確認出来るのだが、
土・日を挟んだとはいえ3日後のアップは遅すぎる。
経常利益113%の進捗率での据え置き理由を聞く為に9:00に電話し、為替損益を想定しての据置との回答は予想通りであったが、
電話に出た方にIR資料が決算短信だけという事で、IRに対する意見を言わせて頂いた。
会社四季報をベースに銘柄選定しているが、小型株はホームページや経営者経歴なども参考にしているのでIRは株式投資に重要だ。
保有株式の最後の決算は13日(水)引け後発表のITサービス会社(じげん)で、Q3、通期予想ともに増収増益で自社株買いの発表もあり、
翌日は100円高(17%)のストップ高となったが、その後は利益確定売りに押され一進一退の推移だ。
この銘柄は昨年1月には20日で利益確定売りが出来たが今回は11月からの下げで、15%の利幅にはもう少し時間がかかりそうだ。
通期増収減益決算予想となった半導体装置メーカーは、受注生産型で台湾の半導体メーカーTSMCに600億円の受注残があるらしく、
日経ヴェリタスの(来期に市場が増益を見込む主な企業)の記事で、純利益54%増とあり、
これは現在の株価からするとPER(株価収益率)13.7倍になるので上昇余地が大きい。
いづれにしても今期業績予想は折り込み済みで、来期の業績予想が出る5月が一つの節目だろうから、
利益確定での(Sell in May)となってほしいものだ。