一期一会

日々是好日な身辺雑記

大原の里

2022年11月28日 | 旅行
京都旅行最終日となる昨日27日(日)は国際会館前からバスに乗り、大原の里へ行ってきた。大原の里はこれで3回目で、2010年1月には一人で冬の奈良京都を訪れ、大原まで足を伸ばした。さすがにこの時は観光客の姿もまばらで、底冷えのする中、静かな寺巡りが出来た。

そして昨日の大原は、国際会館前から臨時便が出るほどで、洛北の里とは言え、日曜日でもあり観光客で賑わっていた。三千院の庭は紅葉の赤と苔の緑のコントラストが素晴らしかったが、静かな寺巡りとはいかなかった。
三千院の次に廻った勝林院の塔頭、宝泉院の拝観料800円には抹茶と和菓子が付いていて、緋毛氈が敷かれた書院で、静かに庭を眺めながら抹茶を••ではなかった。
(三千院)











(宝泉院)

(抹茶と和菓子)

(樹齢約700年の五葉松)


宝泉院の後は歩いて30分くらいの寂光院に向かう。出発が遅かったので昼頃になり、途中の(カフェキリン)かサライの京都特集に載っていた(わっば堂)で昼食をと思っていたが、待ち行列と満席の看板表示となっていた。どちらも大原の野菜を中心としたメニューだったが残念。
途中他に店が無かったが、寂光院の近くまで来た所に蕎麦屋があり、3人とも梅ご飯ととろろ蕎麦のセットを取ったが、なかなか美味しかった。
(梅ご飯ととろろ蕎麦)

海外、国内を問わず旅行をする時はガイドブックだけでなく関連本を読んで行く。少しでも知識が多いと史跡を見て廻る楽しみが増す。 
寂光院は2000年に放火による火災で本堂が消失し、再建されたものということもあり、今まで拝観することはなく、周りの景観を見るだけだった。
今回は小説「建礼門院徳子」/鳥越碧を読んだが、平家滅亡後に大原に出家•隠棲した建礼門院を、
後白河法皇が秘かに訪問したとされる大原御幸の故事を、歴史ロマンスという視点で描かれておりピンとこなかった。
今年のNHK大河ドラマ(鎌倉殿の13人)で後白河法皇を西田敏行が演じていたので、そのイメージが強く、のめり込めなかった。

小説はともかく、NHK BSで放送されていたイギリス人ペニシア•スタンリーさんの大原の古民家で暮らすライフスタイル番組とも言うべき(猫のしっぽ カエルの手)はよく見ていた。
大原の山里の美しい四季折々の手作りの暮らしを描いた良質な番組だった。11/30(水)16:05〜NHK総合、12/3(土)8:00〜NHK BSプレミアムで再放送される。大原の自然と、手づくりの暮らしが見れる。
そのペニシアさんも現在は目の病気で介護施設暮らしとかお気の毒だ。
(寂光院)






帰りの新幹線が我々は17:30、娘が18;30
と時間があったので、時間調整で京都府立植物園に寄り、紅葉見物とお茶をした。
(京都府立植物園)

(サザンカ)


ホテルに預けた荷物を取り、京都駅に向かったが凄い混雑だった。駅構内の伊勢丹で娘が車中夕食用にと、鯖寿司を買ってくれたが6切れで3000円だった。

新幹線口近辺は、切符売り場や改札口も長蛇の列で、梨泰院の群衆事故を想い出させた。改札口から入ると弁当売り場も長蛇の列で、(最後尾)の看板を持った店の人が案内していた。

規制緩和下の紅葉の京都は、人出は凄かったが見頃の紅葉は期待通りだった。
(上海に行くの)と言ってた孫はどのくらい理解しているか分からないが、今日の北京や上海のデモのニュースを見ると心配になる。



大阪梅田へ

2022年11月27日 | 旅行

京都旅行も4日目となる今日26日(土)は、今回の紅葉見物以外のもう一つの目的である西宮に住む息子の嫁さんと孫に会う為に梅田に行ってきた。
昨年8月に息子が上海に単身赴任してから、
嫁さんの実家に住んでいた。この間中国のゼロコロナ政策による入国時の2週間のホテルの部屋での隔離や、上海の2ヶ月間のロックダウンなどでなかなか合流出来なかった。習近平の3期目確定からか2週間の隔離が規制緩和で1週間になり、最近それが5日になった。

そして息子が12月下旬に赴任以来初めて帰国し、正月明けの4日に2人を連れて戻ることになった。規制緩和されたといえ、どうもゼロコロナ政策は継続され、上海の往来は難しそうなので、2人へのお別れに来阪した。週に3、4回の割合で写真•動画共有アプリにアップしてくれるので、その成長を楽しみに見ている。10時にJR大阪駅で待合せた2人とは1年3か月ぶりの再会で、孫も緊張気味で固まった表情だったが、次第に馴れてきて2歳半の元気な男の子になった。
コロナ禍の2020年5月に生まれ、嫁さんのよく考えられた食事や一生懸命な育児ぶりに、いつも3人で関心していたが、改めてそのおかげで健やかに育っていると思った。
プラレールやトミーカーなど乗り物の玩具が好きなので、ボーネルンドマグ•ファーマーという組立玩具を買ってあげたら、喜んでその袋を最後まで離さなかった。

そんな時間を過ごした後に、嫁さんが予約しておいた阪神百貨店の(美々卯)に移動。
ここからお母さんが合流しランチ会食。
3年前まで小学校の教師をしていたお母さんから、普段の孫の生活の様子を聞きながらの会食だった。出産の手伝いに上京し、そして昨年8月からの同居だったので、正月明けの別れに(寂しくて病気になりそう)と言っていた。中国のゼロコロナ政策がなければ、上海はそんなに遠い所でもないし、行けない所でもないのだが。

いつも昼食の後は1時間半くらい昼寝をすると言うので、店を変えてのデザートのアイスクリームを食べてから別れた。
帰りの車中では(楽しかった、可愛いかった)と2人は孫の話でもちきりだった。
(阪急梅田駅構内)







娘が予約した夕食は20:30からだったので、その前に知恩院に行ってきたが、青色のライトアップや大鐘楼への三つ葉葵の紋が青色で投影されていたり趣きのないものだった。臨済宗や曹洞宗などの禅宗との違いか。





 
夕食は娘が予約してくれた五条の(割烹 むろまち加地)は人気店らしく、20:30という遅い時間しか予約出来なかったらしい。
10席くらいのカウンター席で、その前が一段低くい調理場になっているという、寿司屋のような造りになっていた。

刺身盛合わせや単品を注文するのだが、娘が奢ると言い、(他に何か食べないか、飲まないか)と何度か声がかかるが、そんなに食べられないし、飲めない。それでも勧められるままに、白ワイングラス、鳳凰美田柚子酒、日本酒の田酒といつもより多く飲んでしまった。酒の肴に蟹味噌を頼んだがこれは美味しかった。閉めに穴子土鍋ご飯を注文したが、2合炊きなので食べきれずオニギリにしてもらい持ち帰った。

娘は年金生活を気遣ってか、ふるさと納税返礼品をよく送ってくれ、先月はウニ詰め合わせ、今月は鰻を送ってくれる気前の良さなので、奢ってもらうのはと思ったが、ご馳走になった。
(割烹 むろまち加地)
















清水寺から銀閣寺

2022年11月26日 | 旅行

京都旅行3日目の今日25日(金)は娘が合流した。当初金曜日しか休みが取れないとの事だったが、木曜日も取れたようで、三重県に住む留学時代の女性友達と会い、嵐山観光をしたと言う。

混み合わない内にと、清水寺で9時に待ち合せたが、既に修学旅行の中高生で混雑していた。清水寺、金閣寺、銀閣寺、嵐山は修学旅行の定番コースなのだろう。
2年前の12月初旬の京都の紅葉は色あせ始めだったことから、今回は10日早めたので清水寺境内は紅葉は見事なものだった。
清水寺の後は3年坂、2年坂を通って娘は初めてだと言う北の政所(寧々)の寺高台寺へ。
前回来た時は混んでなかったこともあり、寧々が埋葬されている霊屋(おたまや)で、寺の女性から懇切丁寧な説明を受けた。
高台寺の後はカミさんは昨日売り切れで買えなかったお土産を買いに四条河原町の高島屋に行くと言うので、昼に待合せする事にして2人とは別れ圓徳院へ。

初めて訪れる圓徳院は人も少なく、ゆつくりと庭や紅葉を眺められた。やはりお寺巡りは1人が良い。
ランチの待ち合せが花見小路の入り口だったので、京都最古の禅寺建仁寺に寄りながら向かう。禅師栄西が開創した臨済宗建仁寺派の本山である建仁寺は定年まで勤めた会社と縁があったので、京都を訪れる度に参拝しているが、今回は時間が無かったので境内散策だけだった。




(高台寺 湖月庵)

(茶室 時雨亭)


(圓徳院)





(建仁寺 栄西の開山堂)

(建仁寺 法堂)
12:00に待合せたカミさんは高島屋の紙袋を2つ持っていた。同じ大きさの小袋が6つくらいと、もう少し大きな袋が入っていた。お土産らしいが、歳をとって大事なのは健康だが、人付き合いと好奇心も同じく重要だ。
娘が予約していたのが祇園の割烹(味のふくしま)の七品のコース料理で、(薄味の上品な料理ね)とかの2人の食レポを聞きながらの食事だった。ミシュラン一つ星の店らしいが、正直良く分からなかった。
(祇園 割烹味のふくしま)


(花見小路)


食事の後はカミさんは読書サークルで課題図書となっていた梶井基次郎(檸檬)で描かれている寺町通りと丸善に行きたいと言うので2人と別れ、また寺巡りを再開し、銀閣寺、哲学道を歩き法然院と廻った。
銀閣寺は修学旅行の定番コースなので、多くの中学生で賑わっていた。
そしてこの日は17:00からスポーツジムの翌月分のヨガのネット予約が開始されるので、その前にホテルに戻った。
週4日のコマを8つまでの予約なので、人気のインストラクターは30人の枠も直ぐ埋まってしまうのだ。









夕食はカミさんが予約した韓国料理の(ハハハ)で、ここは雑誌(サライ)の京都特集号に載っていた店だ。マッコリを飲みながらの韓国料理はソウルや新大久保での味とも違うなと思ったら済州島の料理だった。
食堂風の店構えだが、若い女性客で満席だった。サライの威力か。





美山かやぶきの里

2022年11月25日 | 旅行
京都旅行2日目の今日24日(木)は今回の旅行の1番の見所と考えていた美山のかやぶきの里に行ってきた。美山はJR福知山線で京都駅発8:04の電車に乗り、園部乗り換え日吉着9:01でそこからバスで1時間の位置にあり、地図から言うと福井県に近く、日本海に面した天の橋立のある丹後半島に向かい北上する感じである。日吉駅に降り立ったのは我々を含めて3人で、始発の美山行きのバスには我々2人だけで、途中から乗車する人もいなかった。バスは片道600円で往復切符を買うところが、秘境に行くような感じで、このバス以外に交通手段がないのである。



美山に関心をもったのはNHK BSで1903年創業の老舗料理旅館(沈川楼)の四季折々の様子を描いたドキュメンタリーを見たのがきっかけだった。現在3代目の当主と女将が営む老舗旅館と山里の風景に強い興味を持ち行ってみたいと思った。

茅葺き屋根の集落は、岐阜県の白川郷、富山県の五箇山、福島県の大内宿と訪れてきたが、そこと比べてもかやぶきの里は観光地化されていない普通の人々が日常生活をしているという感じの山里の集落だった。
山あいを走るバスから見える景色も、日本の原風景のようなもので、スーパーなども見当たらなかった。
民俗資料館の見学などしながら1時間半位散策したが、紅葉の山を背負ったその風景と山里ののどかさに、カミさんは(素晴らしい所ね)の連発でいたく感激の様子だった。
京都から2時間という距離と限られた交通手段からか、観光客も少なくのんびりと集落を廻れた。
(きたむら)と言う食事処でランチに食べた新そばとミニ玉子丼にも満足のカミさんだった。4時間かけた甲斐のある山里観光だった。








12:00発のバスに乗り京都に14:00に戻ってからはカミさんのプランにお付き合い。
先ずは2度目となる四条の六角堂近くの甘味処(大極殿)へ。カミさんは琥珀流しという寒天と柿を合わせた物とぜんざいのセット、私は3種餅入りぜんざいを。
個人的な好みからするとあっさりした甘さと汁気のあるぜんざいより、汁気の少ない濃い甘さのお汁粉が好きだが、感激の様子のカミさんを前にそんな事は言わない。
カミさんはお寺の侘び寂びよりこちらの方がお好みのようだ。

甘味の後は錦小路の見て歩き。海鮮品から揚げ物、漬け物まで酒の肴になる美味しそうな物がずらり。これと日本酒を買いホテルの部屋飲みも良いなと思った。
今回錦小路の見て歩きで感じたのは、店先の奥で飲み食いが出来る店が増えたことだ。京都市民の台所から観光客向けと少し変わったのか。

錦小路の後は高島屋へ。既に情報を入手済みのようで、B1にお目当ての土産品を買いに行くと言う。月2回のサークルを4カ所、習い事1カ所、それに加えて週2日の勤務と人付き合いの範囲が広いのだ。
帰ってから火曜日には昔からのママ友3人との食事会があると言う。
周りを見回してもシニアは男性より女性の方が社交的で元気なようだ。
我が家は昔から私が単独行動(も)好きな方なので丁度良い。




 
夕食はホテルフロントから頂いたおススメ飲食店マップから(中国ハルピン出身のお母さんが作る本格水餃子がおすすめ)とあった(楽仙楼)で。
休肝日なので小瓶のノンアルコールビールと水餃子と坦々麺、カミさんは鶏肉麺を。因みに2013年の手術以来週6日は休肝日なのだが、旅行中は1日おきになる。明日は韓国料理の店を予約しているのでマッコリを飲む予定だ。
そしておススメ飲食店マップを見たら昨日行った(綴)は(スタッフおすすめNO1、おばんざい店)とあった。






紅葉の京都へ

2022年11月24日 | 旅行
昨日23日(水)からカミさんと紅葉の京都へ来ている。前回京都へはコロナ禍真っ只中の2020年12/3から3泊4日で来ていたが、紅葉には少し遅かった感じだったので、今回は23日からの4泊5日にした。
そして規制緩和で2年前より観光客が多いだろうと、9月下旬には新幹線とホテルのパックを予約した。そんな早めの予約だったが新幹線が取れたのが東京発6:42ののぞみだった。家を早朝5時前に出て、8:51に着いた京都は小雨模様の天気だった。

ホテルは2019年6月に1人で来た時に利用した京王プレリアホテルで、先ずは荷物を預け、上賀茂神社に向かう。
当初の予定がカミさんの貴船神社へ、というリクエストから鞍馬寺→貴船神社→上賀茂神社だったが、鞍馬山の1時間くらいの歩きがあるので、小雨模様の天気に予定を変更した。若い時から京都へ来ているが、神社にはさほど興味がなく、前回外人観光客に人気だという伏見稲荷へ、という声もあったが行かなかった。そして京都最古のお社で世界遺産の上賀茂神社だが、正直なところあまりピンとこなかった。侘び寂びとは違う朱色の鳥居のせいか。
ただ上賀茂神社の門前に広がる社家町は、川に沿って神官の土塀の屋敷が建ち並ぶ風情のある町並みだった。
(上賀茂神社)

(上賀茂神社細殿)

(上賀茂の社家町):

予定を変更した上賀茂神社の後は、穴場寺院としてリストアップしていた東福寺、泉涌寺の塔頭(たっちゅう)の光明院、雲龍院に向かう。塔頭とは禅宗の高僧の塔がある所で、本寺の境内内にある小寺だが光明院は東福寺から歩いて5分の所にある。

東福寺は京都一の紅葉の寺院として人気で、2012年、2020年の紅葉の時期に訪れている。上賀茂神社からバスで1時間で京都駅へ、そこからJR奈良線で一つ目が東福寺駅となる。この時期の京都はオーバーツーリズムとして、観光客の混雑で京都市民の日常生活の足であるバスを利用出来ない問題が言われている。時間的にも電車や地下鉄を併用した方が効率的だ。

東福寺駅に着いたところで、ランチのうどんを食べ、トップ写真の東福寺の紅葉を眺め、多くの人出で混雑が予想される通天橋からの紅葉見物は止め、光明院に向かう。
光明院→泉涌寺→雲龍院と廻ったが、穴場寺院と言われるだけあって、混んでなく静かな寺巡りが出来た。紅葉を背後に配し、白砂と苔の間に点々と石を並べた枯山水の庭は、人の少なさもありゆっくり眺められた。雪見障子の窓から見える風景も良かった。
(東福寺)

(光明院)

(波心庭)



(泉涌寺仏殿)

(雲龍院中庭)

(最後の将軍徳川慶喜が寄進した灯籠)

(雲龍院蓮華の間)




寺巡りの後は15:30にホテルにチェックインし、早速混み合わない内にと大浴場へ。夕食は19:30にカミさんが予約していたおばんざいの店(綴)へ。旅行の日程が決まった9月下旬に予約の電話を幾つかの店に入れたが、紅葉の時期の祝日ということもあってか既に予約で満席の所が多かったと言う。烏丸通りから一本中に入った静かな一角にある隠れ家的なこの店は、味もサービスも良く満足の京都旅行初日の夕食だった。