土曜日は午前中に衆議院選挙の期日前投票を済ませ、多摩湖畔にある中国割烹旅館「掬水亭」で
昼の会食があり、そちらに向かう。この会食は囲碁仲間の人が先月の秋の叙勲で
(瑞宝単光章)を叙勲されたので、そのお祝いの席を囲碁仲間8人で催したのだ。
男性5人、女性2人のメンバーは皆さん私より年長者で人生の先輩達である。
囲碁仲間と言うのは憚れるがそれ以外の呼び方が思い浮かばない。
(瑞宝単光章)は公共的な業務に長年従事し、功績があった方が対象となるものらしい。
この叙勲された方もインフラ系の会社で長年責任ある立場で活躍されたらしい。
勿論囲碁をしている時は、冗談話が主で(昔の仕事はこうだった)という話はしない。
現役を退き、趣味で繋がるサークルのコミュニケーションのマナーである。
一つの会社で勤め上げ、その仕事の功績で叙勲するというのは、正に「功なり名遂げる」で、
幸せな職業人生だったのだろう。
12時からの中華料理のコースは、和室の個室に年配者への心配りでテーブルと椅子がセットされ、
13時半まで行われた。皆さん車で来ているのでノンアルコールビールと烏龍茶での会食だ。
部屋からは多摩湖が一望出来、なかなかの眺めである。
会食の後は、4つの碁盤での対局を17時までした。
このサークルは全メンバー20人位で、この日は段位以外の土曜日にリーグ戦で対局している
メンバーの集まりだった。
この3ヶ月間のリーグ戦以外にも、年3回の一泊での囲碁三昧旅行、日本棋院のプロ棋士を招いての
勉強会と、活発に活動している。
そして、日曜日20時から衆院選挙の開票が始まり、事前予想の通り自民党の圧勝だった。
新聞報道では態度未定の有権者が40%位いるということから、自民党圧勝の事前予想を見て、
有権者のバランス感覚が働いて民主党へのある程度の振り戻しがあるかと思ったが、惨敗だった。
この振れの大きさが小選挙区制の特徴なのだろう。この制度の弊害も言われてきており、
元の中選挙区へ戻すべきとの声もあるようだが、政権交代可能な制度という事は確かだろう。
それが小選挙区制で12の党が乱立するという、相矛盾することが起きたことも、
自民党圧勝の要因なのだろう。
それにしても即席の合従連衡、呆れるばかりである。一週間の間に3回党名が変わり、
最初の党名が思い出せない亀井静香と山田前農林大臣の党や、その合流先の卒原発だけで
他にみるべき政策のない日本未来の党、政策に隔たりのある太陽の党と組み、
鮮度の落ちた日本維新の会、その他有象無象の小政党、これでは有権者も消去法で
自民党に入れるしかない、というのが今回の選挙の結果なのだろう。
今は小選挙区制、2大政党制が根付くまでの過渡的な時期なのだろうか?
信託する側(有権者)と信託される側(政治家)もこの選挙結果を受けて学習し、
それが来年の参院選挙に反映するのだろうか?
それにしても今回は自民党の勝ち過ぎと戦後最低の59%の低投票率が気になる。
私は今の財政赤字や色々な日本が直面する課題は長年の自民党政権からのツケでも
あると思うので、民主党の稚拙な政権運営や組織の体をなしていない内部分裂劇にも
呆れていたが、だから自民党へという風にもならず、自民党に一票は投じていない。
自民党が選挙で掲げていた金融緩和による景気浮揚も、本当に現在の企業や個人の
状況で資金需要があるのだろうか?国土強靭化計画で10年間で200兆円の公共投資?
老朽化したインフラの補修にそれだけ必要なのか?人口減少下の日本でまだ新幹線網
や高速道路が必要なのか?建設国債発行で若い世代にツケを廻すことにならないか?
また昔の自民党になるのでは?と懐疑的になってしまう。
唯、小泉政権時代に有効に機能した経済財政諮問会議も復活するらしいので、
知恵を出して諸問題を解決してほしいものである。
規制緩和を推進し、TPP交渉にも参加してほしいものだ。
農業も含め守りだけではグローバル化の中で日本だけ衰退していく。
どちらにしても民主党と合意した定数削減は必ず実施してほしいものである。
特に比例代表の定数削減は大胆にやってほしい。と言うより単純小選挙区制にしてほしい。
そうすればイデオロギーの問題がある共産党が残っても3~4党収斂され、小選挙区制度の目標だった
政権交代可能な2大政党制になるのでは?アメリカやイギリスのような。
今回の比例代表当選者の経歴を見てみると首をひねりたくなるような人物もいる。
本人の能力評価ではなく党首の人気で集めた票の恩恵をうけるような{選良}はいらない。
参議院選挙も比例制で得票数を上げる為に知名度のある芸能人やスポーツ選手の擁立になる。
まぁ~、どんな選挙制度も完全ということはなく、それを生かすも殺すも一票を投じる
有権者次第ということなのだろう。