今週の月曜日(19日)から木曜日(22日)までは殆んど本を読んで過ごした。
知人から12月中旬にジェフリー・ディヴァーの(ゴースト・スナイパー)と一緒に借りたこの本(ピルグリム)は文庫本で3巻だった。
月曜日の段階で1巻の半分位だったが、この本が面白いのと水・木が雨予報だったので走れないし、テニスも中止だろうから、
金曜日には読み終えられるだろうと思い、知人に(金曜日に返すので一杯どう?)のメールを月曜日に出す。
返すのを急いでいたわけではないが、金曜日はカミさんが食事会で遅いのと、来週は別の飲み会があるので、
というこちらの都合でのメールだったが、 知人からはOKの返事があった。
そんな事で返却日が決まったので、それからは図書館やスターバックスで集中して読む。
(ピルグリム)はニューヨークのホテルで起きた若い女性の殺人事件から始まる。
その現場にはニューヨーク市警の警部補ベン・ブラッドリーと、的確に事件を推理するもう一人の男がいた。
この警部補ベン・ブラッドリーがワールドトレードセンターへのテロ9.11で身体と心に大きな傷を負い、
もう一人の男が同時多発テロ事件を防げなかった事の無力感で、若くして引退した諜報員、暗号名(ピルグリム)というのが分かる。
この二人がどういうことで繋がり、復帰するのかということから話が展開する。
その展開にスピード感があるのと、人物描写が深い。
この後にサウジアラビア生まれのテロリスト(サラセン)が出てくる。
14歳の時に父親が王室批判とその廃止を唱えた罪で、公開斬首の刑にされるという
我々には信じられないイスラム世界が描かれている。
この(サラセン)の天然痘ウィルスによるテロ計画を、(ピルグリム)が阻止出来るのか、という話が
ニューヨーク、パリ、サウジアラビア、トルコと壮大なスケールで展開されるサスペンス巨編である。
2013年にオーストラリアとイギリスで出版され、昨年にはアメリカでも出版され ベストセラー入りし、
MGMが映画化権を獲得した本で、20ヶ国で翻訳出版される予定らしい。
ここ数年で読んだサスペンス本では「ミレニアム」が一番だと思っているのだが、
この本を先に読んだカミさんが(ミレニアムより面白いかも)と言ってたが、
確かに深みはともかく、面白さという点では遜色がなかった。
ニューヨーク・ポストの書評が(ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女の次はこれだ)というものらしい。
他の書評には( 2014年で最高の一冊)や(ジャッカルの日以来の最高のデビュー作)というのが
あったらしいが、確かにスリリングな息をつかせぬ展開ということでは(ジャッカルの日)
と同じ。衛星での通話 傍受やイスラム世界の戒律やテロリストの話など今まさに起きている話だ。
金曜日の午前中に読み終え、あとがきを読んでいたら作者テリー・ヘイズが
映画( マッド マックス2 )の脚本家であり、初の長編小説とあった。
なるほどなぁ~と納得、話の展開にスピード感があるのは脚本家のものだ。
(ピルグリム)、 (サラセン)、ベン・ブラッドリー以外の登場人物、
ベンの妻マーシー、アメリカ国家情報長官、トルコの女性捜査官レイラ・ジョマリー等の個性豊かで人間味のある人物像は映画的だ、
ニューヨーク市警の警部補ベン・ブラッドリーは黒人なのだが、映画化した場合のキャストはデンゼル・ワシントンが適役か、
とか金曜日に会った知人とはワインを飲みながらそんな話をした。
年末から「ゴースト・スナイパー」「北京から来た男」「ピルグリム」と読んできて、待機本は無くなった。
丸善オアゾやリブロ池袋で面白いと思われる本を探しリストにしてあるが、
これから5月まではスペイン関係の本を読もうと思い、インターネットで探してみる。
スペインの歴史を知るには中公新書の「海洋帝国の黄金時代」「カタルーニャの歴史」
「バルセロナ 地中海都市の歴史と文化」「スペインの歴史 人物編」の4冊がある。
エッセイでは中丸明の「スペインうたたね旅行」など3冊、
そして同じ中丸明の「ロルカ スペインの魂」「絵画で読むグレコのスペイン」「プラド美術館」などがある。
いづれも図書館にあったので、手始めに軽めのものをと思いエッセイ「スペインうたたね旅行」を借りこの週末に読んだが、
その語り口が合わないので残り2冊のエッセイは読まない。
他には逢坂剛「カディスの赤い星」、ジョージ・オーウェルの「カタロニア賛歌」の9冊だ。
5月12日の出発までには全部読めるだろう。
そして今日イスラム国に拘束されていた湯川氏が殺害されたとのニュースが流れた。
後藤氏は同じく拘束されているヨルダンのパイロットと一緒に、人質交換で解放される可能性も感じられるがどうなるのだろう。
明朝にはギリシャ選挙の結果も判明する。急進左派が過半数を獲得するか、その結果によって市場がどう動くか。
緊縮財政反対の急進左派の優位は前から報じられていたが、混乱は避けられないだろう。
今後ギリシャのEU離脱というところまで進むのか。
テロの拡散と世界には絶えることなく様々なリスクが存在する。