日本の言語文化に関する外国人の疑問
こんなホームページを見つけました。
とっても興味深かったので自分なりに解釈のできる「なぜ」について書いたみたい。
*日本人はなぜ、長い歴史の中で、天皇家を特別の存在と考えるのか。西洋史で
は、"emperor" はしばしば征服の対象となって来たが。
・このなぜに答えるのに良い手本があると思います。
高橋克彦著 「時宗 連星」の中の一説に
『お帝のお血筋は、それこそ気の遠くなるほどの昔からこの国を纏めておられる。いかにも今の我らの力を用いれば内裏を滅ぼす事が出来るやも知れぬ。だがそのあとはどうなる?力で奪ったものは力で奪われる。~~略 いずれにしろその奪い合いが果てしなく続くのだ。すべての元凶はお帝がおられなくなることにある。~~略 お帝はこの国の軸。軸を失えば崩れよう。何百年と続いた軸を壊すほど北条は偉くない。たまたま舵取りを任せられている者と思え。~~略 この世に戦ほど愚かなものはない。』
これは北条時宗の父時頼が、時宗に言い聞かせている言葉です。
・ここに平氏以来江戸時代まで武士階級が天下を取ったにもかかわらず、天皇制が連綿と続いてきた原点を見ることが出来るのではないでしょうか。
すなわちヨーロッパの"emperor"は、それ以前のemperorの地位を力で奪ったから次のemperorに力でその地位を奪われる繰り返しだったのです。
日本では確かに平氏を源氏が、北条を足利が、豊臣を徳川が力づくで天下を力で奪ったのですが、天皇が日本国の精神的な軸になっていたから日本人としての纏まりが続いてきたのではないでしょうか。
・要するに日本の天皇制はヨーロッパのemperorのように征服して打ち倒す対象ではなく、時の権力者があがめ,敬う事により他の権力者や民衆を支配する道具に過ぎなかったのでしょう。そうする事によって時の権力者が権力者たる事が出来たのです。ここがemperorとの大きな違いでしょう。
その精神的な軸としての存在が現在まで続いているから日本人は良くも悪しくも纏まっているのだと思います。
・もしも、敗戦直後にマッカーサーが天皇制を否定していたら、今の様にのんきにアメリカの言いなりになっている日本人でなく、「征服者であるアメリカ」に対して日本人民はパルチザンのように地下抵抗組織を作ってアメリカと戦っていたかも
しれませんね。