うろキョロ散歩

楽しくお散歩をするのが唯一の趣味。
お散歩の徒然に観たこと感じたことなどなどを書き込んでいこうかな、

事後より事前が大事なのは分かるけど

2007年03月01日 | ボランティア 
“平成19年防火のつどい「防火防災講演会」”に行ってきました。
東京大学の目黒公朗(めぐろきみろう)教授の講演でした。
私が現役だった数十年前の大学教授の授業とはまったく違い、素直にうなずける講演内容でした。すなわち、とっても分かりやすかった、ということです。

「関東・東海・南海地方が連動した大地震が発生する確率は20年以内に70%である。この地震の連鎖が起きた時は日本の経済環境や人口に多大の損害を与えることは目に見えている。この被害を多少でも軽減する為には今、日本のすべての行政機関は何をするべきか」。が目黒教授の講演の中心課題でした。

私は大災害が起きた後の避難所運営訓練に携わっていますが、目黒教授の講演を聞いてからは事後(大地震が発生した後)よりも大地震が起きる前に、耐震家屋にする事が大災害を乗り切るためには大事なのだ、ということを考えさせられました。
なぜならば、神戸地震の際の死者の状況を見てみると、窒息死や圧死、火災など建築被害による犠牲者は全体の死亡原因のうちの83.3%に及んでいる、という調査結果がでていました。

建物を耐震家屋にして家具を固定しておけばこの人たちは死なずにすんだのです。
この死者のうち92%の人は災害発生から15分以内に亡くなっています。神戸地震の死者のうち92%は地震発生から15分以内に亡くなっているのです。
これって物凄くショッキングな数字じゃあないですか
裏返せば、大地震が発生した直後の15分間を無事に乗り切れば生存する確率は92%以上ある、ということです。
さらに、災害直後から一貫して食料や飲料水の不足で死んだ人は一人もいなかったのです
建物を耐震家屋にして家具を固定しておけば圧死や火災による窒息死から免れる事ができる、ということなのです。
ということは建物を耐震家屋にして家具を固定しておけば避難所に駆け込んでくる人も少なくなるということで、私達が取り組んでいる避難所運営訓練などは必要がなくなる、ということなのです。

だが現実は建物を耐震家屋にして家具を固定している人は全国民からしたらほんの少数派でしょう。
大地震が発生した時には避難所に駆け込んでくる人は大勢いるはずです
ヤッパリ現段階において避難所運営訓練は実施することが必要なのです