NODA・MAP第24回公演「フェイクスピア」 東京芸術劇場プレイハウス 2021.07.09 19:00~
NODA・MAPで高橋一生さんですか。。。村岡希美さんも出るし、楽しみだ~
で、フェイクスピアって、フェイクとシェイクスピアをかけてる?
なんて、先入観もなしに見に行きましたが、。。。。
とにかく、見終わったあとに、すごく疲れちゃいました。最後・・・苦しくて苦しくて
胸が痛いし、うまく表現できないけど、どーっと疲れがでました。
私は、あの事故をリアルタイムで知ってる人間だし、余計ね。。。うん。
物語は恐山(だと思ったけど、後から考えると群馬の山だよね)から。
白石佳代子さんが本人役で登場。昔、恐山でイタコの修行をしていたけど、万年見習いだったという。そのころはアタイと言っていた。
(まあ、この話はフェイクでしょうが、白石さんがイタコの修行をしていたとしても。。。ありうると思っちゃう)
そこに来たのが青年monoと、老人の楽(たの)。ダブルブッキングのようだ。イタコはまず、楽の希望をかなえようとするが、どうもあいまい。少しボケてる?そこで答えるのが居合わせたmono。
monoは自分がここに来た理由がわからないが、小さな鉄の箱を大事に持っている。その中には「言の葉」が入っているらしいが、monoはよくわかっていないようだ。でも、その箱を神様が取り返したいらしく、三日坊主やアブラハムが狙っている。箱からは「頭をあげろ」とかいう声が聞こえてくる。そしてどうやら36年という月日が関係するらしい。
monoは帰れなくなり、恐山で止まることに。すると、星の王子様やシェイクスピアも現れるが、彼らはフェイクらしい(ここらあたり、よくわからなかった)
楽とアタイは幼馴染だったことがわかり、楽は自分の辛く鬱な気持ち、自殺しようとしていた気持ちを話すようになる。自分の父親に会いたかったのだ。すると父親の霊がmonoに乗り移って降りてくる。もともとmonoは父親の霊だったのだ。monoは飛行機のパイロットの制服をきており、キャスト全員がこの場で客やCAなどを演じている。そして、あの日航機のボイスレコーダーに残された言葉を全員が叫びながら、あの事故の場面を再現する。
monoが大事に抱えていたのは、ボイスレコーダーの入ったブラックボックスだった。
そしてmono(機長)の「頭をあげろ」の叫びを最後に、みんな飛び散ってしまう。
monoは山に向かって後ずさりし、去っていく。あの非常時に父は最後まで、あきらめず操縦かんを握っていた。楽はもう死を考えず、頑張って生きようと思う。アタイもそれで満足する。。。
そんな感じの、ハッピーエンド(といえると思う)な芝居だった。
、
とにかく、ラストの日航機のボイスレコーダーのリアルなやりとりが(椅子と人とで機体を表したものも含めて)、もう圧倒されちゃって。時間にして10分くらいだったかな~息もできない感じになって、、、見ている客席も引き込まれるというより、その飛行機に乗っている感じになって、、、なんと表現してよいかわからない状況になってた。泣きそうでした。
実際、この事故は覚えているし、ニュースやワイドショーなどで流れていた映像を思い出したり、、、坂本九さんもなくなったんですよね。
そんないろんなことを思い出してしまった。
すごい芝居を観たな~と、つくづく思ったのでした。
キャストの感想
monoの高橋一生さん
もう素晴らしい以外の言葉はないです。特にパイロット役のときに鬼気迫るセリフ、表情。
そして、繊細なんだけど、たくましい姿。
たぶん、舞台で見るのは初めてだったと思うんですが、こんなすごい役者さんだったんだと、改めて思いました。
あの飛行機の迫真の演技には脱帽でした。
アタイの白石加代子さん
最初に自分役で出るのは、なかなか緊張するんだろうな~でも白石さんレベルだと大丈夫かな?
すごい可愛かったです。そっか。試験に落ち続けてしまっているイタコって…(笑い)
最初に、以前イタコの見習いだったって言ってて、そうなんだ~って一瞬思ったけど、それもフェイクってことですよね。
この芝居は、白石加代子さんなしにはできなかったんだろうな~って思いました。
楽の橋爪功さん
何もいうことないです。NODAさんの舞台常連さんだけあって、野田さんのセリフも普通にこなしちゃうし。
そしてその場にいるだけで、存在感抜群。
星の王子様の前田敦子さん
NODAMAP初。周りがあまりにも上手いから、ちょっと一本調子にも思えたけど、
溌溂としててよかったです。何役も演じて、がんばってました。
三日坊主の伊原剛志さんとアブラハムの川平慈英さん
もともとは大倉孝二さんが演じる予定でしたが、体調を崩されて変更。
大倉孝二さんだと、めちゃめちゃとぼけた感じになるんだけど、伊原さんだと
ちょっと真面目が入った感じ?
二人のコンビはなかなか良かったです。
慈英さんは、相変わらず、滑舌と声が最高によく、どこにいてもわかるという感じでした。
先輩イタコの村岡希美さん
もうすこしたくさん出てほしかったような。。。
先輩イタコよりも、終盤の飛行機のシーンのCAさん役の方が
印象的だった。
そしてシェイクスピアとフェイクスピアの野田秀樹さん
野田さんはいつも出てくると、その場を締めるし、いろいろな伏線を持つ役を演じている。
今回も、物語を引っ掻き回してはいたけど。
シェイクスピアの子供のフェイクスピア。。。フェイク・・・偽物。確かにシェイクスピア本人ではないけど。
シェイクスピアの言葉は真実で、でもフェイクスピアの言葉は偽物?違う人が言っても言葉の持つ価値は変わらないのでは?
そういう意味で、あのボイスレコーダーの中の言葉は真実で、時間がたっても、誰が言ってもその価値は変わらない。
そういうことを二役演じることで言いたかったのかな?なんて、私は思いました。。。
もう1回、内容が分かったうえで、しっかり見たかったな~
でも、1日しかチケット取れなかったし。。。仕方ないか。
WOWOWで放送してくれるそうなので、もう一度確認しながら見たいと思ってます。
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