人生で初めてロックに触れたのは小学校3年生の夏だった。
当時腎炎で入院していた。病室は同じ病気を持つ小学生4人の相部屋。長細い部屋にベッドが4つ横に並んでいて、私は一番奥だった。入口に一番近い所には、オクダ君という当時6年生のお兄ちゃんが居た。彼は毎週ラジオで歌謡ベスト10みたいな番組を聴いていて、それが私の所にも聞こえてきた。その番組では、歌謡曲や演歌に混じって、一曲だけ不思議な曲が数週間ランクインしていた。エキゾチックなギターリフ。
出会ってひと月め。「どれほど思ってる?」って聞くと、
君は「4週間分よ」ってそっけなく…
という洒落た歌い出し。明らかに他とは一線を画す曲調だった。それが『テレフォン・ノイローゼ』だった。
時が過ぎ小学校6年生。TBSの人気番組「ザ・ベストテン」で、甲斐バンドの『HERO』がチャートインした。彼らは「テレビで一曲歌うだけじゃ自分たちの歌を理解してもらえない」という理由で出演を拒否した。ラジオで流れる『HERO』や、それに続くヒット曲『安奈』。甲斐よしひろのボーカルは艶っぽくパワーに溢れていた。
中学生になり、昭和町駅前に銀盤というレンタルレコード屋ができ、そこで『甲斐バンド・ストーリー』というベストアルバムを借りた。LPの最後の曲が『テレフォン・ノイローゼ』だった。それを聴いたときに、「この曲、甲斐バンドやったんや!」と初めて小学校3年の時の記憶とミュージシャンが一致した。曲は鮮明に覚えていたが、誰が歌っているのかは分かってなかったのだ。それから、甲斐バンドを聴き続けることになった。
そして今回、バンド結成40周年のアニバーサリーライブが東京国際フォーラムで行われた。
40周年全国ツアーは今年の7~8月に行われていて、最終公演が8月30日の日比谷野外大音楽堂だったのだが、チケットが早々に売り切れて入手できなかった。
チケットには非売品の新曲CDが付いていた。大阪公演に二日とも行ったK先輩が「CD2枚あるから1枚あげるよ」とプレゼントしてくれた。そのCDと他すべてのアルバムを一度聴いてから会場に臨んだ。
本公演は「真のグランドフィナーレ」と銘打ち、オーケストラとのコラボレーションという初めての試みだ。ステージ上にもう一段高いステージを設け、そこにフルオーケストラ60名がいるという圧巻の光景。またこの模様はWOWWOWで生放送されている。
ライブは『ブライトン・ロック』から始まり、ラストは『HERO』。一回目のアンコールは『嵐の季節』、『破れたハートを売り物に』。二回目のアンコール、オーラスは『100万$ナイト』という、70~80年代の往年の名曲で構成されていた。もちろん、MCでドラマ初出演の話と絡めて「Blood In Street」も演った。懐かしの曲を大声で歌い、声がガラガラになってしまった。でも最高のひと時だった。
甲斐バンドと出会って30数年。「どれくらい思ってる?」と聞かれると、「30数年分」と答えるだろう2014年の初冬。
当時腎炎で入院していた。病室は同じ病気を持つ小学生4人の相部屋。長細い部屋にベッドが4つ横に並んでいて、私は一番奥だった。入口に一番近い所には、オクダ君という当時6年生のお兄ちゃんが居た。彼は毎週ラジオで歌謡ベスト10みたいな番組を聴いていて、それが私の所にも聞こえてきた。その番組では、歌謡曲や演歌に混じって、一曲だけ不思議な曲が数週間ランクインしていた。エキゾチックなギターリフ。
出会ってひと月め。「どれほど思ってる?」って聞くと、
君は「4週間分よ」ってそっけなく…
という洒落た歌い出し。明らかに他とは一線を画す曲調だった。それが『テレフォン・ノイローゼ』だった。
時が過ぎ小学校6年生。TBSの人気番組「ザ・ベストテン」で、甲斐バンドの『HERO』がチャートインした。彼らは「テレビで一曲歌うだけじゃ自分たちの歌を理解してもらえない」という理由で出演を拒否した。ラジオで流れる『HERO』や、それに続くヒット曲『安奈』。甲斐よしひろのボーカルは艶っぽくパワーに溢れていた。
中学生になり、昭和町駅前に銀盤というレンタルレコード屋ができ、そこで『甲斐バンド・ストーリー』というベストアルバムを借りた。LPの最後の曲が『テレフォン・ノイローゼ』だった。それを聴いたときに、「この曲、甲斐バンドやったんや!」と初めて小学校3年の時の記憶とミュージシャンが一致した。曲は鮮明に覚えていたが、誰が歌っているのかは分かってなかったのだ。それから、甲斐バンドを聴き続けることになった。
そして今回、バンド結成40周年のアニバーサリーライブが東京国際フォーラムで行われた。
40周年全国ツアーは今年の7~8月に行われていて、最終公演が8月30日の日比谷野外大音楽堂だったのだが、チケットが早々に売り切れて入手できなかった。
チケットには非売品の新曲CDが付いていた。大阪公演に二日とも行ったK先輩が「CD2枚あるから1枚あげるよ」とプレゼントしてくれた。そのCDと他すべてのアルバムを一度聴いてから会場に臨んだ。
本公演は「真のグランドフィナーレ」と銘打ち、オーケストラとのコラボレーションという初めての試みだ。ステージ上にもう一段高いステージを設け、そこにフルオーケストラ60名がいるという圧巻の光景。またこの模様はWOWWOWで生放送されている。
ライブは『ブライトン・ロック』から始まり、ラストは『HERO』。一回目のアンコールは『嵐の季節』、『破れたハートを売り物に』。二回目のアンコール、オーラスは『100万$ナイト』という、70~80年代の往年の名曲で構成されていた。もちろん、MCでドラマ初出演の話と絡めて「Blood In Street」も演った。懐かしの曲を大声で歌い、声がガラガラになってしまった。でも最高のひと時だった。
甲斐バンドと出会って30数年。「どれくらい思ってる?」と聞かれると、「30数年分」と答えるだろう2014年の初冬。