宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ビッグバン理論がさらに強固に! 天の川銀河でもっとも古い星の観測で

2013年06月20日 | 宇宙のはじまり?
宇宙は138億年前に、ビッグバンで誕生したと考えられています。

このことは、その名残りである宇宙背景放射や、
理論予測どおりの軽元素の組成が観測されていることなどで、説の正しさが裏付けられています。










宇宙初期に形成された恒星は、
ビッグバン直後の元素合成を
反映している。









でも、長年解決されていない問題もあるんですねー

それは、天の川銀河のもっとも古い星々で観測された、リチウム同位体の量です。
この量が、ビッグバン後の元素合成で作られる っと理論上で予測された量と、一致しないんですねー

同位体とは、同じ元素でも中性子の数の違いにより、質量などが異なる原子のことです。
これまで、6Li(リチウム6)が予測される量の200倍、7Li(リチウム7)は3~5分の1という大きな違いを見せていました。

今回、ケンブリッジ大学で行われた最新の観測研究により、
リチウム同位体の量は、ビッグバン標準理論と矛盾しないという結果が発表されました。

観測は、ハワイ ケック天文台の口径10メートル望遠鏡で行われ、
古い恒星を観測して、恒星大気についての理論モデルと併せて解析が行われています。

6Liは存在量が少ないため観測が難しく、大気中の異なる過程のために観測データのモデル化も慎重さを要するそうです。
でも、ケックⅠ望遠鏡やスーパーコンピュータの能力によって、問題を解決できたんですねー

今回の成果で、リチウム6Liと7Liの量についての理論と観測との隔たりが大幅に小さくなり、
完全な一致も見えてきました。
宇宙背景放射などで支えられていたビッグバン標準理論が、これによってさらに強固になったようです。