明るい電波源を背景にして希薄な分子ガスを検出する。
っという観測方法に用いられる観測対象が、
アルマ望遠鏡のデータベースから新たに見つかったんですねー
天の川銀河の星間ガスの化学組成などを明らかにし、
性質を解明するうえで大きな成果になるようです。
希薄な分子ガスを検出する方法
宇宙空間には水素やヘリウムなど、
様々な分子からなる星間ガスが多量に存在しています。
それらの星間ガスは、
主に分子自身が発する光(分子輝線)の電波観測によって、
ガスの性質が研究されてきました。
でも、ガスがあまり多くない領域からの電波は微弱になるので、
輝線の観測から希薄なガスの環境を探ることは困難になるんですねー
こうした希薄な分子ガスを検出する手法としては、
遠方の明るい電波源を背景光源に使用して、
手前側に存在するガスによって生じる分子吸収線を、
とらえるという観測方法があります。
これは、背景の電波に照らされた分子ガスの「影絵」から、
ガスの正体や特徴を探る手法で、
その背景の観測対象は“分子吸収線系”と呼ばれています。
そして、この“分子吸収線系”を多く見つけることが、
希薄な分子ガスの研究において重要になります。
アルマが観測した基準光源データ
そこで研究グループが着目したのは、
南米チリのアルマ望遠鏡で観測されている基準光源のデータでした。
基準光源とは、目標天体の「位置合わせ」を行い、
データの質を高めるために観測される「本来の観測対象とは異なる」天体のこと。
主に遠方の明るい銀河が用いられています。
研究グループが、アルマ望遠鏡が観測した基準光源36天体のデータを調査したところ、
4方向の天体から天の川銀河内に存在する多種の分子吸収線が検出されました。
とくに3天体は今回初めて分子吸収線系として発見されたんですねー
さらに、非常に珍しいホルミルラジカル(HCO分子)の吸収線も検出。
希薄な分子ガスが紫外線にさらされて、
特徴的な化学変化が引き起こされていることが確認されました。
過去の例と比べて、
半分程度しかホルミルラジカルが検出されていない天体もあり、
これまでで最も希薄な部類の星間分子ガスをとらえたことになります。
今回の成果は、
天の川銀河内にも相当な量存在していると考えられている、
希薄な分子ガスの性質などを理解するうえで大きな意義のあるもの。
同時に、アルマ望遠鏡により観測された基準光源の、
潜在的な価値を示すものになります。
アルマ望遠鏡のデータベースには、
1000天体以上に及ぶ基準光源のデータが収められています。
この中には新たな分子吸収線系が隠されている可能性があり、
「宝の山」と言えるんですねー
なので、この基準光源データの調査が進むことで、
新たな分子吸収線系が発見され、
希薄な星間ガスに関する知見がさらに広がることが期待されますね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ Ia型超新星の起源は紫外線パルスから分かる?
っという観測方法に用いられる観測対象が、
アルマ望遠鏡のデータベースから新たに見つかったんですねー
天の川銀河の星間ガスの化学組成などを明らかにし、
性質を解明するうえで大きな成果になるようです。
希薄な分子ガスを検出する方法
宇宙空間には水素やヘリウムなど、
様々な分子からなる星間ガスが多量に存在しています。
それらの星間ガスは、
主に分子自身が発する光(分子輝線)の電波観測によって、
ガスの性質が研究されてきました。
でも、ガスがあまり多くない領域からの電波は微弱になるので、
輝線の観測から希薄なガスの環境を探ることは困難になるんですねー
こうした希薄な分子ガスを検出する手法としては、
遠方の明るい電波源を背景光源に使用して、
手前側に存在するガスによって生じる分子吸収線を、
とらえるという観測方法があります。
これは、背景の電波に照らされた分子ガスの「影絵」から、
ガスの正体や特徴を探る手法で、
その背景の観測対象は“分子吸収線系”と呼ばれています。
そして、この“分子吸収線系”を多く見つけることが、
希薄な分子ガスの研究において重要になります。
分子吸収線系の模式図。 遠方電波源のスペクトルは平坦だが、 手前に存在する星間ガス中の分子で吸収されると、 観測されるスペクトルの特定の周波数に吸収線が現れる。 |
アルマが観測した基準光源データ
そこで研究グループが着目したのは、
南米チリのアルマ望遠鏡で観測されている基準光源のデータでした。
基準光源とは、目標天体の「位置合わせ」を行い、
データの質を高めるために観測される「本来の観測対象とは異なる」天体のこと。
主に遠方の明るい銀河が用いられています。
研究グループが、アルマ望遠鏡が観測した基準光源36天体のデータを調査したところ、
4方向の天体から天の川銀河内に存在する多種の分子吸収線が検出されました。
とくに3天体は今回初めて分子吸収線系として発見されたんですねー
分子吸収線系“J1717-337”の電波強度画像(上)と、 同天体の分子吸収線スペクトル。 |
さらに、非常に珍しいホルミルラジカル(HCO分子)の吸収線も検出。
希薄な分子ガスが紫外線にさらされて、
特徴的な化学変化が引き起こされていることが確認されました。
過去の例と比べて、
半分程度しかホルミルラジカルが検出されていない天体もあり、
これまでで最も希薄な部類の星間分子ガスをとらえたことになります。
今回の成果は、
天の川銀河内にも相当な量存在していると考えられている、
希薄な分子ガスの性質などを理解するうえで大きな意義のあるもの。
同時に、アルマ望遠鏡により観測された基準光源の、
潜在的な価値を示すものになります。
アルマ望遠鏡のデータベースには、
1000天体以上に及ぶ基準光源のデータが収められています。
この中には新たな分子吸収線系が隠されている可能性があり、
「宝の山」と言えるんですねー
なので、この基準光源データの調査が進むことで、
新たな分子吸収線系が発見され、
希薄な星間ガスに関する知見がさらに広がることが期待されますね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ Ia型超新星の起源は紫外線パルスから分かる?