宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

人類初の月面着陸から思うこと

2012年08月28日 | 宇宙 space

人類として初めて月面に降り立ったニール・アームストロング
8月25日に死去しました。 82歳でした…

アームストロング氏は海軍の戦闘機パイロットを経て、1962年にNASAの宇宙飛行士へ、

マーキュリー計画に続く、2度目の有人宇宙飛行計画(ジェミニ計画)に参加し、アメリカ初の有人宇宙船でのドッキングを行っています。

この後、アポロ11号の船長に任命され月へ行くことになります。

アポロ11号は1969年7月16日にサターンVロケットにより打ち上げられ、
7月20日には月面着陸に成功したんですねー

月着陸船に搭乗していたアームストロング船長は、着陸から6時間後に人類として初めて月面に降り立ち、
「ひとりの人間にとって小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍だ。」という名言を残しています。

アポロ計画以降、人類は月には行ってないんですよねー
探査衛星は増えているのですが、NASAの有人探査は予算の関係で計画段階でポシャッたり復活したり…

アームストロング氏に謹んで哀悼の意を捧げるとともに、彼の功績に改めて敬意を表したい。
人類が再び月の地を踏めることを願って…

“キュリオシティ”試運転完了、着陸地点は“ブラットベリ”と命名

2012年08月27日 | 火星の探査
8月6日に火星着陸を果たしたNASAの探査車“キュリオシティ”ですが、ようやく探査開始のための準備を整うようです。









“キュリオシティ”に搭載のカメラ
“Navcam”が撮影した画像
火星の地表に車輪の跡が見える




計測機器のテストも着々と進んでいて、
スペインチームが担当する環境観測システム“REMS”では、気温・地表温度・気圧・風速などが計測されています。
ただ、2つある風速計のうち1つからはデータは届いていないんですよねー 着陸時に小石などがぶつかったのかもしれません。

また、ロシアの水探知機“DAN”は、地表下1mの深さまで中性子を打ち込み、その散乱により水素を探します。
石油探知の技術なのですが宇宙探査で、使われるのは初めてになります。

“キュリオシティ”は22日には稼動システムのチェックとして、前進・バック・ターンの動作を行い、最初にいた場所から6mほど移動しています。
あと数日間、観測機器のチェックや周辺の調査を行った後に、400メートル離れた最初の目的地に向かうことになります。

また、“キュリオシティ”の着陸地点が“ブラッドベリ・ランディング”と名付けられています。

これは今年6月に亡くなったアメリカの作家レイ・ブラッドベリ氏にちなんでのこと、
火星年代記、あまりにも有名すぎますよねー

今度は火星の内部調査へ(NASAのインサイト計画)

2012年08月26日 | 火星の探査
NASAが火星の地下を調べる計画を発表しました。

“インサイト”と呼ばれるこの計画では2016年3月に探査機を打ち上げ、火星内部の熱の流れを調査するんですねー
地下をドリルで掘って機器を設置、地下震動や温度変化などを調べ火星の内部構造を解明する予定です。

新探査機は、2008年に火星で初めて水の氷を発見した探査機“フェニックス”の設計を受け継ぎ、フランスやドイツも観測機器を担当します。

“フェニックス”は、地下50センチしか調べることができなかったのですが、今回は2年間のミッション期間で地下約5メートルまで掘り進めるようです。

“インサイト”はNASAの低予算プログラム“ディスカバリー”の候補に挙がっていた3つの計画から選ばれたんですねー

選ばれた理由は、スケジュールがずれ込む可能性や、予算の上限を超える可能性が低かったことにあります。

なんせ新探査機の開発費は約334億円で、キュリオシティの総事業費の6分の1なんですよねー
でも、この計画は将来の有人探査に欠かせない貴重なデータが得られるものになるはずです。

NASAは今年の2月に、3機の探査機を連携させて火星から試料を持ち帰る計画を予算不足から断念しています。
なので“インサイト”計画はポシャって欲しく無いですよねー 成功して将来の有人探査につながればいいですね。

実は衝突間近だった2つの星団

2012年08月25日 | 宇宙 space
NASAのハッブル宇宙望遠鏡が、衝突しつつある2つの星団をとらえました。

2つの星団はもともと1つの星団と考えられていたんですがねー

星の年齢に100万年も違いがあることや、本来は球状と考えられる星団の形がゆがんでいることから、衝突の初期段階にある2つの星団ということになりました。

始まったばかりのこの衝突は、2500万年前に誕生し星の形成が活発な“タランチュラ星雲”で起きていて、合体が進行して完了するまでに300万年もかかるとか…

“タランチュラ星雲”は、天の川銀河の伴銀河である大マゼラン雲の中にあり、地球からは17万光年の距離に位置します。
2つの星団のうち、大きい方は恒星5万2000個、
そして、これまで存在が知られていなかった小さい方は恒星1万個から成り立っています。

小さい方の星団がこれまで見つからなかったのは、大きい方の星団が小さい方の星団の形を大幅に歪め、引き伸ばしているからなんですねー
数多く存在する“光の弱い恒星”をハッブル宇宙望遠鏡で観測出来たこと、これが小さい方の星団の存在が明らかにできた理由です。

星団の元になる巨大なガスとチリの雲が、小さな断片に分かれます。
それらの小さな断片が後に合体して巨大な星団になるんですねー
今回、星の形成が活発な“タランチュラ星雲”で衝突が観測されたのは、これらの断片が合体した現象だと考えられています。

これまで星団は、全体が同じ年齢の均質な恒星で作られていると考えられてきました。
でも、中には複数が合体してできている星団も存在するんですねー

今回の発見は、星団観測の解釈に影響を与えることになります。
単純に年齢や化学組成を推測できなくなったんですねー

NASA火星探査のルートを発表

2012年08月23日 | 火星の探査
火星探査車“キュリオシティ”の探査ルートがNASAから発表されました。

今回の最終目的地点は、水の痕跡が見つかる可能性があるマウント・シャープ。
でも発表されたルートでは、“キュリオシティ”はマウント・シャープとは逆方向へ向かうことになります。

最初の中距離目標地点となるのは、グレネルグと呼ばれる3種類の地形が交差する場所です。

着陸地点からおよそ500メートル離れたところにあり、明るい色合いの地帯は“キュリオシティ”による掘削に適した地盤なんですねー

小型のクレーター群は、古くて硬い地表の可能性があるのですが、もう1つの地形は“キュリオシティ”が着陸時に地表を吹き払う前のものに類似しています。

NASAのジェット推進研究所がグレネグルと名付けたのですが、
この単語を選んだのは“Glenelg”が、前から読んでも後ろから読んでも同じように読めるからなんです。
これは“キュリオシティ”がグレネルグ到着後に、通ってきたルートを引き返してマウント・シャープに向かうからなんですねー

グレネグルには、だいたい3週間から2ヵ月で到着する予定です。
“キュリオシティ”は、ここに約1ヵ月とどまって調査した後にマウント・シャープに向かいます。

そして、マウント・シャープの中腹まで進む予定です。
高さ4800メートルのマウント・シャープには、10億年前の地層が残っている可能性があるからなんですねー

着陸地点から20キロ離れたマウント・シャープ到着は、1年後になる可能性もあるとか…

まぁー マウント・シャープスの麓には1~3階建ての高さでそびえる丘や、テーブル上の大地、渓谷などがあるので仕方ないですかねー

それに、麓の地域には含水鉱物が濃縮されて存在する可能性があり、
その鉱物から、この地域の地理的な歴史が明らかになるかも知れないので調査が必要となります。
これらは、“キュリオシティ”が着陸地点から撮影した画像から分かったことなんですねー

今度はマウント・シャープの頂上をとらえた写真… NASAでは1~2週間以内に撮影する予定だそうです。