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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

土星の衛星“ディオネ”にも、地下に海が存在するのかも

2013年06月15日 | 土星の探査
氷で覆われた土星の衛星“ディオネ”は、一見すると変化に乏しい天体です。

でも、NASAの探査機“カッシーニ”の観測から、その地下に液体の海が存在しているらしいことや、かつて活動的だった可能性があることが分かってきました。

画像は、“ディオネ”の隆起地形なんですが、北半球に800キロにわたって伸びているんですねー
NASAの探査機“カッシーニ”の地形データからは、その氷殻が大きく褶曲していることが分かりました。










“カッシーニ”が観測した
1~2キロ隆起した地形







褶曲とは、地中側から大きな力がかかった際に、地層が曲がりくねるように変形する現象です。
このことから、過去にもっと高温であったことが考えられています。

この要因として、もっとも可能性が高いのが、地下の海の存在です。

土星の潮汐力による伸縮で発生した熱は、衛星の核と外殻が離れている場合に大きく増幅されます。
また、氷などを噴出す土星の衛星“エンケラドス”のような、割れ目の跡も見つかっているので、“ディオネ”にもかつて活動的な時期があったのかもしれません。

“エンケラドス”だけが、現在も活発であり続ける理由については、
“エンケラドス”の方が土星に近いので、受ける潮汐力が大きい、岩石の割合が大きいので熱が多く発生するなどが考えられのですが、
まだ、はっきりとは分かっていません。

“エンケラドス”のほかにも、同じく土星の衛星“タイタン”や、木星の衛星“エウロパ”などは、
地下に海が存在すると考えられていて、地球外生命を探る対象として注目されているんですねー

なので、今回のような観測結果を見ると、
“ディオネ”のような一見変化のない氷の衛星にも、
地下には当たり前のように海が存在しているのかもしれませんね。