超大質量ブラックホール近傍から噴出する電波ジェットの根元の位置は、
これまで不動と思われていました。
でも、ジェット噴流の軸に沿って大きくふらつくという新現象が、
初めて発見されたんですねー
しかも、超大質量ブラックホールと電波ジェットの根元は、
30光年以上も離れる時期があるようです。
相対VLBIによる位置決定精度がカギ
今回の観測対象となったのは、
おおぐま座の方向約4.3億光年彼方にある活動銀河“マルカリアン421”。
“マルカリアン421”の中心核付近で起こった爆発現象を、
発生直後から約7か月間にわたって観測しています。
そして活動銀河の中心に潜む、
超大質量ブラックホール近傍から噴出する電波ジェットの根元が、
大きくふらついている様子を、とらえることに成功したんですねー
観測は超長器線電波干渉計“VLBI”である国立天文台“VERA”電波望遠鏡で行われ、
とくに相対VLBIと呼ばれる手法が用いられました。
相対VLBIでは、ひとつの受信機の視野を観測天体に、
もうひとつの受信機の視野を観測天体の近くにある参照天体に向けて、
同時に観測することによって大気揺らぎを補正し、
天体の位置決定制度を向上させることができます。
高い空間解像度と合わせ、高頻度でフォローアップを行ったことで、
電波ジェットの根元が動いていることが突き止められたんですねー
プラズマ塊の速度の違い
ふらつき現象は、
超大質量ブラックホール近傍での活動が活発なときに、
噴き出すプラズマ塊の速度の違いにより、
プラズマ塊同士が衝突する場所が大きく変化することによって生じている、
という理論モデルでよく説明できるそうです。
また、ふらつきの大きさは、
プラズマ塊の速度が従来考えられていたよりも速いことと、
電波ジェットの根元と銀河中心核の超大質量ブラックホールが、
30光年以上離れているときがあることを示唆していると考えられます。
今回の発見は、長年の謎となっている活動銀河中心核ジェットの、
形成メカニズムを理解する上で、
新たな手がかりの1つとなることが期待されているんですねー
こちらの記事もどうぞ。 ⇒ アルマ望遠鏡が解き明かす、銀河中心ブラックホールの活動
これまで不動と思われていました。
でも、ジェット噴流の軸に沿って大きくふらつくという新現象が、
初めて発見されたんですねー
しかも、超大質量ブラックホールと電波ジェットの根元は、
30光年以上も離れる時期があるようです。
相対VLBIによる位置決定精度がカギ
今回の観測対象となったのは、
おおぐま座の方向約4.3億光年彼方にある活動銀河“マルカリアン421”。
“マルカリアン421”の中心核付近で起こった爆発現象を、
発生直後から約7か月間にわたって観測しています。
そして活動銀河の中心に潜む、
超大質量ブラックホール近傍から噴出する電波ジェットの根元が、
大きくふらついている様子を、とらえることに成功したんですねー
VERA電波望遠鏡で観測した“マルカリアン421”のジェットの根元の動き。 最も大きく動いた時には、最初の位置に比べて30光年下流まで動いたことになる。 |
観測は超長器線電波干渉計“VLBI”である国立天文台“VERA”電波望遠鏡で行われ、
とくに相対VLBIと呼ばれる手法が用いられました。
相対VLBIでは、ひとつの受信機の視野を観測天体に、
もうひとつの受信機の視野を観測天体の近くにある参照天体に向けて、
同時に観測することによって大気揺らぎを補正し、
天体の位置決定制度を向上させることができます。
高い空間解像度と合わせ、高頻度でフォローアップを行ったことで、
電波ジェットの根元が動いていることが突き止められたんですねー
研究成果を様式的に示した図。 |
プラズマ塊の速度の違い
ふらつき現象は、
超大質量ブラックホール近傍での活動が活発なときに、
噴き出すプラズマ塊の速度の違いにより、
プラズマ塊同士が衝突する場所が大きく変化することによって生じている、
という理論モデルでよく説明できるそうです。
また、ふらつきの大きさは、
プラズマ塊の速度が従来考えられていたよりも速いことと、
電波ジェットの根元と銀河中心核の超大質量ブラックホールが、
30光年以上離れているときがあることを示唆していると考えられます。
今回の発見は、長年の謎となっている活動銀河中心核ジェットの、
形成メカニズムを理解する上で、
新たな手がかりの1つとなることが期待されているんですねー
こちらの記事もどうぞ。 ⇒ アルマ望遠鏡が解き明かす、銀河中心ブラックホールの活動