宇宙線を生み出すとされる、超新星爆発の衝撃波による粒子の加速。
それによく似た過程が、身近な宇宙空間である太陽系の土星で直接観測されました。
このことで地場との意外な関係が明らかになってきたんですねー
土星の磁気圏(グレー)に
生じた衝撃波(青)を
観測する土星探査機“カッシーニ”
(イメージ図)
宇宙を飛び交い、大気層を貫いて地表にも降り注ぐ宇宙線(高エネルギー粒子)は、宇宙空間のガス中の強い衝撃波による(フェルミ加速)で生み出されているというのが有力な説です。
そして、この衝撃波は重い星の一生の最後に起こる、超新星爆発で発生すると考えられています。
この衝撃波は、超音速の衝突が起こると発生するのですが、
宇宙空間のガスは電離状態にあり、磁場の効果がきわめて重要であるという点が、私たちの身の回りで起こる衝撃波と異なるんですねー
宇宙線が加速されるメカニズムの解明のためには、電離ガスに満たされた宇宙空間で測定されたデータに基づいて、磁場の効果を把握することが必要になります。
身近な宇宙空間である太陽系では、
これまで超新星残骸における強い衝撃波を知るうえで、参考になるほどの衝撃波をなかなか測定することができませんでした。
でも、土星を周回するNASAの探査機“カッシーニ”が2007年2月に、
太陽風(太陽からの粒子の流れ)が、土星の磁気圏に衝突して生じた強い衝撃波が粒子を加速させる現場をとらえることに成功したんですねー
この観測から得られた結果は、これまでの考えを覆すもので、
衝撃波が発生した時の磁場の状態は、衝撃波にともなう粒子の流れと磁力線の向きがほぼ平行でした。
磁場と衝撃波の向きが準平行な状態(上)
準垂直な状態(下)
こうした準平行衝撃波の場合、
流れの向きとしては、衝撃波面との作用によるフェルミ加速が起こりやすいのですが、
その前段階である「加速を受けるための粒子の状態(ある程度の高エネルギーを得ている)」にならないので、
結局フェルミ加速はありえないと考えられてきました。
今回の場合には、強い衝撃波により粒子の条件が整ったため、加速が起こったと考えられるんですねー
遠すぎて詳細を知ることのできない超新星残骸。
ここでの出来事を知るうえで、今回の観測結果は実際の計測をもとにした重要な成果になるよです。
それによく似た過程が、身近な宇宙空間である太陽系の土星で直接観測されました。
このことで地場との意外な関係が明らかになってきたんですねー
土星の磁気圏(グレー)に
生じた衝撃波(青)を
観測する土星探査機“カッシーニ”
(イメージ図)
宇宙を飛び交い、大気層を貫いて地表にも降り注ぐ宇宙線(高エネルギー粒子)は、宇宙空間のガス中の強い衝撃波による(フェルミ加速)で生み出されているというのが有力な説です。
そして、この衝撃波は重い星の一生の最後に起こる、超新星爆発で発生すると考えられています。
この衝撃波は、超音速の衝突が起こると発生するのですが、
宇宙空間のガスは電離状態にあり、磁場の効果がきわめて重要であるという点が、私たちの身の回りで起こる衝撃波と異なるんですねー
宇宙線が加速されるメカニズムの解明のためには、電離ガスに満たされた宇宙空間で測定されたデータに基づいて、磁場の効果を把握することが必要になります。
身近な宇宙空間である太陽系では、
これまで超新星残骸における強い衝撃波を知るうえで、参考になるほどの衝撃波をなかなか測定することができませんでした。
でも、土星を周回するNASAの探査機“カッシーニ”が2007年2月に、
太陽風(太陽からの粒子の流れ)が、土星の磁気圏に衝突して生じた強い衝撃波が粒子を加速させる現場をとらえることに成功したんですねー
この観測から得られた結果は、これまでの考えを覆すもので、
衝撃波が発生した時の磁場の状態は、衝撃波にともなう粒子の流れと磁力線の向きがほぼ平行でした。
磁場と衝撃波の向きが準平行な状態(上)
準垂直な状態(下)
こうした準平行衝撃波の場合、
流れの向きとしては、衝撃波面との作用によるフェルミ加速が起こりやすいのですが、
その前段階である「加速を受けるための粒子の状態(ある程度の高エネルギーを得ている)」にならないので、
結局フェルミ加速はありえないと考えられてきました。
今回の場合には、強い衝撃波により粒子の条件が整ったため、加速が起こったと考えられるんですねー
遠すぎて詳細を知ることのできない超新星残骸。
ここでの出来事を知るうえで、今回の観測結果は実際の計測をもとにした重要な成果になるよです。