176光年彼方の“うみへび座TW星”は、質量が太陽の半分よりやや大きい赤色矮星です。
生れてから800万年というとても若い星で、周囲には直径およそ660億キロのチリとガスの円盤が広がっています。
ハッブル宇宙望遠鏡による観測では、“うみへび座TW星”からおよそ120億キロ(太陽~冥王星のおよそ2倍の距離)離れた円盤中に、幅30億キロの隙間があることが分かっています。
こんなに軽い恒星から、これほど遠い場所に円盤の隙間が見つかったのは初めてで、
どうやら、この隙間は円盤の中で形成された惑星の重力的な影響で、作られたようです。
でも、もし本当に惑星が存在するなら…
今もっとも典型的とされる惑星形成理論と矛盾が生じることになるんですねー
これは、理論モデルでは惑星ができるまでには1000万年以上かかり、中心から離れた場所ならさらに時間が必要となるからです。
“うみへび座TW星”自体が誕生から800万年しか経っていないので整合性がとれなくなります。
また、アルマ望遠鏡の観測では、砂粒程度の大きさのチリは恒星から隙間のすぐ内側の88億キロまで広がっていて、その外側からぷっつりと存在しなくなっています。
なので、惑星があるのにその外側に砂粒より大きな粒子がないという観測結果も、これまでの理論とは相容れないものになります。
もうひとつ考えられている惑星形成プロセスとして、円盤の一部が重力的に不安定となり収縮するというものがあります。
この場合は、数千年あれば惑星ができあがるので時間の矛盾は解消されるのですが、別の矛盾が生じるんですねー
この理論で作られると予測される惑星の質量は、地球の数百倍ほどなのですが、
隙間の中の様子から推測した惑星の質量は、地球の6~28倍だとか…
いわゆる“スーパーアース”から“巨大氷惑星”程度の大きさになるんですねー
この謎を解明するには、アルマ望遠鏡や次世代赤外線望遠鏡での詳細な観測が、まだまだ必要なようですね。
生れてから800万年というとても若い星で、周囲には直径およそ660億キロのチリとガスの円盤が広がっています。
“うみへび座TW星”の原始惑星系円盤
ハッブル宇宙望遠鏡の観測画像(左)とイメージ図(右)
ハッブル宇宙望遠鏡の観測画像(左)とイメージ図(右)
ハッブル宇宙望遠鏡による観測では、“うみへび座TW星”からおよそ120億キロ(太陽~冥王星のおよそ2倍の距離)離れた円盤中に、幅30億キロの隙間があることが分かっています。
こんなに軽い恒星から、これほど遠い場所に円盤の隙間が見つかったのは初めてで、
どうやら、この隙間は円盤の中で形成された惑星の重力的な影響で、作られたようです。
でも、もし本当に惑星が存在するなら…
今もっとも典型的とされる惑星形成理論と矛盾が生じることになるんですねー
これは、理論モデルでは惑星ができるまでには1000万年以上かかり、中心から離れた場所ならさらに時間が必要となるからです。
“うみへび座TW星”自体が誕生から800万年しか経っていないので整合性がとれなくなります。
また、アルマ望遠鏡の観測では、砂粒程度の大きさのチリは恒星から隙間のすぐ内側の88億キロまで広がっていて、その外側からぷっつりと存在しなくなっています。
なので、惑星があるのにその外側に砂粒より大きな粒子がないという観測結果も、これまでの理論とは相容れないものになります。
もうひとつ考えられている惑星形成プロセスとして、円盤の一部が重力的に不安定となり収縮するというものがあります。
この場合は、数千年あれば惑星ができあがるので時間の矛盾は解消されるのですが、別の矛盾が生じるんですねー
この理論で作られると予測される惑星の質量は、地球の数百倍ほどなのですが、
隙間の中の様子から推測した惑星の質量は、地球の6~28倍だとか…
いわゆる“スーパーアース”から“巨大氷惑星”程度の大きさになるんですねー
この謎を解明するには、アルマ望遠鏡や次世代赤外線望遠鏡での詳細な観測が、まだまだ必要なようですね。