宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

迫り来る矮新星爆発を“色”で予測可能に

2013年07月30日 | 宇宙 space
変光星の一種である矮新星は、
恒星の燃えかすである白色矮星の周囲にあるガスなどの円盤に、
パートナーの恒星から物質が流れ込み、円盤が不安定になることで急激に明るくなる現象と考えられています。







矮新星(イメージ図)





明るさだけでなく色も変化するのですが、その原因は良く分かっていないんですねー

国立天文台 岡山天体物理観測所などの研究グループは、
代表的な矮新星である“おおぐま座SU”を、2011年12月から2012年3月まで、
赤、青緑、近赤外線の3つの波長帯で観測しています。

すると、赤と青緑の2つの波長帯で見ると、爆発の数日前に赤が優勢になってくることが分かりました。


矮新星の状況と、その時の色をプロットしたもの
明るさはほぼ同条件でも、爆発3日前~前日(●)は、それ以外の時(○)と比べて、図の下方(青緑+赤の2波長で見た場合に赤が強い方)に分布していることが示されている。


なので、この2つの波長帯を見れば、爆発が近いことを予測できることになります。

このメカニズムについては、
  爆発直前に降着円盤内縁がガスで満たされ、白色矮星を隠すことで青緑の光のみが暗くなる
  爆発の直前に6000ケルビン程度の成分が、降着円盤内で群を抜く
など、いくつかの解釈が可能です。

でも、詳しくは今後の観測結果ということになるんですねー

他にも、静穏期の等級にも明るい時期と暗い時期の2種類があることや、
明るい静穏期は期間が1週間前後と短く、青緑+赤の2波長帯で赤が勝っているということが、
研究で明らかになったそうですよ。

地球近傍天体の発見数が1万個に到達

2013年07月29日 | 宇宙 space
“地球近傍天体(NEO)”とは、地球の公転軌道に4500万キロ以内まで近づく軌道を持つ天体のことです。
数メートルクラスのものから、最大では幅41キロの小惑星“Ganymed”まで、そのサイズはさまざまあります。

また、軌道を計算してみると、将来地球に衝突し危害を及ぼす可能性を排除しきれていない“NEO”は、
特に“潜在的に危険な小惑星(PHA)”とも呼ばれています。

こうした“NEO”の通算発見数が、いよいよ新たな桁に突入したんですねー

記念となる1万個目の天体は、ハワイでの自動小天体サーベイ“パンスターズ計画”により6月18日に見つかった、“小惑星2013 MZ5”です。
幅はおよそ300メートルで、将来地球に衝突する危険性は無いことが分かっています。









パンスターズ1望遠鏡で発見された
“小惑星2013 MZ5”(赤い矢印)





ただ、地球にダメージを与えうる天体を、全て探しつくしたと言えるには、これまでの発見の少なくとも10倍の数が必要だとか…

また、発見された1万個の天体のうち、
地球全体にダメージを与えうる1キロ以上のサイズのものは、およそ1割です。
この1割の中には、今のところ衝突の危険性があるものは含まれておらず、このサイズで未発見のものは数十個程度だと考えられています。

さらに小さい140メートルサイズのものは1万5000個あると推測されていて、
そのうち30%近くが発見済みだそうです。
そして、人間の居住地域に甚大な被害を及ぼす、30メートルサイズのものは百万個以上と考えられ、
こちらはほとんどが未発見のままなんですねー

1898年に“NEO”が最初に発見されたからの100年間は、たった500個ほどしか発見されていませんでした。
でも、その数が飛躍的に増加したきっかけがNASA地球近傍天体プログラムの開始だったそうです。

NASAによる地球近傍天体プログラムは、
  マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所の“LINEAR(リニア)計画”
  ジェット推進研究所の“NEAT(ニート)計画”
  アリゾナ大学の“スペースウォッチ(現カタリナ・スカイ・サーベイ)”
  アリゾナ大学の“LONEOS(ロニオス)計画”(ローウェル天文台)
との連携支援で始まり、
各探査プログラムでの観測結果が、国際天文学連合の小惑星センターに報告され、天体の軌道計算と符号の付与が行われるという仕組みです。

立ち上げからの10年あまりで、
同プログラムは、「1キロ以上の“NEO”の90%を見つける」という目標を達成しています。

さらに2005年12月には、アメリカ連邦議会から140メートル以上の“NEO”の90%を発見し、カタログ化するよう要請されました。

これが達成されれば、前触れなしに天体衝突が起こる確率を、サーベイ計画実施以前のレベルの1%まで絞り込めるんですねー
衝突の危険性が事前に分かれば、最新の技術で対策を講じる余地があるので、人類へのリスクを減らすことになります。

20年程前は“NEO”の発見は、まだまれな出来事でした。
でも今では、1日に3個のペースで発見されています。

“NEO”以外の小惑星帯にあるものも含めて、月におよそ数十万個もの天体観測報告が小惑星センターに寄せられています。

そして、NASA中心のサーベイ以外にも、世界中の研究者・アマチュア天文家の活動が、“NEO”の発見追跡にひじょうに大きな貢献をもたらしているんですねー

松坂-伊賀-近江 牛丼ツーリング

2013年07月28日 | バイク・旅・ツーリング
前から考えていた松坂-伊賀-近江のブランド牛を堪能するツーリング。

資金の関係で見送っていたのですが、やっと実行する時がやってきました ^_^
まぁー 豊富な資金が手に入った訳ではなく、リーズナブルなメニューに変更しただけですが…

ともかく、限りある資金を有効に使いつつ、ご当地のブランド牛を楽しもうというツーリングの始まりです。

○○○

7月26日晴れ。 お日さまが昇る前に出発し、阪神高速-西名阪-名阪国道を乗りついで
5時半に“針テラス”へ到着、ここからお気に入りの伊勢本街道(369号、368号)を走ります。

伊勢本街道を気に入っている理由は、長い直線と走りやすい道、そして“道の駅美杉”を越えた辺りから始まるクネクネした細い道があるから。 走るのが楽しいんですねー

このクネクネした道の途中に看板があり、むかし西国から伊勢神宮へ参宮した道だということが分かります。

っということで、このブランド牛ツーリングが成功することを祈願しに、まずは伊勢神宮(内宮)へ向かうことにします。



到着して分かったのですが、いま伊勢神宮では“お白石持”という行事が始まっていること。
(奥の駐車場が使えなくなっていました)
今年、伊勢神宮は62回目の式年遷宮を迎えるそうで、ご神体を新しい社殿(左下)に移すそうです。

この新しい社殿の周りに敷き詰める石を運ぶ行事が“お白石持(しらいしもち)”だそうです。

この日は、伊勢神宮まで続く五十鈴川の中を、木製のそりを引っ張って石を運ぶ“川曳(かわびき)”が行われていて、川から上がると石を樽に移して社殿に運んでいました。

この後に初めての外宮に参宮して、いよいよ今日の一食目をいただきに松坂の“洋食屋牛銀”へ向かいます。
そう、肉の販売・すき焼きで有名な“牛銀”が経営している洋食店です。

けっきょくリーズナブルな肉料理… っということで選んだのは牛丼だったんですねー (^^ゞ
理由は、メニューに入っている店が多いことと、
すき焼き風、ステーキ風などのバリエーションがあり楽しめそう、という期待からです。

“牛銀”は昔「牛丼と牛めし“一銭五厘”」と掲げていたので、なかなかのベストチョイス? かもしれません。

開店と同時に店に入り、注文したのは“牛丼(上) 1300円”です。
待ってる間に十数名が入店、平日なのに中々の繁盛ですね ^_^

出てきた食事は、タマネギとネギを卵でとじ、上に山椒がかかった親子丼風のもの。
やや厚めのお肉はやわらかく、火を通し過ぎていないタマネギと合ってましたねー
自分の好みに「どストライク」な牛丼でした (^^♪

時刻は11時過ぎ、ここで食べたのが少し遅めの朝食なので、今度はお昼を食べに伊賀の“すきやき伊藤”へ直行です(このお店も肉屋さんが経営するすき焼き店です)。
23号から165号は車が多かったのですが、県道659から163号は気持ち良く走れ1時半頃に到着、でっかい牛が出迎えてくれました。

すりゴマと山椒がかかった“牛どん(大) 1,050円”は、肉はやわらかく少し甘めの割り下で味付けされていました。

肉以外に何も入っていないシンプルな牛丼ですが、(大)には生卵がついているので、すき焼き風にして頂けますよー (^^♪
うれしいのは肉が多いこと。これは肉屋さんが経営しているから? っかもしれません…
店を出てからは伊賀上野城を散策、体を動かし次の近江牛に備えます。

422号は途中ダンプが多く快走できず… 信楽“狸家分福”でお約束の記念撮影し、“炎の里信楽の宿 小川亭”の立ち寄り湯で汗を流しスッキリとした後、甲賀を抜けて近江八幡へ。

お邪魔したのが、お食事処“かね安”さん
近所にありそうなお肉屋さんが経営しているすき焼き店です。
営業しているのか分かりづらいお店で、きさくなマスター迎えてくれます。

注文したのが近江牛の“焼肉丼 680円”
今では珍しく牛一頭買いをしているので、枝肉から美味しいスネ肉がとれ、安く提供できるんだとか。

牛肉とタマネギのシンプルな丼、味付けは濃い目なので白ご飯にピッタリ、ガッツリいけます!(でも、よくある焼肉のタレ系の味付けじゃないですよー)

安くてボリュームがある店とのことなので、今度はステーキとか、すき焼きとか…
っと考えながら名神高速にのって帰路へ

帰宅は夜の7時、卵でとじた親子丼風、すき焼き風、焼肉風と牛丼にはいろんな種類があるんですねー
お腹パンパンになった満足できるツーリングでした \(^o^)/

最後に今回の教訓 “美味しい牛丼の方程式”

ブランド牛の産地にある、
肉屋さんが経営するすきやき店には、
美味しい牛丼あり。

ですかねー ^_^



散開星団に見つかった2つの系外惑星

2013年07月27日 | 宇宙 space
すべての恒星は、他の星とともに集団で生まれます。
太陽のように少数の群れで生まれ、すぐに離れ離れになってしまうものがほとんどなんですが、
星が密集した大集団が、数十億年にもわたって存続しつづけるものあります。

こうした集団の中では星がひしめきあい、強い放射と激しい恒星風にさらされるので、とても惑星が生まれるような環境じゃないんですねー
実際、これまで見つかっている系外惑星のうち、星団の中に存在するのはたったの4つだけでした。

今回、この珍しい環境で存在する、新しい系外惑星が見つかりました。










無数の星がひしめき
惑星形成には過酷すぎる
散開星団“NGC 6811”
(イメージ図)





はくちょう座の方向3000光年彼方の散開星団“NGC 6811(6.8等星)”にある2つの恒星を周る惑星で、NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”の観測で発見されました。

これまでに見つかっていた星団中の系外惑星は、すべて木星以上の質量でした。
でも、今回見つかった“ケプラー66b”と“ケプラー67b”は、大きさが地球の3倍以下で、質量も小さいようです。

また、恒星の手前を惑星が横切るときの、わずかな光のゆらぎから惑星の存在を知る“トランジット法”により、
星団中の惑星が見つかるのも初めてのことなんですねー

散開星団は距離や年齢が正確に把握しやすく、その中にある惑星についても多くの情報が得られます。
今回の研究では“NGC 6811”の年齢をおよそ10億年としていて、発見された2つの惑星は年齢、距離、サイズが正確に判明している希少な惑星になります。

星団中の惑星の数から考えると、散開星団中の惑星の存在頻度やその特徴は、星団などに属さない恒星の周囲に見られる惑星と変わりはないようです。

今回の発見は、過酷な環境でも小型の惑星が作られ、10億年以上生きのびることが可能だと証明されたんですね。