宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ハビタブルゾーンに見つかった地球の1.4倍の惑星

2013年06月03日 | 宇宙 space
NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”の観測から、
2つの恒星のハビタブルゾーンに、3つの地球よりひと回り大きい惑星“スーパーアース”が発見されました。

「恒星からの距離が、液体の水が存在するのにちょうどよい領域」をハビタブルゾーンといいます。

まず一方は、こと座の方向1200光年彼方にある“ケプラー62”です。
“ケプラー62”の直径は、太陽の3分の2、明るさは太陽の5分の1しかなく、年齢は約70億歳なので太陽よりも少し年老いています。


“ケプラー62”惑星系と太陽系
惑星や軌道の大きさは、厳密ではないが比較できる
“ケプラー62”は太陽より暗いので、ハビタブルゾーンも恒星に近い範囲になる

周囲には5つの惑星が発見されていて、そのうち2つがハビタブルゾーン内にあります。

“ケプラー62f”は直径が地球の1.4倍ほどで、ハビタブルゾーンにあるものとしては史上最小になり、267日周期で公転しています。
また、ハビタブルゾーンの内側ぎりぎりに位置する、公転周期122日の“ケプラー62e”も、地球の1.6倍のスーパーアースになります。

残るもうひとつは、はくちょう座の方向2700光年の彼方にある“ケプラー69”です。
“ケプラー69”は、太陽より少し小さく暗いのですが、同じタイプの恒星で、2つの系外惑星が発見されています。


“ケプラー69”惑星系と太陽系


そのうちハビタブルゾーンに位置する“ケプラー69c”は、直径が地球の1.7倍で、242日周期で公転しています。
太陽系でいえば、金星の軌道に近いんですねー

“ケプラー”は恒星の光が、手前を通過する惑星にさえぎられて、
わずかに暗くなる現象(光のゆらぎ)から惑星の存在を検出します(トランジット法)。

このトランジット法で、これまでに2700個以上もの系外惑星候補を発見し、そのうち122個が系外惑星であることが確定しています。

2009年の打ち上げから間もなくは、減光が頻繁に起こる惑星… 
要は、恒星から近いところにあって公転周期が短い、巨大ガス惑星を多く発見していました。
でも、系外惑星候補と認められるには、経過観測が3回必要となります。

それが、恒星から遠い軌道を年単位で回る惑星の通過を、複数回観測するだけの時間が経過したことで、
ハビタブルゾーンに位置する、地球サイズの惑星も見つかるようになってきました。

生命のいる星が、すぐに見つかるわけではないのですが、
地球と同じような条件の星が、この宇宙にどれだけ存在しているのか?
“ケプラー”の観測により、それを探る材料が着々と増えているんですねー