宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ミリ波観測で暗い銀河を15個発見

2013年06月18日 | 宇宙 space
南米チリのアルマ望遠鏡をつかった観測で、
これまで見つかっていなかった、非常に暗い銀河が15個発見されました。

電波の一種で比較的波長が短いミリ波・サブミリ波の観測では、
可視光や近赤外線では、宇宙空間のチリにさえぎられて見逃されている、
多くの銀河を見つけることができます。

これらのミリ波・サブミリ波は、チリに吸収された光が再放射されたものや、
銀河中の豊富なチリが放つ赤外線の波長が引き伸ばされたものなんですねー

従来ミリ波・サブミリ波で見つかってきた銀河は、
チリに厚く覆われて、星の形成がひじょうに活発な… いわば特殊な銀河でした。

でも、今回アルマ望遠鏡を使った高感度のミリ波観測により、
チリが豊富であるものの星形成活動は穏やかな、より「一般的」な銀河をとらえることができたんですねー

今回の発見で、ミリ波・サブミリ波で特別に明るい銀河と、一般的な銀河をつなぐ天体が検出されたことになります。
これは銀河進化の全体像に迫る、大きな一歩になりました。













くじら座方向の観測領域と、
今回見つかった銀河(従来観測)
との比較(イメージ図)









さらにこの研究から分かったことがあります。
それは、現段階で“宇宙閉経放射”として含まれるミリ波・サブミリ波放射のおよそ80%は、
このような未検出の「一般的」な銀河だということ。

アルマ望遠鏡を使って、さらに暗い銀河の観測を行うとともに、
星形成活動や、チリの量などを詳しく調べることで、銀河の進化の全体像が明らかになりそうですね。