宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

小惑星の岩を月の軌道へ運ぶ計画 NASAが発表

2015年04月30日 | 宇宙 space
NASAによる小惑星再配置ミッションが、
これまでの小惑星全体を月軌道に運ぶ計画から、
無人宇宙船でその一部を採取して、月軌道に運ぶ計画に変更されるそうです。
小惑星から岩を採取するようす(イメージ図)。

最終目的地の候補には“イトカワ”、“ベンヌ”、“2008 EV5”などが挙がっていて、
今のところ“2008 EV5”が最有力なんですが、決定されるのは2019年。

打ち上げは2020年12月の予定で、2年かけて目的の小惑星に向かうことになります。

宇宙船には、採取するサンプルを検査するための一連のセンサーが搭載されていて、
到着後は目的の小惑星で、最大で幅4メートルの岩を採取。

その後、再び周回軌道に入り、
215日から400日間小惑星を周回したのち、重力を利用して軌道を変更します。

そして得られた岩は、2025年に月軌道へと運ばれ、
そこで宇宙飛行士がランデブーを行い、岩からサンプルを採取するという流れになります。

この計画が成功すれば、
巨大な岩を意図的に地球の近くまで移動する世界初の例になり、
宇宙飛行士が岩からデータを収集することで、
採取元の小惑星の種類を詳しく知ることができるんですねー

NASAによると、
この計画は、有人火星探査への足がかりになると同時に、
惑星の衝突防止戦略を試すチャンスにもなるそうです。

無人宇宙船が小惑星を訪れている間に、小惑星の軌道を徐々に変える予定で、
もし、それが達成されれば、
地球に巨大隕石が近づいたときに、
同じ方法で衝突を避けられるかもしれません。

さらに遠い宇宙へのミッションに備えて、太陽光を利用した電気推進モジュールなどの導入も検討しているんだとか。

このミッションは現在、
計画を精査するための初期段階“フェーズA”に入ろうとしているところ。

目的地の決定は、まだ先なんですが、
月軌道に人を送るためには、
まず、大きな打ち上げ能力があるロケット“スペース・ローンチ・システム”と、
有人宇宙船“オリオン”の準備を進める必要がありますね。
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17世紀に出現した謎の天体… 実は星の衝突だった?

2015年04月29日 | 宇宙 space
17世紀にヨーロッパ各地の空で観測された激しい爆発。
どうやら“新星”ではなく、めったに見られない星の衝突かもしれないんですねー
これまで普通の新星爆発と考えられていた
“こぎつね座CK”

天文学者たちは長い間、この天体を“新星”と考えていました。

“新星”とは、恒星の表面に起こる爆発のこと。
恒星が一生を終える際の“超新星爆発”に比べると規模が小さくなります。

ところが、17世紀の爆発の残骸である“ごぎつね座CK”を詳細に調べてみると、
2つの星が激しく衝突する際に起こる“レッド・トランジェント(高輝度赤色新星)”と呼ばれる現象だったことが分かります。

“レッド・トランジェント”は、比較的珍しいタイプの星の衝突になり、
衝突の際に生じた元素から、このときの衝撃がきわめて激しいもので、
星同士が互いに正面から衝突した可能性もあるそうです。

南米チリのアタカマ砂漠にあるAPEX望遠鏡による観測結果は、
“こぎつね座CK”の残骸に存在する化学物質に奇妙な点があることを示していました。

特に目を引いたのは、驚くほど大量の重窒素(窒素の同位体)。

また、通常は新星の残骸には見られない荷電された分子も存在し、
それは、この場所が「分子にとって厳しい」環境であることを意味していたんですねー

このことから、謎の天体が新星ではなかったことが分かってきます。

集まった手がかりから考えられる結論は、
これが“レッド・トランジェント”と呼ばれる、
めったに観測されない星の衝突であるというでした。

2つの星が衝突して起こる“レッド・トランジェント”の明るさは、
新星と超新星の中間くらいになります。

ただ、“こぎつね座CK”の残骸のそばで確認された荷電分子の中には、
最近見つかった他の“レッド・トランジェント”の残骸とは一致しないものもあるんですねー

原因は、爆発の残骸が古いことにあるのかもしれません。

他の“レッド・トランジェント”が発生したのはここ数十年の間なんですが、
“こぎつね座CK”が現在の状態になるまでには300年もかかっています。

近年見つかっている他の“レッド・トランジェント”は、
2002年に出現した“いっかくじゅう座Y838”や“さそり座Y1309”など。

“こぎつね座CK”に含まれる分子の種類は、
“さそり座Y1309”を参照しながら解析したそうです。
2002年に出現した“レッド・トランジェント”
“いっかくじゅう座Y838”
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情報収集衛星光学5号機の打ち上げに成功 H-IIAロケット

2015年04月28日 | 地球の観測
三菱重工とJAXAが、
情報収集衛星光学5号機を搭載したH-IIAロケットの打ち上げに成功しました。

H-IIAは今回が28機目の打ち上げ。

6号機の失敗後、7号機からは22機連続での成功で、
昨年10月から約2か月おきに4機という、
ひじょうに短い間隔での連続成功にもなったんですねー


ロケットは種子島宇宙センターから離昇。

ただ、情報収集衛星の打ち上げなので、
事前に飛行プロファイルなどは公表されず、
打ち上げの中継も行われませんでした。

JAXAから打ち上げ成功の発表はあったのですが、衛星の分離時刻も公表は無し。

太陽同期軌道への打ち上げだったので、
おそらく離昇からおよそ16分後あたりで分離されたものと思われます。

また、アメリア戦略軍が運用する宇宙監視ネットワークが、今回の打ち上げで、3つの物体が軌道に乗ったことを確認しています。

1つは光学5号機、もう1つはH-IIAの第2段と考えられ、
3つ目の物体は何らかのデブリだと思われるのですが、詳細は不明なんですねー


情報収集衛星5号機は、三菱電機が製造を担当した衛星です。

運用は内閣衛星情報センターが行い、
日本の安全保障や、災害時の状況把握に活用するので、
地表の撮影を行うことを目的にしています。

情報収集衛星には、
電子光学センサー(高性能なデジタルカメラ)で、地表を撮影する“光学衛星”と、
合成開口レーダーを使って地表を撮影する“レーダー衛星”の2種類があります。

“光学衛星”は、“レーダー衛星”より地上の物体を細かく見分けられるのが特徴。
ただ、撮影したい地域が夜だったり、上空に雲がかかっていたりすると、
撮影できないんですねー

一方で“レーダー衛星”は、物体を見分ける能力は“光学衛星”より劣るのですが、
夜間や天候が悪くても撮影することが出来るという特徴があります。


情報収集衛星の寸法や性能などは、これまで明らかにされたことはなく、
今回打ち上げられた光学5号も同様でした。

ただ、搭載している電子光学センサーの分解能は、
地表を非常に細かく見ることが出来る性能を持っているようです。

その性能は、最大分解能30センチから40センチ。

これはアメリカの民間企業ディジタルグローブ社が運用する、
商業用の地球観測衛星“ワールドヴェブ3”に匹敵する数値なんですねー

情報収集衛星は、
1998年の北朝鮮によるテポドンの発射実験を契機に導入が決定。

光学衛星2機とレーダー衛星2機の4機を1セットとして、
運用することを目指して構築が始まりました。

この4機で1セット体制により、
地球上のある地点を、1日に最低1回撮影することが可能になります。

2003年3月に光学1号機とレーダー1号機が同時に打ち上げられたのですが、
同年11月の光学2号機とレーダー2号機が、ロケットの打ち上げ失敗で失われることに…

以来、打ち上げは2機同時ではなく、
実運用機に関しては1機ずつ打ち上げられることになり、
2006年に光学2号機が、2007年にはレーダー2号機が、
それぞれ改めて打ち上げられます。

でも、レーダー1号機と2号機は共に、
故障によって設計寿命より早く運用を終えたそうです。

その後、2009年に光学3号機が、また2011年に光学4号機とレーダー3号機、
そして2013年レーダー4号機が打ち上げられ、
当初の予定から約10年遅れで、ようやく4機体制が揃うことになりました。

これらの衛星は、
第1世代の光学、レーダーの1号、2号機よりも性能は向上しているそうです。

またこれら以外に、将来的に打ち上げられる衛星の技術実証機として、
2007年のレーダー2号機と一緒に“光学3号機実証衛星”が、
また2013年のレーダー4号機と一緒に“光学5号機実証衛星”が、
それぞれ打ち上げられています。

今回内地上げられた光学5号機には、
この光学5号機実証衛星の成果が、盛り込まれているはずなんですねー

現在運用されているのは光学3号機と光学4号機、レーダー3号機とレーダー4号機、
そして、光学5号機実証衛星、レーダー予備機の5機。
そこに今回打ち上げられた光学5号機が加わることになります。

ただ、光学3号機は設計寿命を越えた運用、
さらに、光学5号機実証衛星も近々設計寿命を越えるので、
どこまで運用が続けられるのかは微妙なようです。


H-IIAロケットは昨年10月の“ひまわり8号”の打ち上げから、
12月の“はやぶさ2”、2月の情報収集衛星レーダー予備機と、
約2か月おきという、H-IIAにとってはひじょうに短い間隔での打ち上げを続けています。

次のH-IIAの打ち上げ日時はまだ決まっていませんが、
2015年中にはカナダ テルスター社の通信衛星“テススター12V”と、
X線天文衛星“ASTRO-H”が打ち上げられるそうです。
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銀河中心ブラックホールが大量の物質を吹き飛ばしていた

2015年04月27日 | 宇宙 space
銀河中心の巨大質量ブラックホールからの強い放射圧が、
銀河スケールでの大量の物質流出を引き起こす原因だったことが、
23.5光年彼方の銀河を観測することで分かってきました。
おおぐま座の銀河“IRAS F11119+3257”

天の川銀河の比較的近くにある銀河の中には、
1年間に太陽1000個分もの質量のガスやチリを、銀河の中心から宇宙空間へ放出しているものがあります。

そして、この大量の物質放出が、
どうして起こっているのかは長年の謎だったんですねー

今回の研究では、
23.5億光年彼方の銀河にある“活動銀河核風”と“銀河スケールでの物質放出”を観測し、
物質流出が銀河核風により起こっていることを示しています。

研究対象になった“おおぐま座”の銀河“IRAS F11119+3257”は、
“活動銀河核”を持つこと、また活発に星を生み出していることが知られています。

“活動銀河核”とは、銀河の中心にある超大質量ブラックホールが、
周囲にある大量の物質を飲み込むことによって、
その近辺からX線や可視光などの強い電磁波を放つ天体です。
超大質量ブラックホールの周辺では、
重力で集められた物質同士の摩擦で高温となり、
強烈な電磁波が放射される。
その放射圧によって物質が押し出され、
周囲の物質とぶつかったところで、
活発な星形成活動が起こっていると考えられる。

放射圧とは、可視光やX線などの電磁波が物を押す圧力です。

この研究では、“活動銀河核”からの電磁波による強力な放射圧が、
銀河中心から物質を押し出す“活動銀河核風”をX線天文衛星“すざく”で観測。

また、ヨーロッパ宇宙機関の赤外線天文衛星“ハーシェル”では、
銀河スケールでの物質の流出を観測しています。

その結果、“活動銀河核風”のエネルギーは、
物質流出を起こすのに十分であることが分かったんですねー

1つの銀河で“活動銀河核風”と物質流出の両方が観測されたのは今回が初めて。
これらに関連性があるという証拠も、初めて示されることになります。


銀河スケールの物質流出は“活動銀河核風”ではなく、
活発な星形成活動によって起こるという仮説もあります。

でも、星形成活動だけではエネルギーが足りず、観測結果を説明できませんでした。

観測対象となった銀河は、
2つの銀河同士が衝突して、1つの銀河になろうとしている最中のようです。

銀河同士の衝突が引き金となって、中心の巨大ブラックホールへ大量の物質が送り込まれ、
ブラックホールが活発になって巨大なエネルギーが放射。
その結果として、銀河スケールの物質流出が起こっているのだと考えられています。

シミュレーションによれば、
このような銀河は、やがて中心付近のガスやチリが散逸。

そして、埋もれていた“活動銀河核”の光が輝きだす“クエーサー”に進化するそうですよ。
銀河中心部で星間物質に埋もれた“活動銀河核”が、
“クエーサー”として輝くまでの進化(イメージ図)。

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高速自転が引き起こす木星のオーロラ爆発

2015年04月26日 | 宇宙 space
惑星分光観測衛星“ひさき”による木星の“オーロラ爆発”の観測から、
この現象が、木星自身の高速回転によって引き起こされることが分かってきました。
惑星分光観測衛星“ひさき”(左下)と、ハッブル宇宙望遠鏡が、
木星のオーロラ(極域の青白いリング)の謎を解き明かした。

地球の1000倍以上という強い磁力を持つ木星では、
プラズマ化した衛星イオ由来のガスや、太陽風と木星磁気圏との相互作用によって、
オーロラが常時発生しています。

でも、オーロラの突発的増光、いわゆる“オーロラ爆発”は断片的にしか観測されておらず、
地球と同様に、太陽風が原因で“オーロラ爆発”が起こるのか、
それとも、木星自身が原因なのかは分かっていませんでした。

この研究では、惑星分光観測衛星“ひさき”で木星を長時間連続で観測。
太陽風が静かなときの木星の“オーロラ爆発”現象を、連続的にとらえることに成功しています。

これは、“オーロラ爆発”が、
「木星の磁力と高速自転(10時間周期)によって引き起こされる」
ことを示唆しているんですねー

さらに、ハッブル宇宙望遠鏡での詳細な観測から、
木星の“オーロラ爆発”は、木星磁気圏全体が急速に活性化することで起こる可能性が高いことも、分かったそうですよ。
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