ある星が、これまで見つかった星の中では最高の移動速度で、
天の川銀河を脱出しようとしています。
超高速度星は、これまでにも発見されているのですが、
その多くは、天の川銀河の中心にあるブラックホールの巨大な重力に弾かれるように、
銀河の外に向かって投げ飛ばされていました。
でも、今回観測対象となった星“US 708”は、そうではないようでした…
高速軌道に乗ったきっかけは、
超新星爆発とも呼ばれる、星の爆発の一種である“Ia型超新星爆発”なんだとか。
これは、強さ、明るさともに宇宙で最大級のエネルギーの炸裂なんですねー
“Ia型超新星爆発”が起こる理由は、まだ、はっきりしていないのですが、
超高速で疾走中の“US 708”が重要なヒントを与えてくれるのかもしれません。
超新星が、宇宙のはるか遠くからでも観測できるほど、激しい爆発になるのは何故なのか?
これについては、多くの天文学者が解明を目指していて
専門家の間では、この現象を白色矮星の爆発とみる考えが有力なんですねー
年老いた星が膨張して赤色巨星になり(太陽も約50億年後にはそうなると予想されている)、
外層を失うと白色矮星が残ることになります。
この白色矮星に、対をなす伴星からの物質が大量に降り注ぎ、
その量が限界に達すると、熱核爆発を起こすというのが1つの仮説。
また、2つの白色矮星が衝突して“Ia型超新星爆発”が起こるとも言われています。
そして2013年には、ある発見により第3の可能性が示されることに…
ヘリウムを大量に有する高温準矮星のすぐ近くを公転する白色矮星が見つかったんですねー
白色矮星にヘリウムが降り注げば、熱核反応は容易に起こり得るということです。
ヨーロッパ南天天文台では、
そのような星をとらえようと、高性能を誇るハワイのケック天文台を利用。
高速で移動する高温準矮星“US 708”に照準を合わせます。
その結果、移動速度が驚くほど速いことが判明。
さらに軌道を計算すると、
天の川銀河の中心にあるブラックホールから飛ばされてきた場合とは、
明らかに違う方向から来ていることが明らかになりました。
つまり“US 708”は、
“Ia型超新星爆発”によって飛ばされた可能性が大きいんですねー
さらなる証拠として、“US 708”は、ひじょうに早く自転していることがあります。
これは“US 708”が、かつてもう1つの星と対になり、
近い距離で連星として軌道運動していたことを示すもののようです。
“Ia型超新星爆発”はひじょうに明るいので、天文学では遠くの銀河までの距離を測ったり、
それらの銀河が地球から遠ざかる速度を算出したりするのに使われています。
1990年代末、この速度が変化していることが判明し、専門家らは衝撃を受けることになります。
宇宙の膨張速度は数10億年前より、いまの方が早くなっていて、
このことは、“反重力”効果を持つ未解明の“ダークエネルギー”の存在を示していたんですねー
“ダークエネルギー”の正体を突き止めるには、
宇宙の膨張が、どう変化しているのか正確に知る必要があります。
“Ia型超新星爆発”について、
正確な発生原因や、それにより放出されるエネルギーの大きさを含めた、
完全な解明ができれば、研究に大きく貢献することになるのかもしれません。
天の川銀河を脱出しようとしています。
超高速度星は、これまでにも発見されているのですが、
その多くは、天の川銀河の中心にあるブラックホールの巨大な重力に弾かれるように、
銀河の外に向かって投げ飛ばされていました。
でも、今回観測対象となった星“US 708”は、そうではないようでした…
高速軌道に乗ったきっかけは、
超新星爆発とも呼ばれる、星の爆発の一種である“Ia型超新星爆発”なんだとか。
これは、強さ、明るさともに宇宙で最大級のエネルギーの炸裂なんですねー
“Ia型超新星爆発”が起こる理由は、まだ、はっきりしていないのですが、
超高速で疾走中の“US 708”が重要なヒントを与えてくれるのかもしれません。
超新星が、宇宙のはるか遠くからでも観測できるほど、激しい爆発になるのは何故なのか?
これについては、多くの天文学者が解明を目指していて
専門家の間では、この現象を白色矮星の爆発とみる考えが有力なんですねー
年老いた星が膨張して赤色巨星になり(太陽も約50億年後にはそうなると予想されている)、
外層を失うと白色矮星が残ることになります。
この白色矮星に、対をなす伴星からの物質が大量に降り注ぎ、
その量が限界に達すると、熱核爆発を起こすというのが1つの仮説。
また、2つの白色矮星が衝突して“Ia型超新星爆発”が起こるとも言われています。
そして2013年には、ある発見により第3の可能性が示されることに…
ヘリウムを大量に有する高温準矮星のすぐ近くを公転する白色矮星が見つかったんですねー
白色矮星にヘリウムが降り注げば、熱核反応は容易に起こり得るということです。
ヨーロッパ南天天文台では、
そのような星をとらえようと、高性能を誇るハワイのケック天文台を利用。
高速で移動する高温準矮星“US 708”に照準を合わせます。
その結果、移動速度が驚くほど速いことが判明。
さらに軌道を計算すると、
天の川銀河の中心にあるブラックホールから飛ばされてきた場合とは、
明らかに違う方向から来ていることが明らかになりました。
つまり“US 708”は、
“Ia型超新星爆発”によって飛ばされた可能性が大きいんですねー
さらなる証拠として、“US 708”は、ひじょうに早く自転していることがあります。
これは“US 708”が、かつてもう1つの星と対になり、
近い距離で連星として軌道運動していたことを示すもののようです。
“Ia型超新星爆発”はひじょうに明るいので、天文学では遠くの銀河までの距離を測ったり、
それらの銀河が地球から遠ざかる速度を算出したりするのに使われています。
1990年代末、この速度が変化していることが判明し、専門家らは衝撃を受けることになります。
宇宙の膨張速度は数10億年前より、いまの方が早くなっていて、
このことは、“反重力”効果を持つ未解明の“ダークエネルギー”の存在を示していたんですねー
“ダークエネルギー”の正体を突き止めるには、
宇宙の膨張が、どう変化しているのか正確に知る必要があります。
“Ia型超新星爆発”について、
正確な発生原因や、それにより放出されるエネルギーの大きさを含めた、
完全な解明ができれば、研究に大きく貢献することになるのかもしれません。