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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

タイタンを流れる広大な河川

2012年12月23日 | 土星の探査
NASAの土星探査機“カッシーニ”が、衛星タイタンの地表を流れる広大な河川の詳細な姿をとらえました。

土星最大の衛星タイタンは、地球以外で唯一、地表に安定した液体が存在する天体なんですねー

地球では水の雨が降り、川となって海に流れ、蒸発してまた雨になるのですが、タイタンではエタンやメタンといった炭化水素が循環しています。

その様子は、2004年から土星探査を続けている“カッシーニ”と、その子機で2006年1月にタイタンに着陸した“ホイヘンス”の観測で明らかになってきています。

画像は、今年の9月に“カッシーニ”がレーダー観測でとらえた大規模な河川です。
タイタンの北極圏を400キロ以上にもわたって流れる川で、液体の炭化水素がLigeia Mareと呼ばれる海に流れ込んでいます。

もちろん、地球以外の天体でこれほど広大な河川が、詳細に観測できたのは今回がはじめてなんですねー
この川は、いくつかの短い支流があるのですが、おおむねまっすぐ流れているので、断層にそったものと考えられています。
また、同じ向きにこの海に流れ込む、同様の大きな川が他にもあるようです。

タイタンの岩盤に見られるこうした裂け目は、地球のような地殻運動によるものではないのですが、盆地につながったり、巨大な海を形成したりすることがあります。

こうした姿は、地球最長の川であるナイル川を思わせますよねー
ちなみに、本家ナイル川は、いくつかの箇所での断層など、複雑なプロセスで形成されていると見られています。