
土星最大の衛星タイタンは、地球以外で唯一、地表に安定した液体が存在する天体なんですねー
地球では水の雨が降り、川となって海に流れ、蒸発してまた雨になるのですが、タイタンではエタンやメタンといった炭化水素が循環しています。
その様子は、2004年から土星探査を続けている“カッシーニ”と、その子機で2006年1月にタイタンに着陸した“ホイヘンス”の観測で明らかになってきています。
画像は、今年の9月に“カッシーニ”がレーダー観測でとらえた大規模な河川です。
タイタンの北極圏を400キロ以上にもわたって流れる川で、液体の炭化水素がLigeia Mareと呼ばれる海に流れ込んでいます。
もちろん、地球以外の天体でこれほど広大な河川が、詳細に観測できたのは今回がはじめてなんですねー
この川は、いくつかの短い支流があるのですが、おおむねまっすぐ流れているので、断層にそったものと考えられています。
また、同じ向きにこの海に流れ込む、同様の大きな川が他にもあるようです。
タイタンの岩盤に見られるこうした裂け目は、地球のような地殻運動によるものではないのですが、盆地につながったり、巨大な海を形成したりすることがあります。
こうした姿は、地球最長の川であるナイル川を思わせますよねー
ちなみに、本家ナイル川は、いくつかの箇所での断層など、複雑なプロセスで形成されていると見られています。