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小惑星“ベスタ”に謎の溝状地形を発見 探査機“Dawn(ドーン)”

2012年12月18日 | 小惑星探査 ドーン
NASAの探査機“ドーン”が小惑星“ベスタ”のクレーターに、不思議な溝状地形を見つけました。
この溝状地形が、どのようにしてできたのか? っが謎なんですねー

NASAの探査機“ドーン”が、2011年9月からの約1年の間に撮影した観測画像。
この観測画像の初期解析が行われています。

その中から、比較的新しいクレーターに刻まれた溝状の地形が、研究者の目を引いているんですねー

その溝状地形には、2つのタイプが見られます。

1つは、フォンティアクレーターに見られるような、比較的短く太い直線状のものです。
これについては、「砂などの乾燥した物質が流れた跡」の典型的な見本で、“ベスタ”に存在しても不思議ではないんですねー





フォンティアクレーターに
見つかった直線の溝状地形
幅が広い直線で、比較的流れが短い




でも、コーネリアクレーターに見つかった、もう1つのタイプは意外な発見になりました。
曲がりくねった細長い溝状地形の多くが、クレーター斜面のV字型にへこんだ窪みから始まり、他の溝と合流しながら葉状の堆積地に達しているんですねー





コーネリアクレーターに
見つかった曲線の溝状地形
直線タイプに比べて、
長く曲がりくねっている



こうした地形は、直線状のタイプとは違うプロセスで形成されたはずで…
どうやって作られたのか? を探るため、地球や火星、その他の小天体で撮影された地形との照合が進められています。

アリゾナ隕石孔など、地球上で見られる同様の地形は、液体の水により形成されたものですが、火星の地形については、まだ議論が続いています。
なので、“ベスタ”についても、結論を出す前にこの地形を慎重に調べる必要があるんですねー

“ドーン”は、今年9月に“ベスタ”を離れ、現在は次の目標である準惑星“ケレス”に向かっています。
“ケレス”到着は2015年になるようですよ。