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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

小さな銀河の超大質量ブラックホール

2012年12月11日 | 宇宙 space
2億光年かなたの小さな銀河の中に、太陽170億個分もの超大質量ブラックホールが見つかりました。
この発見により、ブラックホールと銀河の進化の関連にいて、新たな理解が得られるかもしれないんですねー



ハッブル宇宙望遠鏡が
とらえた“NGC 1277”


太陽170億個分(誤差は30億個)という超大質量ブラックホールが見つかったのは、ペルセウス座方向の2億2000万光年かなたにある銀河“NGC 1277”です。








“NGC 1277”は
ペルセウス座銀河団の
銀河の1つ





天の川銀河の4分の1の直径しかない小さな銀河なんですがねー
その中心にあるブラックホールの質量は、銀河中心バルジ(丸いふくらみの部分)の59%を占めています。(銀河全体だと14%だとか)
これまで観測された70例ではおよそ0.1%なので、このブラックホールが銀河と比べて桁違いに重いことが分かります。

ブラックホールと銀河は、ともに成長するというのが従来の一般的な考えでした。
大量のガスが、新しい星を生み出すとともに、ブラックホールにも供給されます。

そして、ブラックホールがある程度大きくなると、ジェットが発生してガスを吹き飛ばし、ブラックホールの成長も銀河の成長も止まるというシナリオです。

でも、今回発見されたブラックホールは、大きすぎてこのシナリオに当てはまらないんですねー
どうやら大質量銀河のブラックホールとは、異なる物理過程で成長しているようです。

今回の研究で利用されたマクドナルド天文台では、これまでに約700個の銀河を調査しています。
今後も大質量銀河の調査を続けることで、ブラックホールと銀河の進化の関連性を探っていくそうです。