旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

東北復興への期待―PC連合学会東北ブロック支部設立

2011-08-28 19:57:32 | 学会活動

日本プライマリ-ケア連合学会の東北ブロック支部の設立総会があり、仙台に来ました。

東北大学の濃沼信夫教授が支部長になり、顧問を宮城県医師会長の伊東潤造先生が引き受けてくださいました。

祝辞とともに講演「東北復興への期待」をしました。

要旨は前半、学会のこの5年の歩みと若い医師への期待を述べました。2月20日の学会若手医師部会で臨床診断能力だけでなく、患者さんの心の問題に強くなることと、社会システムに精通し、政策的な医療を行える医師になってほしいと述べてました。

それを紹介した後、後半部分で医師不足の東北地方で、特に被災した沿岸部でどのような医療が必要かを話しました。

医療ニーズの的確な把握、特にプライマリ-ケア部分がどうだったかの検証が必要でしょう。病院依存、クスリ依存の医療になっていないかどうか。

専門医療技術集積型の中核的な病院の一層の充実を図ること。東北大学のマグネットホスピタルを3か所設置すべきという考え方に賛同します。それ以外はプライマリ-ケアに徹するべきで、中途半端な病院は認めないという政策を行政も、住民も理解すべきでしょう。

中核病院以外は外来診療、在宅医療、福祉・介護との連携を重視した地域協働型プライマリ-ケアを実現すべきです。

といっても、喪失体験で心痛む人々には、あたたかく接することが大切でしょう。ゆっくりでいいから、災害の意味をかみしめ、故人との対話をしつつ、自分の生きる意味を回復していく、喪の作業(グリーフワーク)やスピリチュアルなケアが求められています。

そして若い方々が仕事できるように工夫していくことが必要でしょう。

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午後は震災関連のシンポジウムがありました。最後まで参加して、先ほど北海道に戻りました。