2017年になり、そろそろ確定申告の時期になりました。
昨年から夫婦そろって消費税課税事業者となり、消費税の申告が必要です。
そのときの最大の難題だったのが、控除対象仕入税額を個別対応方式と一括比例配分方式のどちらで行うべか、ということでした。申告上は、申告者がどちらの方式でも選ぶことができるものの、一括比例配分方式を選択した場合には2年間以上継続してこの方式を採用しなくてはなりません。(参考:国税庁Web No.6401 仕入控除税額の計算方法 )
また、一括比例配分方式では、調整対象固定資産を購入した場合には、通算課税売上割合が大きく変動した場合、第3年度に仕入控除税額の調整が必要になります。
こういった条件を踏まえて、今後の仕入額や売り上げの予想を立て、最も節税となる、控除対象仕入税額の方式を決める必要があります。
【前提条件】
ただし、あまりに話を複雑にするとわかりにくいし本質がみえづらく、また実際的でもないため、以下の状況に限定します。
- 課税仕入税額の中で、課税売上および非課税売上に共通するものはなし。・・・条件①
- 1年目に調整対象固定資産を購入。2年目および3年目は購入しない。・・・条件②
【一括比例配分方式での各期の納税額】
- 第1年度:p*Rt_1 - k_1*C
- 第2年度:p*Rt_2
- 第3年度:p*Rt_3 - δ
上記より、上記3年度の合計の納税額は S_比例 = p*(Rt_1+Rt_2+Rt_3) - k_1*C - δ ・・・ ①
ここで、δは通算課税売上割合(k) が著しく変化(増加・減少)したときに仕入控除税額に加算・減算するための調整額です。
δ = (k - k_1)*C
「k が著しく変化する」とは、具体的には、
|k-k_1|/k_1 >= 0.5 & |k-k_1|>= 0.05 ・・・②
の場合です。つまり、第1年度の課税売上割合(k_1) が、3年間の課税売上割合(k)と同程度なら、この調整は不要ということです。式からも、k=k_1 ならδが0となることからも納得できますね。
(参考:国税庁Web No.6421 課税売上割合が著しく変動した時の調整 )
【個別対応方式での各期の納税額】
- 第1年度:p*Rt_1 - Ct
- 第2年度:p*Rt_2
- 第3年度:p*Rt_3
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