サイエンス好きな男の日記

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太陽光発電における利回りとIRRの違い

2014-03-23 07:16:25 | 太陽光発電

太陽光発電の販売業者では、よく利回りで収益性を評価していることが多いです。逆に、IRRを示している業者はかなり稀ですね。

本来ならば、購入資産が毎年棄損していくため、IRRで評価すべきとは思うのですが計算が少し面倒だし、そもそもIRRを理解している人も少ないので、利回りでの表記となってしまうのでしょう。

そこで、実際に、利回りとIRRとでどれほど数値に差が生じるのか計算してみました。

条件としては次の通りです。

  • 太陽光発電システム一式(税込):2400万円(土地代:250万円込み)・・・①
  • メンテナンス費(税込):21.6万円/年
  • 臨時的な維持費(税込)
    • 5年目:10.8万円(消耗品交換)
    • 10年目:64.8万円(パワコンオーバーホールおよび消耗品交換)
    • 15年目:10.8万円(消耗品交換)
    • 事業終了時:32.4万円(パネル撤去・破棄費用)
  • 消費税:8%
  • 売電単価(税抜):40円
  • 20年で事業終了
  • 20年後に買値と同じ250万円で土地売却
  • 償却資産税を考慮
  • 土地に対する固定資産税は考慮せず
  • 年間予想発電量:70,000 kWh
  • パネル効率の低下:毎年1%

上記をもとにシミュレーションを行うと、以下のようになります。

  • 初年度売電額(税込):3,024,000円・・・②
  • 売電総額(税込):54,734,400円・・・③
  • メンテナンスおよび臨時的な維持費の総額:5,508,000円・・・④
  • 償却資産税総額:1,825,234円・・・⑤
  • 実質的な売電収入(=③ - ④ - ⑤):47,401,166円・・・⑥
  • 累積収支:25,901,166円・・・⑦

上記より

  • 初年度表面利回り(= ②÷①) 12.6%
  • 表面利回り(= ③÷20÷①)    10.9%
  • 実質利回り(= ⑦÷20÷①)    : 9.9%

一方、IRRは毎年の実質的な収入から計算すると、IRR: 8.2%

利回りの計算方法の違いで3%弱、さらにIRRとの違いは1.7%~4.4%もの違いが生じます。

これだけの差が生じるので、収益性の判断には注意が必要ですね。

 

 

 

 

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