今年から事業所得・不動産所得による確定申告をするにあたって、記帳の仕方を指導してもらうため、税務署を訪問しました。
今回、担当いただいたのは、元税務調査を担当していた方でした。現在は内勤のため、税務調査をすることはないそうです。
相談の時間としては2時間くらいでしたが、その冒頭の4-50分くらいは太陽光発電の所得区分についてじっくりと話をしました。
税務署員いわく、「今回の相談はあくまでも記帳の仕方に関することであり、ここで太陽光発電を事業所得として記載する方法を指導したからと言って、太陽光発電が事業所得であることを税務署として正式に認めたわけではない。」と何度も念を押されました。
2か月くらい前に、同じ税務署で、今回とは異なる税務署員と話をしたときには、以前のブログにも書きましたが、この規模の太陽光発電は事業所得でしょ、という見解をいただいていたので、ちょっと「むむっ・・・」と思いましたが、まぁ(そういってくるかもね・・・)と内心思ってもいたわけですが。
その点について、税務署員に確認すると、「以前確認はされたんですね。ただ、その時はそういう見解だったとしても、数年後には判断が変わる可能性があるわけで。」
つまり、こういうことらしいです。
確定申告の申請はどのように申請しようと申告者の自由である。意図的に脱税目的で過少申告をするのはもちろんダメだが、きちんと主張できる根拠があればよい。今回の場合は太陽光発電が事業所得だといえる根拠があれば、事業所得として申告してもよい。最終的には、税務調査の対象となった時点で所得区分がどちらとなるか、申告者の状況を総合的に考慮し、税務署が判断する。もし、その内容に不服があれば、訴訟を起こして、裁判所にて最終判断を受けることもできる。
私の場合の太陽光発電は、49KW規模で野立て(土地を購入して、その上に設置する)タイプです。
元税務調査担当者ということで、どういった場合には事業所得として認められるのか聞きました。もし、サラリーマンではなく、これで生計を立てているのであればまず事業所得として問題ない。しかし、私のようなサラリーマンの場合、かつ、生計としてもサラリーマン給料がメインであること、太陽光発電に対する時間の制約などもほとんどないと、事業所得として判断するのは厳しいだろう、とのことでした。
ただ、現時点では、このような所得が事業所得なのか雑所得なのかを争った判例がなく、国税庁でも検討中の段階である。したがって、一概に事業所得ではない、とは言い切ることができない。したがって、今の段階では、主張できると思えば、事業所得として申請したらよい、ということでした。
これに対して、もし事業所得として申請後、数年後に税務調査を受けて、雑所得と判断された場合はどうなのか、を聞きました。
まず、税務調査はだいたい25年に1回程度の頻度であり、税務調査を受けたことがない、という人もいる。また、多い人でも3-5年に1回程度。もし、調査を受けた時点で修正申告となった場合には3年(悪質なら7年)までしかさかのぼらないので、それまでの申告内容をすべて修正する、ということにはならない。どういう人が対象となるかは、以前の税務署員の方も言っていましたが、売上金額が大きい、売上より経費が多い、というケースのようです。特に後者は意図的に経費を多く計上して脱税を図ったり、脱税とまではいかなくてもグレーな部分を利用して節税をしようと考える人をターゲットとするようです。
今回の太陽光発電の例でいれば、「グリーン投資減税により初年度に30%もしくは100%償却ができるわけで、これによって損益通算を行い、税金を安くしようと考える人がいる」と指摘がありました。それに対して、私は「これは政府が決めた優遇策であり、なんら問題はない。それに、それだけを目的に太陽光発電を行うわけではなく、あくまでも収益を得ることが目的である。」と言ったものの、「そうとは考えない、つまり税金を安くすることを目的とする人もいる。」と主張していました。
最後の議論は納得がいきませんでしたが、いずれにしても、事業所得として申告することは自由だし、指摘を受けたときに誠実に応対し、それでも税務署の判断が変わらなければ、その指示に従って修正申告するしかないですね。
http://matome.naver.jp/odai/2136600753558403301?&page=3
出力量50kW未満の場合であっても、次のような一定の管理を行っているときなどは、一般的に事業所得になると考えられます。
①土地の上に設備を設置した場合で当該設備の周囲にフェンス等を設置しているとき
②土地の上に設備を設置した場合で当該設備の周囲の除草や当該設備に係る除雪等を行っているとき
③建物の上に設備を設置した場合で当該設備に係る除雪等を行っているとき
④賃借した建物や土地の上に設備を設置したとき
このような指針がもっと早めに周知されていれば混乱も少なかったのでしょうね。