およそ1年ぶりに投稿します。
今後は築古戸建を中心に不動産投資をしようとは思っていますが、やはりまだ1棟物にも未練があります。
そこで、できるだけ定量的に、1棟物(特に木造アパート)と築古戸建てを比較して、どれほど収益性があるのかを調べようと思っています。もちろん、物件の状態は個々に異なるため、一概にいい悪いの判断ができないことは重々承知はしているのですが...
まず、その第一弾として市場に売りに出ている物件の利回りを調べてみました。
物件種別ごとの平均利回り
データは、2020/8/29時点の楽待(https://www.rakumachi.jp/)に収益物件として掲載されている、1棟アパート、1棟マンション、戸建賃貸であり、それぞれの物件数はおおよそ12,000件、7,600件、3,500件でした。
横軸は物件の利回り、縦軸は物件数です。横軸のビンの幅は1%です。たとえば、戸建賃貸の場合、利回りの範囲が5%以上6%未満の物件数、6%以上7%未満の物件数、… を示したグラフです。
なお、楽待では検索条件として利回り5%~20%では1%単位で指定できますが、5%以下あるいは20%以上については、件数がまとめて表示されます。そのため、上記グラフでは1%の範囲指定ができない領域については除外しています。
これを見ると、アパートもマンションも似たような分布で、およそピークは7%台であることがわかります。一方、戸建賃貸はあまり明確なピークは無いものの10-13%あたりが最も多いように見えます。
物件種別ごとに、どの利回りの物件が多いのかをもう少し明確にみるために、縦軸を物件数ではなく、物件の割合(=物件数/物件総数)としたのが下のグラフです。
これを見ると、戸建賃貸は10-13%あたりに2つのピークがあることがはっきりします。
具体的に、平均利回りを計算した結果、以下となりました。
アパート:8.7% マンション:7.7% 戸建賃貸:10.0% (平均を算出する対象物件の利回りは5%~19.9%に限定。また、例えば5-6%の場合は利回り5.5%として平均を算出)
アパートもマンションもピークはどちらも同じように見えますが、その平均は1%の違いがあります。これは、ピークを境に利回りが低い側はマンションが、利回りが高い側はアパートのほうが全体に占める割合がやや高いためですね。
(補足)今回、平均を算出する対象物件の利回りは5%~19.9%に限定していますが、仮に全体に広げると、かなり高利回りの物件に引きずられて平均利回りはわずかに増える傾向があり、特に戸建賃貸は築年数の古い高利回り物件が全体の4%を占めているため、平均利回りは少なくとも1%は増える見込みです。
築年数の違いによる平均利回り(アパートのみ)
次に、築年数で利回りにどれほどの違いが表示するのか、1棟アパートで調べました。
横軸は物件の利回り、縦軸はアパートの物件数。築年数ごとに表示しています。(築30年の物件は26年以上30年以下と30年以上でダブルカウントになってしまっています。)
おおよそ法定耐用年数以内であれば利回りのピークは7%台で、それ以降はやや高くなっています。
築30年以上の場合、20%でちょっと物件数が増えていますが、これは20%以上の物件をすべて20%としてカウントしているためです。(平均利回り算出時にはこのような物件は除外)
築年数ごとのアパートでの平均利回りは以下の通り。
新築よりも、築1-5年の物件のほうが利回りが0.5%ほど低くなっているのは興味深いです。築浅満室物件として、自分が買った時よりも高く売りたいという心理が働いているのかもしれません。あるいは、新築の利回りは業者が想定する期待利回りなので、実際に入居が決まった利回り(つまり、築1-5年物件の利回り)と乖離があるのかもしれません。
築10年ぐらいまでは利回りは7%ぐらいですが、その後は築5年ごとに0.7%ほど増加し、法定耐用年数を超えると利回りの増加ペースが緩やかになるように見えます。もちろん個別の物件ごとに状況は大きく異なるとは思いますが、今後収支シミュレーションを行う場合、売却額を算出する方法として収益還元法とするなら、その利回りとしては今回の結果を参考にしたいと思っています。
なお、全体の平均利回りは 8.7% です。
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