詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

シルエットが際立つ日

2015年08月06日 | 
梅雨から夏へ
夕方から夜へ
出掛ける

なんとかもっていた雨がパラパラし
パラパラと花火があがっている
傾いた空は低い
誰かを思うとすぐに雲にあたって落ちてくる
それでこんなにどんよりしているのか
歩くだけでどんどん暮れてくる

地面は濡れて
街道を走る車のライトで
色が変わる
ネオンテトラポット

角の家のくもりガラスに
人の形の影が一回転する
どんな諦めがその背中を押したのか
おばけじみた重さでかぶさってくる
顔ほどの大きさの葉が
風にそよいで投げかける気まぐれな分身
信号に停まった軽トラの運転手が
水筒を片手に薬を口に放りこんだ
青い路上で踊り続ける女の子
誰も気に留めない
誰も気に留めないことを気にも留めない

シルエットが際立つ日
一日の思いの中の大通りを
足長おじさんのように
立ち去った影があった
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