詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

想像上の問題

2021年05月03日 | 雑記
整理が苦手なタイプの典型で、想像上の問題に悩むことがよくある。
たとえば、小説を書いたこともないのに、「小説を書くにあたって難しいのは……」など考えたりする。
しかもそこで覚える困難というのが、プロットを考えるとか、登場人物の書き分け、などではなく、天気の描写なのだった。

季節によって、植物が変化することや、日の長さが違うことは、まあわかる。
でも本当に大事なのは、光や影のニュアンスの違い。それらにふいに気が付いて、いつのまにか受けている印象。呼び起こされる記憶や、ある事柄に関して突然進んだように思える理解。そのとき、どんなに鮮やかでも、雲のように、時が経つと跡形もなくなり、そんな感覚があったことさえ思い出せなくなる。まだ感覚の残っているうちに書き留めておくしかない。思えば、物として触ることのできない何かを、書くことができる、というのは不思議なことだ。

小説の中でたとえば、その日の天候のちょっとした具合で何かを感じたり、行動の契機としたり、といったことを書くためには、どの季節にどのような天気、空や光の変化があったか、ということがわかっていなくてはいけない。最近はスマホのカレンダー機能が非常に便利になっている。その日の空の、空気の、感触を日々書き留めて、カレンダーに結び付けておけばよいのではないか。そう思い至ってほっとした。

現実に抱えている問題は長いこと脇に放り出されたままなのに。
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