冬の夕方
2018年11月28日 | 詩
夕方六時の電車が進み
心の時計はとまっている
停まる駅ごとに人がほぐれ
夜の空気が忍びこむ
一日の枯葉があちこち
吹きだまりをつくる
ふっと息を吹きかけて
となりの人へ追いやると
口を開けて吸いこんで
夢の中へまで運ぶ
働き者もある
一定数を下回れば
ふいにばらばらのひとびとは
空気を分かち合い
たがいのゆるやかなむすびつきを
コートのように羽織っている
携帯を見つめ
空(くう)を見つめ
目を閉じて
家々が過ぎ
明かりが灯っていくのを
見ないことで思い出す
目を開けると
冬の匂いを貼り付けた顔
飛び込んできた
白い息が漏れる
靴が脱げそうだ
昨日も今日も
明日もあさっても
疲れた
とても疲れた
疲れた皮を脱ぐすべを知らない
からだのあちこち
きもちのあちこちが
先の割れた爪のようにひっかかる
せめてあの月にひっかかり
両岸の明かりを
黒く厚い腹の底に映している
あのまだらの川面を
いっしょに覗き込めたなら
心の時計はとまっている
停まる駅ごとに人がほぐれ
夜の空気が忍びこむ
一日の枯葉があちこち
吹きだまりをつくる
ふっと息を吹きかけて
となりの人へ追いやると
口を開けて吸いこんで
夢の中へまで運ぶ
働き者もある
一定数を下回れば
ふいにばらばらのひとびとは
空気を分かち合い
たがいのゆるやかなむすびつきを
コートのように羽織っている
携帯を見つめ
空(くう)を見つめ
目を閉じて
家々が過ぎ
明かりが灯っていくのを
見ないことで思い出す
目を開けると
冬の匂いを貼り付けた顔
飛び込んできた
白い息が漏れる
靴が脱げそうだ
昨日も今日も
明日もあさっても
疲れた
とても疲れた
疲れた皮を脱ぐすべを知らない
からだのあちこち
きもちのあちこちが
先の割れた爪のようにひっかかる
せめてあの月にひっかかり
両岸の明かりを
黒く厚い腹の底に映している
あのまだらの川面を
いっしょに覗き込めたなら
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