詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

JR

2018年08月19日 | メモ
山の手線に乗っていて、ふと顔をあげたら、向かいの電子車内広告に


わたしの月には華がある


と出ていた。

あれ?なんだろう。
ちょっとおもしろい、と思った。

おもしろいと思うとき、自分の中の何かが、ぐぐっと動かされる感触がある。

その何かとは、「言葉とは、こうきたら、こう続くはず」という自分の中の教科書的な感覚。というか思い込み?

大きく、ぐーっと動かれる、というよりも、重たい石(わたしの感覚)が、ぎゅっとした力で、ほんの少しだけ動かされるような感触。

それが微妙にずらされた上に、新しい世界がちらり、と見えたりすると、あ、いいな!と思う。

これが、たとえば新感覚の言葉だらけ、であろう詩集の中の一文だったなら、私はむしろ何も感じられなかったかもしれない。

そんな言葉に出会うとも思っていない当たり前の日常生活の中で、ふいに現れたものだから、
おやっ、きらっ、どきっ、としたのだと思う。


ほんとうは

「わたしの肌には華がある」

というコピーだった。

「肌」という漢字のつくりの部分が、つり革で見えなかったのだ。
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