詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

黄昏の街

2014年09月17日 | 
落ちていく太陽は
その激しい鋭角によって
街を広く鬼灯(ほおずき)色に染め
玄関灯を壁にくっきりと焼印したり
木々の枝葉をあいまいにぼかしてスケッチし
実物のほうは葉っぱの一枚一枚さえ
雛壇のように鮮やかに浮かびあがらせたりする

今日もこの街で
たくさんの形が生まれた
たくさんの線が横切り
たくさんの出会いたかったものたちがすれ違い
星座早見盤をくるりと回すようにして
地平線の向こう側へ帰っていく
そして狭い路地を曲がり続けて
壁によって守られていた私も
ついにまっすぐに射貫かれ
暗闇のほうへゆっくり倒れていく

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