窓の上の
2015年06月05日 | 詩
窓の上の
緑の横の
わたしの前の
触れそうで触れられない
かばんの中の
栞を挟んだ本の
空想に浮かぶ街の
遥かなのにすぐに辿り着ける
ひっそりと立つ木の
梢の先の
こぼれ落ちる太陽の
割れるような音
しずくを湛えて光る産毛の桃の
ずっしりとしたかたさとやわらかさ
(重力を知らない)
横切る猫の
瞳の中の
月の影の
のんきなすばしこさ
よろこびの上の
愚かさの後の
別れの前の
ことばを空しくするほどの歴史
果てしなさの中の
地球の上の
ひとりの夢の裏側の
おわらない欲望
窓の上の
緑の横の
あなたの前の
壊れそうで壊れない
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