時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

着々とアメリカ領植民地と化すウクライナ

2015-06-19 23:39:29 | ロシア・ウクライナ
アメリカ領植民地と化しているウクライナ(キエフ政権)の新情報。


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ウクライナ独立労働組合は、
「保安庁等の機関は組合を迫害している」と訴え、
ポロシェンコ大統領に対し事態の改善を求めた。




組合はこれまでに数度、キエフで抗議行動を行い、
2014年から2015年にかけてのインフレを考慮して
あらゆる社会給付の金額を是正するよう、また鉱山労働者らに賃金を支払うよう求めてきた。


そんな中、独立鉱山労働者組合のミハイル・ヴォルィネツ代表の
火曜の発言によれば、同氏は保安庁に呼び出され、尋問を受けたという。

氏はこれを、労働組合のリーダーらへの弾圧と見なしている。


ウクライナ自由労働組合協会のサイトに出された声明には次のようにある。


「ウクライナ憲法の擁護者たるウクライナ大統領は、
 保安庁等による干渉というこの反憲法的行動を即時停止させるべきだ」。


こうしたことからも、ウクライナの経済状況がいかに深刻であるかが推察される。

ウクライナは、IMFからの次なる融資も受け取れない可能性がある。

IMFの新融資プログラムはウクライナに175億ドルの借款を供与することを予定している。
その他の国際機関からの融資を合わせると、4年間の融資総額は400億ドルに上る。
しかし、IMFから融資を受ける条件として、ウクライナは経済改革を行わなければならない。

具体的には、国民のガス代を引き上げ、
銀行部門を再編し、国営企業の経営改革を行うことが検討されている。

国民は社会給付の減額を痛手に感じるようになっており、
かつて優遇を受けていた企業も、予算の制約に苦しめられている。


こうした不満を、保安庁は抑え込みにかかっている。


専門家筋は以前から、
「ウクライナ経済を欧州標準に無理に合わせようとすると、産業や社会が壊滅する」
と予言していた。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/business/20150618/471141.html#ixzz3dWFEUkE4
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これまでの情報を集めると、政治・経済・軍事すべての面において、
アメリカおよび代理機関の言うがままにウクライナが改造されている。


本来、援助というものは援助を受ける国が主体者となるべきだが、
現実は操り人形となり、大国の望むままに社会が変えられていく。被害者は民衆だ。


日本も他人事ではないだろう。前回の横須賀基地の件といい、
沖縄の基地といい、TPPといい、ますますアメリカの犬に成り下がっている。

拡大するアメリカの軍拡(横須賀米軍基地にミサイル巡洋艦常駐)

2015-06-19 23:02:15 | 軍拡
米国海軍のミサイル巡洋艦
チャンセラーズビルが米軍横須賀基地に到着した。



以後常駐する。


同巡洋艦は多目的追跡・照準システム「イージス」を搭載している。

日本へは2017年までにさらに2隻、同種の軍艦が配備され、MDを構成する。



横須賀基地司令部によれば、
イージス・システム搭載艦3隻の追加配備は、中国・北朝鮮抑止のための、
米国政府の進めるいわゆる「アジア太平洋地域回帰」戦略の一環をなすものである。



今秋、日本に原子力空母ロナルド・レーガンが送り込まれる。


この空母をリーダーにして、横須賀エリアには合計14隻の米国艦が展開することになる。

横須賀基地に、
第二次世界大戦終結以来
最強の船団が出現するわけである。



チャンセラーズビル巡洋艦は長さ172m、定員は350人。
トマホークやハープーンなど、様々なタイプのミサイル、
さらには速射砲、魚雷、対艦ヘリ2機を搭載する。


空母グループの一員として機能するもので、
対空・対ミサイル複合作戦を遂行し、水上・水中の標的を撃滅することが出来る。

これほど強力な船が米国の国外に配備されることは初めて。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20150618/469875.html#ixzz3dW5sPlWI

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日本列島と言う名の不沈空母とはよく言ったものだが、
アメリカが沖縄のみならず、日本そのものを改造していくような無気味なさを感じる。


安倍が集団的自衛権を正当化させるときに語った言葉が
「北朝鮮・中国の脅威への対抗」。アメリカの言い分とそっくり。


史上最大の親米政権である今、日本基地化計画が着実に進んでいる。
そういう気がする。

チャールストンの黒人殺害事件

2015-06-19 22:31:37 | 国際政治
米国サウスカロライナ州チャールストンで銃の乱射事件があった。
現場は非常に古い教会で、その教会の信者は主に黒人だった。
犯人は白人男性で、まだ捕まっていない。死者は9人に上っている。市の警察が発表した。

8人がその場で即死、2人が病院に搬送され、うちの1人が怪我により死亡した。


犯行動機

市の警察署長グレゴリー・マレン氏によれば、
チャールストンの大量殺人は(民族的または宗教的)憎悪を動機としたものである。

上院議員も犠牲に

サウスカロライナ選出上院議員で現地の教区長だったクレメント・ピンキン牧師も死亡した。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/us/20150618/470741.html#ixzz3dW2CNrUt
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今しがた、犯人が捕まったらしい。
何でも、アパルトヘイト時代の南アフリカ共和国のバッジをつけていたとか。


結局、オバマが当選した当時、日本では知識人も含めてのオバマ旋風、
白人と黒人の和解の時代が来たかのように騒ぎ立てたあのお祭りは何だったのだろう?


というと、自分が無罪であるかのように聞こえるので、あえて言うが、
私も、このお祭りに参加してみこしを担いだ一人である。


この頃の自分は、いわゆる親米派だった。アメリカの人種主義を舐めていた。
ブラック・ヒストリーである。


白人警官が黒人の少年を射殺したことから
アメリカでの人種差別がよく報道されるようになった。

だが、思うに、この手の事件は以前からあったのではないだろうか?
どうも、私たちは、アメリカの実態を意図的に見ようとしてこなかった。
そう思えてならない。

左翼と右翼の和解を望む者へ

2015-06-19 22:27:58 | 浅学なる道(コラム)
パク・ユハは言うまでもなく、国内では北大の玄武岩など、
最近、右と左の枠を超えて、日本と韓国の和解を目指そうとする動きがある。


彼らの言葉で一番気になるのが、日本と韓国の対立を嫌韓と反日の対立とみなすことだ。
日本の嫌韓は確かに史実改ざん、人種差別を含んだヘイト・クライムだが、

別に韓国は日本人そのものを見下すように教育はしていないし、
歴史問題にしても、慰安婦制度を主とする日本の植民地支配を認めろというものだ。
日本のような平然とウソをついたり責任を逃れようとする態度とは質そのものが違う。


実際、韓国の留学生を相手にしても、彼らが怒っているのは日本政府や
右翼の態度であり、日本人そのものに対してキレているわけではない。当然の話だ。



私だって、アメリカ政府の植民地主義には憮然としているが、
それはアメリカ人そのものへの蔑視にはならない。

むしろ、アメリカの知識人は日本と違い、画期的な意見、
傾聴に値する意見を多々発言している。最近は洋書や翻訳書ばかり読むようになった。


政府を批判することと、民族を差別することとは別問題である。


韓国の反日とは、あくまでも日本政府や政府よりの人間に対する批判だが、
日本の嫌韓は、朝鮮民族そのものへ対する人種差別であり、同類のものではない。


ところが、一部の知識人は、なぜか同レベルの行為とした上で、
どっちもどっち論を展開する。それは誰にとって役立つか?言うまでもない。



加えて、和解論者は、日本政府の現在の言動に対する非難はあまりしない。
いわゆる反日論者は、まさに日本政府の今の対応に異議を唱えているにも関わらずだ。


和解論者は、まるで日本政府が誠実に対応しようとしているかのように語る。
だが、これは本当だろうか?次の記事を読んでみよう。


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日本 元韓国人強制労働者に199円支給、韓国「ばかにしている」


韓国の市民団体「勤労挺身隊ハルモニ(おばあさん)
とともにする市民の集まり」はこのほど、第2次世界大戦中に
三菱重工業の軍需工場で働いた元朝鮮女子勤労挺身隊の韓国人女性3人が
日本政府に厚生年金脱退手当金の支払いを求めたことに対し、
日本政府が関係機関を通じ1人当たり199円を支払ったことを明らかにした。




中国新聞網が韓国メディアの24日の報道を引用して報じた。



日本側は強制連行した労働者に対し、
帰国時に厚生年金の脱退手当金を支給することになっているが、
多くの韓国人労働者は受け取っていない。




1944年当時、日本で強制労働させられたキム・ジェリムさん(84)、
ヤン・ヨンスさん(85)、シム・ソンエさん(84)、故オ・ギルエさんの弟(78)
の4人は昨年11月、日本政府を相手に厚生年金脱退手当金の支払いを求めた。



日本政府は、キムさん、ヤンさん、シムさんの3人は
一定期間厚生年金への加入が認められるとして1人当たり199円を支払ったものの、
オさんの遺族に対しては、オさんが加入期間の6カ月を満たしていないとして支払わなかった。


199円は、日本政府が当時の給与基準を基に算出した額だ。



これに対して、同団体は、2009年に元労働者に支払われた金額は99円だったのに対し、
今回は199円だったことは日本側に補償に関する明確な基準がないことの表れだと非難。



3人は2年近く強制労働させられ、今もなお苦痛が消えていないとして、
日本政府と三菱重工に被害者への謝罪を求めている。




1998年、戦時に強制徴用された韓国の元労働者8人は日本政府に、
厚生年金脱退手当金の支給を求めた。2009年9月に申請資格が認められた7人に、
1人当たり99円が支払われ、韓国国民の憤りを買った。
(編集KN)

「人民網日本語版」2015年2月25日
http://j.people.com.cn//n/2015/0225/c94475-8853653.html
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強制連行の被害者に支払われた金額が
99円、あるいは199円。

なんとも非道い話ではないか。



同じことをアメリカ政府にやられたら、
私たち日本人は笑って済ませられるだろうか?


反日に走らせる最大の原因は、過去に何をやったかではなく、
今、日本政府が何をしているかによるものだ。



歴史問題にしても、過去に行ったことではなく、
過去に行ったことを忘れようとする今の行為を批判しているのである。


この辺の理解がいまいち、和解論者にはないようで、
玄武岩に至っては韓国は被害者としての優越感に浸っているようだ(すごい言葉!)。



問題は、この手の和解論者の言葉が
岩波書店や朝日新聞社などによって拡散されていることだろう。


日本の右傾化は左翼の右傾化。ゆめゆめ忘れてはならないことである。

「沖縄の皆様の負担軽減」という言葉

2015-06-19 22:05:17 | 日本政治
安倍をはじめとした中央政府は、何かと
「沖縄の皆様には、負担を軽減させることに全力を挙げることを
 ご理解して頂きたく」と述べるが、よく考えると、おかしな言葉である。


反対者は政府のやり方を理解した上で反対しているわけで、
誤解しているのだと言わんばかりの態度には正直、辟易してしまう。


実際、中央政府がやってることを具体的に示してみよう。


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米空軍が、米バーモント州空軍所属のF16戦闘機10機と
兵員150人を米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に暫定配備する問題で、

日本共産党沖縄県委員会は17日、沖縄防衛局を訪れ、
外来機の飛行停止と米軍基地の撤去を申し入れました。


嘉陽宗儀、玉城ノブ子両県議、池原秀明沖縄市議、
田仲康栄嘉手納町議、真栄里保・党県基地対策委員会責任者が参加。


申し入れでは、昨年1月に
米バージニア州ラングレー基地所属の
最新鋭のステルス戦闘機F22が配備されたほか、
外来機の飛来が恒常的に続いていると指摘し、飛来の中止を求めました。



防衛局は
「F16の配備は安全保障と抑止力維持のため。中止を申し入れることは困難」と回答。


嘉陽県議は
抑止力維持のためなら沖縄県民が犠牲になってもいいのか。
口では負担軽減というが、そうなっていない。
負担を軽減するならば、
外来機の飛来を増やすなと米軍にものを言うべきだ

と厳しく抗議しました。



また、強盗や飲酒運転など米兵による犯罪が相次いでいることにも抗議し、
事件・事故の被害者への補償や、米兵の基地外飲酒と深夜外出の原則禁止、
事故根絶のための米軍基地撤去などを申し入れました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-18/2015061815_01_1.html
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実際には負担は増している。


沖縄ほど、植民地主義が色濃く残っている場所はあるまい。
そもそも、南国は得てして列強の植民地支配の被害になってきた。


ハワイが典型的で、白人の入植者らによって、
カメハメハ大王が統治したハワイ王朝は滅ぼされてしまった。


軍事基地はハワイに今でもあるし、戦時には元々
アメリカとは無縁の島が、日本の戦闘機によって攻撃を受けることになった。


今でこそリゾートとして賑わっているハワイだが、
元はプランテーション農業(サトウキビ)の地として
移民を酷使していた歴史がある(日系アメリカ人も例外ではない)。


観光地のイメージを全面的に押し出すために、
過去の凄惨な歴史が伝わりきれていない……というより巧妙に隠蔽されているのは、
沖縄、ハワイ、済州島と変わりは無い。最近、軍艦島を世界遺産として
日本のイメージ・アップに利用しようとする動きがあるが、これは愚の骨頂だろう。


歴史を観光で消去しようとする政策を取る限り、
日本のイメージは下がることはあれど、上がることはあるまい。

派遣法改正案、衆院通過

2015-06-19 21:46:35 | 日本政治
NHKは完全に国営テレビになってしまったな……と感じてしまった。

いや、NHKがろくでもないメディアなのは結構言ってきたつもりだが、
それでも、まさか派遣法改正案を「正社員への道を後押しする」ものだと
説明するとは思っていなかった。凄すぎるぞ、NHK。



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(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015061902000244.html?ref=rank)

働く人を交代させれば企業が派遣労働者を使い続けられる
労働者派遣法改正案は十九日午前、衆院厚生労働委員会で採決され、
自民、公明両党の賛成多数で可決された。

民主、維新、共産の三党は反対した。
与党は同日午後の衆院本会議に緊急上程して衆院通過させ、参院に送る方針。
政府・与党は今国会中に成立させ、九月一日施行を目指す。



◆専門職に「3年後辞めて」

十九日の衆院厚生労働委員会を傍聴した都内の派遣社員の女性(56)は
「三年後には辞めてもらうと言われている。一人一人の生活がかかっていることを、
 賛成した議員はどう考えているのか」と話し、泣き崩れた。


この女性は専門業務で十五年同じ職場で働いているが、改正案では、
現在は派遣期間制限がない専門業務の人も、同じ職場で最長三年しか働けなくなる。




傍聴席には法案に反対の派遣労働者や弁護士、労働組合関係者らが詰め掛け、
民主、共産両党の反対討論の後、改正案が賛成多数で可決されると
「派遣労働者のためになる法案ではない」と口々に話した。


「雇用が途切れないよう派遣先企業や他の企業で働けるようにする」。

安倍晋三首相は、改正案に盛り込んだ派遣労働者の雇用安定措置の
意義を繰り返し強調したが、野党からは「実効性がない」などと批判の声が上がった。

委員会室は時折、与野党議員の大声のやじに包まれた。

(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015061902000244.html?ref=rank)
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今回の派遣規制改正案の何が問題かと言うと、
これは結局のところ、派遣社員を増やし正社員を減らすことになるということだ。



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実際に最長派遣期間の上限規制を撤廃したドイツの例を見れば明らかだろう。

『労働者派遣法の研究』(高橋賢司/中央経済社)によれば、
ドイツは2002年に最長派遣期間の上限規制を撤廃している。


こうしたドイツの労働市場の規制緩和の動きを日本は見習っているとされるが、
その先に広がった光景は派遣社員が急増し、
「賃金ダンピング」が横行する奴隷地獄だったという。


冒頭に紹介した「私は奴隷同然だと感じた」という
ホームレスになった女性の証言はドイツの労働者の声だ。


まずは、派遣社員の急増。上限規制撤廃直後の
2004年に38万5256人だった派遣社員は、2011年に87万2000人に倍増した。



正社員が次々と派遣社員に切り替えられたのだ。




代表的な事件がシュレッカー事件だ。

「薬のディスカウント・ショップ・シュレッカー社は、
 労働者を解雇し、多くの支社を閉鎖し、MENIARという派遣企業を通じて、
 新たに開業した支社へ同労働者を派遣させた。(略)

 当該労働者の賃金は以前シュレッカー社で雇用されていたときより低く定められ、
 賃金ダンピングだと同社は非難を受けた」(同書より)


シュレッカー社が閉鎖した約4000の支社(小規模店舗)で雇用されていた
約4300人は解雇され、新しい支社(大型店舗)で働くためには、
派遣企業MENIAR社との間での労働契約を締結することを迫られたのだ。


賃金はそれまでの約半分になり、
それまでにあったクリスマス手当も有給休暇手当もなくなった。



回転扉の一方の側からいったん外へ出し、
ぐるりと回る扉の他方の側から中に入れたならば(正社員ではなく派遣社員にすることで)、
それまでとは別の扱いができるようになる現象をドイツでは「回転ドア作用」と呼ぶそうだが、
このシュレッカー社の「回転ドア作用」と賃金ダンピングは大いに問題視された。




派遣社員にとっては無期限に続く低賃金という悪夢のような雇用環境だが、
ドイツでは幸いなことに、2011年に「回転ドア作用」を制限し、
労働者派遣は「一時的」なものとすると定義づけるなど再規制の道を選ぶことになる。

http://lite-ra.com/2015/05/post-1134_2.html
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こういうニュースを見るたびに、私は民主主義の怖さを知る。
真の独裁は民主主義の中から誕生する。


多数決原理に基づく以上、議席の過半数を超えさえすれば、
問答無用で、今回のような強行採決が取れる。


形式手には国家と独立した機関でも、
自発的に協力することで、事実上のプロパガンダ機関に成り下がってしまう。


デモクラシーは魔法の杖ではない。
デメリットを熟知し、上手に使わなければいけないものなのだ。


民主的に労働者を苦しめる法案が決まりそうになる今、
私たち(というか研究者や知識人)はデモクラシーの限界を強く意識するべきだろう。

天皇の平和利用

2015-06-19 20:30:26 | 浅学なる道(コラム)
原子力の平和利用というフレーズがある。
50年代を契機に始まった原子力のプラスイメージの宣伝を批判する言葉で、
日米の指導層が日本を核のエネルギー利用の実験台にするためにプロパガンダを展開した。
(もちろん、手下である日本政府が直接の指揮をとった)

ノーモア原爆、イエス原発というわけだ。


http://roodevil.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E8%A6
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山本太郎の直訴しかり、左派にも右派にも最近見られるのが、
平成天皇をダシにして、非戦・反戦を主張する動きだ。


「天皇陛下も反戦だ!だからオレが正しい!」というわけである。


しかし、天皇と言うのは、そこまで発言権に自由があるのだろうか?


私の知る限り、天皇夫妻の行動には、かなり制限がある。

基本的に彼らは各地を行幸したり、式典に出席したりして、
ねぎらいの言葉をかけているが、そういうフォーマルな場で
物騒な言葉を言わないのは、当たり前と言えば当たり前のことだろう。


ここで私が気にしているのは、天皇が反戦主義者だろうと好戦主義者だろうと
私たちの耳に届いてくるのは、平和を望む言葉だということだ。


加えて、皇族は戦争を主導したという肝心要の事実があるわけで、
かつての皇族とは違うと主張するためにも、反戦の立場を取るのは当然。


そういう意味では、意地の悪い言い方だが、
天皇の反戦論は、CMや歌の歌詞でよくある平和が一番、愛が世界を救うといった
婉曲的に言えば抽象的、ストレートに言えば実体のない平和論の枠を出ていない。



確かに皇族は得てして平和論者だが、それは、そこから一歩踏み込んで
具体的な問題、つまり皇族の戦争責任を問われることを回避するためにある。


一貫して平和論者として立つことで、皇族の戦争責任は免責されているのである。

これは私の独自の意見ではなく、多くの戦後史研究家が認めることだろう。
(いーや、違うぞ!という人も中にはいるかもしれないが)


日本がいつまで経っても戦争責任を直視しようとしないのも、
この問題について本格的に責任を取ろうとすると、皇族の責任が浮上するからだ。


そういうわけで、天皇の平和論というのは、
それは本人の意思だろうとなかろうと公的立場から発したものであり、
それも、つぶさに見ると皇族の責任を訴追させないために言わされているものだと言える。
(もちろん、言わせているのは取り巻きの宮内庁であろう)


平成になってしばらく経ち、急に天皇制批判が消えたのも、
昭和天皇が死去したこと、平成天皇には直接の責任がないこと、
これまでの反対運動者が高齢で亡くなっていること等々が原因として挙げられるが、
現在の平成天皇の平和行幸もまた、大きなポイントになっていることだろう。


天皇=平和のシンボルにすることで、天皇制そのものの問題点、つまり、
皇族の権威を利用して右翼が権力を振舞う現実への批判がしづらくなっている。


君が代や日の丸への批判は一応、できることはできるが、
私も学校で君が代に反対する音楽教師を見てもポカンとして見ていたし、
歌わされる生徒自身が天皇=平和のシンボルという認識を抱いているならば、
天皇を称える歌を歌ってくださいと言われても「うん、いいよ」と頷くだろう。


君が代斉唱の問題点は理屈としては指摘できても、
感覚的な面では歌わされる民衆が斉唱を受容している以上、
歌うのは問題だと言われてもピンと来ないのが実情だろう。それが不味いと思う。


理屈ではなく、感覚で受容させる戦術。
これこそプロパガンダの真髄だが、天皇の平和行幸は、
宮内庁を主とした日本政府が70年続けている最も巧妙な政治プロパガンダであり、
これを批判するならいざ知らず、賞賛するのは本質が見えていないと感じてならない。

ネトウヨは論外という風潮に対して(右翼のネトウヨ批判について)

2015-06-18 00:48:59 | 浅学なる道(コラム)
最近、安田浩一らが書いている反ヘイト本について、

①ヘイト・スピーチに反対するだけなら極右ですらしている
②主流右翼および出版社の責任について言及していない
③主流左翼も含むメディアの北朝鮮バッシングが差別を助長したことを度外視している

と、一見良さそうに見えて、その実、問題点があると指摘した。


一言で言えば、これは爆弾売りが自爆テロを非難するようなもの
空爆を是認する人間が自爆テロを非難するようなもので、
爆弾を売っているお前の行動はどうなんだよ
自爆はダメでも空から落とすのは良いのかよという話に繋がってくる。


特に極右の櫻井よし子のヘイト・スピーチ批判は、
ところどころ他国へ対する蔑視に満ちた表現をしており、在特会と差が無い。
有田芳生や辛淑玉の北朝鮮バッシングも同様のものである。


つまり、現在、ヘイト・スピーチの反対者を名乗り自分を宣伝している連中は、
その実、自分が彼らと大差ない人間であること、より詳しく言えば、
自分たちが彼らを焚きつけた張本人であることを巧妙に隠蔽している。

「向こうはヘイト・スピーチだが、オレは違う」と責任逃れをしているに過ぎない。




これと同じ現象がネット右翼(ネトウヨ)への批判に関しても言える。


例えば、近年、小林よしのり山野車輪がネトウヨ批判をしているのだが、
冷静に考えて、慰安婦は偽者だー、日本は正しかったんだーという意見を
ネトウヨが誕生する以前から主張し続けてきたのは、この2人ではなかったか?


私は『戦争論』も『嫌韓流』も読んだことがあるが、
そこで描かれる内容は、はっきり言って今のネトウヨが主張しているものと同じである。



まぁ、それは当然のことだ。ネトウヨの情報は元を辿れば、
小林や山野、櫻井などの極右が書いた本に行き着くのである。



実際、私の同級生や先輩の中にも、小林や山野の本を読み、
よく『勉強』し、誇りある日本人(笑)に目覚めた人間が結構いるが、


彼らの特徴は、非常に攻撃的、権力志向等々の
ネトウヨの特徴としてとりあえず頭に浮かぶ要素を余すところなく取り揃えていた。
恐らく、彼らも2ちゃんねるなどで差別的な発言を嬉々として行っていたと思う。



何が言いたいかというと、右翼のネトウヨ批判というのは、
強盗がテロリストを非難するようなものだということだ。



オレは、こいつらとは違う!=オレは犯罪者じゃない!
と必死にアピールしているが、どんぐりの背比べである。




櫻井たちがネトウヨやヘイト団体を非難するのも、
自分たちは「保守」だから正義、連中は「ネトウヨ」だから悪というものだ。



実際、彼らの意見を読むと、例えば、小林は「ネトウヨのデモは左翼のデモと同質」、
山野は保守が「劣化」していると言う風に「保守」自体は正常だという立場を取っている。


決して彼らが改心したわけではない。




ネットでも、オレはネトウヨじゃない!と
アピールをしながら思いっきり右翼的発言をしている人間をよく見かける。


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わたしの頭の片隅で突然理解されてしまったのは、
「慰安婦」の問題が、どういうわけでアメリカで
‘ウケル’のかということへの一つの回答だった。


戦前、戦中の日本で、朝鮮人に対する差別がひどかったことはとっくに知られている。
関東大震災のときは、朝鮮人の暴動があるというデマがもとで、
多くの朝鮮人が殺されている。ところが、そういう事実は、大して‘ウケない’。



慰安婦問題については、謝罪のしかたが官僚的だったにせよ、謝罪もしているのだし、
しかも、70年も前のことで、多くの日本人はそれについて何も知らなかったのが現状だし、
その後、世界の各地でくり返された残虐行為、また、今も進行中の人権侵害を差し置いて、
どうしても,それに抗議しなければならないという彼らのパッションの源は、
つまり、この問題が、18世紀ロマン主義の王道にぴったりとはまっているからなのだった。


慰安婦のイメージは、彼らの中では、マグダラのマリアであり、聖アガタであり、
「レミゼラブル」で「夢やぶれて」を歌うアン・ハサウェイなのだ。


そこで、日本人に割り振られている役どころを考えると気絶しそうだ。


「慰安婦」を上書きするこの圧倒的なイメージを前では、
慰安婦の史実など、もし眼前に突きつけられても幻のようなものである。



つまり、この問題を非難することは、非難する彼ら自身にとっての‘慰安’なのだ。
安心して人を非難できる、これほどの快楽がまたとあろうか。


いま、わたしたち日本人は、ユダヤ人という標的を奪われて以来、
キリスト教徒がようやくありついた、安心して差別できるおいしい餌なのである。


慰安婦の存在自体は誰も争っていない(ネトウヨは論外)。

問題にしているのは、それをめぐるプロパガンダなのだが、
プロパガンダに抗議することは,協力することと同義なので、
もはや、この問題に対処する術もない。


七十年前のそのころ、日本人が朝鮮人に対して行った差別行為の数々は、
許されるものではない。しかし、当事者でもないわたしたちの世代が、
それをプロパガンダに利用することは、それと同じ質の差別行為なのである。

http://d.hatena.ne.jp/knockeye/20130818
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上の文章では、慰安婦制度に関する日本政府の法的責任を求める運動を
差別行為と称して直視しようとしない一方で、「ネトウヨは論外」と述べている。


だが、彼の意見(70年前の事件を掘り返すな!今の日本人に関係無い!)は
ネトウヨがしょっちゅう述べているものである。


大体、アメリカの運動団体は日本人一人ひとりに贖罪を求めているわけではない。
単に、日本政府を対象にしかるべき賠償を求めているだけだ。


この筆者の理屈だと、原爆投下について、
未だに後遺症に苦しむ被爆者が生きていたとしても、
70年も前に起きた昔の事件として処理しなくてはならないし、
このジェノサイドについてアメリカ政府を批判するだけで、
アメリカ人に対する差別行為をしていることになってしまう。


原爆ドームは反米プロパガンダ施設ということになってしまうだろう。

そんな馬鹿な話があるかという話だが、
これを大真面目に語るのが、自称「僕、ネトウヨではありません」マンだ。


これはオレはテロリストじゃないと言いながら、
駅を爆破しているようなもので、傍から見れば非常にアホくさい




どうも彼らの言い分を聞くと、「自分はネットで差別発言を書き込んでいないから」
等々の細かな違いを挙げてネトウヨではないことにしたいらしい。


しかし、これは学校を爆破した人間が
市庁舎を爆破しなかったことを理由に
自分はテロリストじゃないと言い張っているようなものだ。




要するに、右翼のネトウヨ批判というのは、
ネトウヨを批判する⇒自分はネトウヨではない⇒自分は正しい
⇒だから自分の意見を否定することこそ差別行為なのだ!

という非常に屈折した自己の差別行為正当化を行っているのである。


この種の言い逃れをしながら、遠くから爆弾をポイポイ投げる行為は、
ある意味、いわゆるネトウヨ集団よりも性質が悪い。


小林や櫻井、そしてネットのこの手の手合いには
ネット右翼は悪だが、ネットじゃない右翼は正しいという見解を共通して持っている。



だが、それは詭弁だ。
ネットであろうとなかろうと右翼は右翼なのである。

酒鬼薔薇聖斗の手記について2

2015-06-16 22:01:42 | 浅学なる道(コラム)
案の定、メディアは、この本をボロクソに叩いているようで・・・

この手記が良い本ではないことは確かだが、
何と言うか、泥棒が痴漢を叱っているような感じ(汗



他にも気になるのは、実名を明かせと要求する声があったこと。


凶悪事件の犯人が実名を明かすことは、社会的抹殺に近い行為だ。

まず、今の職場で働くことは無理だろう。
かといて、再就職が可能かと言えば、これも大変厳しい。

不動産屋から住宅を借りる際にも何らかの差別を受ける可能性は高い。
小さな共同体なら、村八分にあうことだって考えられる。


つまり、実名を明かせというメディアの声は、
「お前をホームレスにして見せるぞ」という決意表明に他ならない。



では、そこまで偉そうに語っているメディアはどうなのか?
実名の告白を要求する小倉智昭は、次のようなことをしている。



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14日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)で、
小倉智昭氏が支援を請う外国人選手を厳しく批判する一幕があった。


番組の「小倉が斬るニュース」のコーナーでは、
青森県内9つの市町村に届いた“謎の手紙”を紹介した。




この手紙の差出人は、ウクライナ・ルガンスク州郊外の小学生兄弟。
プロの卓球選手である父親のために、日本製の質の高い卓球用品や、
ラケットに貼るラバーを送って欲しいという内容が、英語で綴られていた。




ラバーについては具体的な品名も指定されており、計15点の総額は約8万円になるそう。
ウクライナの平均月収は約2万7000円のため、3倍近くの金額となる。

ルガンスク州はウクライナ内でも情勢が不安定な地域のため、
こうした支援を要請したことが考えられるという。



番組では、青森県内の複数ヶ所に手紙が届いたことについて、
青森山田高校が福原愛選手や水谷隼選手を輩出した
強豪校であることと関係していると推察している。



また、ルガンスク州では今月10日に卓球大会が開催されており、
その優勝者が送り先に指定されている人と同一人物である可能性があるという。




一連の報道を受け、小倉氏は「信じていいの?」を顔をしかめた。

「ラバー送ると、今度は『お金送ってください』とか
そういう話になるんじゃないの? 大丈夫なのかね?」と
進行を務めるアナウンサーに問い詰めるなど、かなり疑っているようだ。



さらに、小倉氏は「プロの卓球選手でね、
ラバーも買えないような選手は卓球やめたほうがいいよ」とピシャリ。
最後まで「なんか胡散臭くない?」と言いながら、険しい表情を崩さなかった。

http://news.livedoor.com/article/detail/10005351/
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人間性で論じるなら小倉も酒鬼薔薇もどっこいどっこいだ。
前者と後者の違いは、逮捕されたか・されなかったかでしかない。



貧乏人はスポーツ選手になってはいけないだと言わんがばかり、
ウクライナ現地の状況を考えることもなく、金の話として片付けている。

私は酒鬼薔薇より小倉のほうが社会的には悪質だと思う。

なぜなら、酒鬼薔薇は一度きりの犯罪で、逮捕され、悪人と認定されているが、
小倉は、この手の暴言を何度も繰り返し、逮捕どころか批判すらされていない。


まぁ、彼らにとっては、面白おかしく文句をつけるのが
仕事なのだろうが、この手のデマゴーグスにとやかく言われるのもまた
しっくりこないものがある。

歴史教育の限界(書評『向かいあう日本と韓国・朝鮮の歴史 近現代編』)

2015-06-16 21:10:36 | 北朝鮮
戦後70周年を記念して発刊されたであろう本。

結論から述べると、あまり良い出来ではなかった。
悪い点を列挙すると、次のようになる



①編者に北朝鮮の教育者がいない。

題名こそ日本・韓国・朝鮮の歴史だが、朝鮮の視点は除外されている。
そのため、戦後史(特に解放直後)の記述が不十分になっている。



それを端的に示すのが、済州島4・3事件の記述。
この事件は李承晩の軍による同島の住民弾圧事件だが、
長らく、軍事政権下では沈黙を強いられ、島民は国賊の汚名を着せられてきた。



事件発生の背景として、戦後も併合時の対日協力者が
支配者層として君臨したこと、治安維持法を焼きなおした国家保安法、
旧日本軍の軍人を幹部にすえ、再編した朝鮮軍など、
日本の植民地支配が戦後もシステムとして維持され続けたことが挙げられる。



つまり、この事件は韓国版南京大虐殺のようなもので、
決して、無視してはいけないものなのだが、同書では一言語られるだけである。


なぜ、これほど軽く扱われるかと言うと、
これは韓国という国自体が米軍と親日派によって、
無理やり作られた経緯があるという負の歴史を直視したくないためだと思われる。


戦後の韓国は、併合時と全く変わらなかった。
済州島では、飢饉や疫病があったにも関わらず、食糧を無理やり供出させられた。

逆らう人間は逮捕・拷問された。これら弾圧の最高責任者は米軍だった。
米軍に保護され、弾圧に興じた官吏や警察は併合時の対日協力者だった。


彼らが主導する単独選挙によって誕生されたのが現在の韓国である。
済州島4・3事件の直接的な原因は、単独選挙への反対が挙げられる。



つまり、この事件は韓国にとって非常に都合の悪い史実なのだ。
そのため、ノ・ムヒョン政権まで国による謝罪の声は存在しなかった。


その点、北朝鮮は同事件に対しては遠慮なく言及しており、
バランスを支えるためにも、やはり北朝鮮の視点は必要だったと思われる。


北朝鮮の教育者を招くのが困難ならば、日本の朝鮮学校の講師を呼べばいい。
なぜ二者だけで編纂してしまったのか?残念でならない。


②米ソ二項対立史観から離れていない


アメリカも悪いがソ連も悪い、韓国も悪いが
北朝鮮も悪いという非常に単純な戦後日本・韓国史になっている。


冷静な話、ディテールを見れば、どちらかが悪いに決まっているのだが、
他方の小悪に言及することで、もう他方の巨悪が打ち消されている。


これを如実に示すのが、先述の4・3事件だ。
弾圧した政権の責任を「左翼の武装蜂起」という言葉で隠蔽している。



③アメリカを代表とする欧米列強の責任が言及されていない

国際政治で言えば、韓国併合はアメリカの支援と黙認によって
成り立ったものだった。戦後の民衆弾圧もまたしかり。


この点の言及が本書には無い。

つまるところ、本書は植民地支配の歴史として近現代を描くのではなく、
太平洋戦争の間にのみ起こった戦争犯罪に焦点を絞ったものとなっていて、
併合前、併合時、併合後と一貫して維持されている植民地主義への批判がない。


これは非常に問題があると思われる。


なお、私は、このような本が右翼ではなく良心的左翼によって
編纂されてしまったというのが非常にショックというか残念に思えてならない。


その背景としては、やはり先述したように北朝鮮側の視点を排除したためだろう。
北朝鮮は未だにアメリカからの植民地主義的干渉を受ける国だ。

本来ならば、北朝鮮と韓国は一致団結してアメリカと向かい合うべきなのだが、
逆に韓国はアメリカと仲良しこよしになってしまっている。日本とよく似ている。


一度、他国からの統治を許してしまうと、その支配構造が独立後も
維持されてしまう。このような植民地主義のおぞましい側面をより強く押し出すべきだ。



残念ながら、本書は以前に発売された類書と同レベルのものでしかなく、
斬新な視点や、無理に日韓共編にする意味もないように思える。

重ね重ね、惜しい作品だったと思う。