時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

安倍にまかせては北方領土は返ってこない

2015-06-12 01:00:03 | ロシア・ウクライナ
ロシアが、北方領土で軍事・民間インフラを拡大

ロシアの国防省が、日本のウクライナへの支援に反発し、
「(北方領土を含む)クリル諸島でのインフラを拡大する」と発表しました。


外交誌は、ロシア国防省は8日月曜、クリル諸島での軍事・民間
インフラ整備に向けたロシアの決意を明らかにした、としました。


ロシア国防省は、この計画の理由と詳細については語っていませんが、
この決定は最近の安倍総理大臣のウクライナ訪問に関係がある可能性があります。



安倍首相は、ウクライナで、同国のポロシェンコ大統領とその政策を支持すると述べました。

ポロシェンコ大統領はロシアの政策に反対しており、
ロシアをウクライナの内政干渉とロシア系住民の扇動で非難しています。


クリル諸島の一部は日本では北方領土として知られており、
国後、択捉、色丹、歯舞の4島はとくに60年前に領土問題の対象となり、
日本とロシアの緊張を生じさせています。


ロシアと日本が19世紀に締結した二つの条約は、
両国の国境を択捉島以北、カムチャッカ半島以南と設定しました。


こうした中、日本が第2次世界大戦で敗北し、ロシアは北方領土のすべてを占領し、
1万7千人以上の日本人を追い出し、それから撤退しようとしませんでした。



1951年に日本と戦勝国の間で締結されたサンフランシスコ条約で、
日本は戦勝国であるソビエトに対する領有権の主張から退くことになりましたが、
ソ連はこれに署名しませんでした。こうした中、
ロシアは1945年の協定は、クリル諸島のロシアの領有権を正式に認めており、
サンフランシスコ条約の必要はなかったと考えています。


1945年の協定は、ドイツと同盟国に対する宣戦布告のために、
西側がソ連におくった一種の贈り物であり、
「クリル諸島はソ連に与えられるべきだ」と強調していました。


1956年、ロシアと日本の政治関係は復活しましたが、両国は平和条約を締結しませんでした。

ロシアは択捉島に軍事駐留を行っており、2014年に国際空港をオープンしました。
北方領土におけるロシア系の住民の人口は3万人以上となっており、
ロシアは北方領土の上空を定期的に飛行しています。


こうした中、かつてのロシアのプーチン大統領の声明は、
協議と日本への一部の島の返還の可能性を否定していませんが、
この1年の出来事は、これに関する合意の展望を暗いものにしています。


日本はロシアのクリミア併合の問題を理由に、G7のロシアに対する制裁を支持しました。
さらに、日本は2016年のG7サミットの開催国となっており、
恐らくその年にもロシアはこの会議に招かれないでしょう。

ロシアはウクライナ情勢をめぐり、G8から脱退させられました。


http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/55453
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私は北方領土に関しては現地住民の立場を優先しており、
また、そもそも北海道は日本ではなくアイヌの土地だと考えているので、
返してもらおうとは思っていない。そもそも「返す」という表現がおかしい。


しかしながら、私と反対の立場であるはずの北方領土返還を主張する
連中が、安倍政権によるロシア政府への挑発と、その結果であろう
北方領土の開発強化に関して、同政権への批判を展開しないのは不思議だと思う。


ロシアは日本が経済制裁を敢行したことについては、あまり怒ってはいなかった。

それは親米国家であるゆえ、宗主国に
歩調を合わせなければならないのだろうと考えていたからだ。

ところが、日本は頼まれもしないのに、
わざわざウクライナに多額の経済援助を申し出た。

これは明らかに、申し訳程度の反ロ行為ではなかった。


この経済支援は、ロシアのメディアでは随分大きく取り上げられたようだが、
日本では、小さなニュースになったかどうかといったレベルだ。

この辺のズレは、私としてはかなり気になるところである。
客観的に見れば、安倍政権の大失態が領土返還への道をさらに遠ざけたのだが、
なぜかメディアはこのことをまるでなかったかのように無視を決め込んでいる。


よく竹島や尖閣諸島については、執拗に報道されるのだが、
北方領土に関して言えば、完全無視の態度がデフォルトになっている。

考えても見よう、北方領土に関するロシアの政策は韓国や中国の比ではない。


一応、竹島にも住民がおり、また観光地になってはいるが、
それにしたって、ここまで露骨に自国の領土として開発してはいない。

にもかかわらず、なぜメディアもネトウヨも激怒しないのか?
なぜ嫌韓や反中キャンペーンはされるのに、ロシアにはしないのか?



そもそも、ネトウヨも含め、なぜか日本人にはロシアに割合好意的な人物が多い。

フィギュアスケートのプルシェンコ選手しかり、リプニツカヤ選手しかり、
アイドルのような扱いだ。これはキム・ヨナ選手に対する態度とは随分異なる。


実際、やってることを観察すれば、ロシアのほうが領土問題に関しては
強硬姿勢を貫いているのに、なぜ北方領土より竹島がクローズ・アップされるのか?

この辺を考えると、実に面白いものが見えてくると思う。