時事解説「ディストピア」

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「沖縄の皆様の負担軽減」という言葉

2015-06-19 22:05:17 | 日本政治
安倍をはじめとした中央政府は、何かと
「沖縄の皆様には、負担を軽減させることに全力を挙げることを
 ご理解して頂きたく」と述べるが、よく考えると、おかしな言葉である。


反対者は政府のやり方を理解した上で反対しているわけで、
誤解しているのだと言わんばかりの態度には正直、辟易してしまう。


実際、中央政府がやってることを具体的に示してみよう。


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米空軍が、米バーモント州空軍所属のF16戦闘機10機と
兵員150人を米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に暫定配備する問題で、

日本共産党沖縄県委員会は17日、沖縄防衛局を訪れ、
外来機の飛行停止と米軍基地の撤去を申し入れました。


嘉陽宗儀、玉城ノブ子両県議、池原秀明沖縄市議、
田仲康栄嘉手納町議、真栄里保・党県基地対策委員会責任者が参加。


申し入れでは、昨年1月に
米バージニア州ラングレー基地所属の
最新鋭のステルス戦闘機F22が配備されたほか、
外来機の飛来が恒常的に続いていると指摘し、飛来の中止を求めました。



防衛局は
「F16の配備は安全保障と抑止力維持のため。中止を申し入れることは困難」と回答。


嘉陽県議は
抑止力維持のためなら沖縄県民が犠牲になってもいいのか。
口では負担軽減というが、そうなっていない。
負担を軽減するならば、
外来機の飛来を増やすなと米軍にものを言うべきだ

と厳しく抗議しました。



また、強盗や飲酒運転など米兵による犯罪が相次いでいることにも抗議し、
事件・事故の被害者への補償や、米兵の基地外飲酒と深夜外出の原則禁止、
事故根絶のための米軍基地撤去などを申し入れました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-18/2015061815_01_1.html
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実際には負担は増している。


沖縄ほど、植民地主義が色濃く残っている場所はあるまい。
そもそも、南国は得てして列強の植民地支配の被害になってきた。


ハワイが典型的で、白人の入植者らによって、
カメハメハ大王が統治したハワイ王朝は滅ぼされてしまった。


軍事基地はハワイに今でもあるし、戦時には元々
アメリカとは無縁の島が、日本の戦闘機によって攻撃を受けることになった。


今でこそリゾートとして賑わっているハワイだが、
元はプランテーション農業(サトウキビ)の地として
移民を酷使していた歴史がある(日系アメリカ人も例外ではない)。


観光地のイメージを全面的に押し出すために、
過去の凄惨な歴史が伝わりきれていない……というより巧妙に隠蔽されているのは、
沖縄、ハワイ、済州島と変わりは無い。最近、軍艦島を世界遺産として
日本のイメージ・アップに利用しようとする動きがあるが、これは愚の骨頂だろう。


歴史を観光で消去しようとする政策を取る限り、
日本のイメージは下がることはあれど、上がることはあるまい。


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