時事解説「ディストピア」

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最近の731部隊研究について

2015-06-28 23:30:50 | 日本政治
現在、加藤哲郎氏は731部隊について研究しているようで、
資料発掘に勤しんでいる

やはり、この人は特定の問題さえ絡まなければ、とても優秀な方なんだなと思う。


戦犯の免責は、戦後史では馴染みのテーマだが、
最近、戦後70年という看板のもとで喧伝されている「反省」には違和感がある。


すなわち、植民地主義の克服の歴史として描いていないのではないかということだ。

これが顕著なものの1つが、核や細菌兵器といった兵器史で、
731部隊のメンバーが朝鮮戦争の折にアメリカの細菌戦に直接関与したことが
あまりクローズ・アップされていない。

(現に、アメリカの細菌戦で使用された媒体の1つ、
 ネズミは日本で飼育・輸送された。証拠隠滅の方法等、
 具体的な手段が731部隊のそれに酷似しているのは、
 本人たちが参加しているからである)

2002年に「米軍細菌戦史実調査団」が現地調査を行って以来、
吉川なり岩波なりで、大きな本が売られただろうか?記憶には無い。


これは、植民地主義の遺産が大戦後も
新たな宗主国に継承・利用されたことを示す重大な問題なのだが。



日本の三光作戦に参加した朝鮮人が戦後、韓国軍人として
国内の民衆を全く同じ手法で虐殺している事例があるのだが、
その場合、作戦の指揮権はアメリカ軍が握っていたりする。

その後、アメリカがベトナム戦争で殺しつくし、焼き尽くし、
破壊つくしのサーチ&デストロイを行ったことは決して偶然ではないと思うが、
この点、詳しく研究すると面白くなるはず。

同様に日本の細菌戦もアメリカの戦争とリンクしているし、
それは朝鮮戦争後の戦闘にも影響を与えているはずだが、
そういう世界史的な視点で描かれないのが少々残念である。


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