時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

オバマ、米国のアフガン介入を大絶賛する

2014-12-29 22:37:31 | 国際政治
最近、オバマと安倍の区別がつかなくなってきているのだが、
それだけオバマの戦争観というのは極右のそれと大差ない。



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オバマ米大統領は28日、アフガニスタン駐留米軍など
国際治安支援部隊(ISAF)の戦闘任務終了式典がカブールで行われた
ことに関連し「米国史上最長の戦争が、責任ある終結を迎える」とする声明を発表した。


声明は2001年の米中枢同時テロ直後から続いたアフガンでの戦いで、
米軍や米情報機関が「尋常でない犠牲」を払ったと指摘。その結果、
国際テロ組織アルカイダの指導部を打倒し、新たなテロを阻止して
「数え切れない米国民の命を救った」と称賛した。


http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-236609-storytopic-3.html

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数えきれない米国民の命を救ったと仰るが、
アルカイダは9.11以降、米国本土でテロ行為を働いたりはしていない。

他方、アメリカは頼んでもいないのにアフガンやパキスタンに進軍し、
数えきれない現地人の命を奪っている。


どちらが、よりテロリストらしいのか?
子供にもわかる問いだ。



責任をアメリカが負う気があるのなら、
とてつもない量の戦争犯罪を認め、関与していた兵士や官僚、政治家を裁くはずだが、
そんなことはオバマはしていない。どのへんが責任ある終結なのか私にはわからない。

イラクを見てもわかるように、
今後もアメリカは何かと口実を設けてアフガニスタンに兵を派遣するだろう。


そのたびに、このような無反省かつ楽観的な総括をされては
殺された市民はまったく浮かばれないのではないだろうか?

池上彰が伝えないこと

2014-12-29 22:12:58 | マスコミ批判
クリスマスが終わり、正月に向けた準備に忙しい今も、
パレスチナ難民はイスラエルの空爆と弾圧に苦しんでいる。


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エレクトリーク解説員
パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスの幹部・リズワン氏が、
「ガザ地区の封鎖の継続は、戦争犯罪だ」としました。



リズワン氏はまた、

シオニスト政権イスラエルはパレスチナの人々を服従させ、
彼らの抵抗を失敗に終わらせるため、ガザ封鎖を継続している


と述べました。


ガザ地区に居住する200万人のパレスチナ人は、
およそ7年間に渡り、苦しい生活を強いられていますが、
この厳しい状況は、シオニスト政権のガザ封鎖によるものです。


一方、パレスチナの人々の苦しみは、ガザ地区に限定されません


シオニスト政権の被占領地全域における人権侵害は、公然と行われています。

報道各社は26日金曜、ヨルダン川西岸地帯のカルキリヤ東部のアズーン地区が
シオニスト政権によって封鎖されたと発表しました。


シオニスト政権軍は、パレスチナとシオニストの衝突の中で、
シオニスト入植者2名が負傷したことを口実に、アズーン地区に攻撃を加え、
この地区を封鎖するとともに、多くのパレスチナ人の若者を逮捕しました。



シオニスト政権は、
パレスチナの人々に恐怖を抱かせるため、パレスチナの要人を逮捕しています。


パレスチナ解放民主戦線の指導者、ジャッファール氏は26日、
ベイトルモガッダス・エルサレムで逮捕されました。

シオニスト政権軍は
シオニスト入植地付近の検問所でジャッファール氏を逮捕しました。

ジャッファール氏はおよそ15年間、シオニスト政権の刑務所に拘留されていました。


ジャッファール氏を新たに逮捕したことにより、
シオニスト政権の首脳陣がパレスチナ人の元収監者の逮捕を指示しているのは明らかです。


一方、残念なことに、国際社会が反応を示していない中で、
パレスチナの人々を祖先から受け継いできた土地から追い出すなど、
パレスチナの人々を迫害する政策が、依然として行われています。




アラブ48のインターネットサイトは、次のように記しています。








「シオニスト政権軍は2日前、
ブルドーザーを使用して、
ネゲブのパレスチナの人々の住宅を破壊した。
このため、30人のパレスチナ人が難民化した」



情報筋によると、2014年、シオニスト政権は
パレスチナ抵抗運動を失敗に終わらせるため、
ネゲブ付近のパレスチナ人の住宅1000棟を破壊したということです。


一方、ハマスは、「パレスチナの人々は決して武器を引き渡すことはない。
パレスチナの抵抗運動は占領が終わるまで続けられる」と表明しています。

http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C%AC%E6%97%A5%E3%81%AE%
E3%83%88%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF/item/50823-%E3%82%A4
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池上彰氏は、ガザ地区へ向かったら、
役所の待合室に日本に感謝する絵が飾られていたという
大スクープをテレビで発表していた。







そんなん、どうでもいいわ

と私は思った。かなり。マジで。


ガザ地区には空爆によって住処や体の一部を失った人間も多い。
直接の取材が難しくても、せめて空爆の跡地へ向かうことは出来たのでは?


安全地帯の待合室に飾られている絵を報じて、何か意味があるのだろうか?
わざわざガザ地区まで行ってきて、「やっぱり日本は凄い!」と言いたかったのだろうか?


こういうアホみたいな取材に製作費を使う暇があれば(クドクド)と言いたいが、
真面目な内容のドキュメンタリーを作っても、視聴者には不評なのだろう。



ただ、この番組の中で池上がゲストに
「なぜ、このような危険な場所に?」と聞かれて
「あえて危険な場所に行かずに何がジャーナリストか」と答えた言葉は納得いかない。


池上彰はジャーナリストではなく、
観光客である。


そのへんを、自覚してほしい。


重要なのは、彼のような大物ジャーナリスト様が観光旅行に行っている間に、
海外ニュースサイトを駆使して向こうの視点から語られる記事を
大量に読むことができるということ。

最近は、北京週報やロシアNow、イランラジオなど、日本語で読めるサイトも多い。
日本の新聞社だが、赤旗や朝鮮新報も主流とは違う視点から報道をしている。


そのようなマイノリティ視点の報道と大手メディアのそれとを比較して、
時事問題を検討することが重要だ。これは自力でやるべきことで、
どこぞの「解説」番組を見て楽をすべきではないと思う。

いい加減、池上彰は慰安婦商法をやめるべき

2014-12-29 19:08:10 | マスコミ批判
今日の池上彰の番組で、また慰安婦問題を扱うそうだ。

この問題で重要なのは、次の2点。

1・現在の研究動向も含めた慰安婦制度の解説

  週刊金曜日が日本軍慰安婦を扱った特集号を10月末に出版したが、
  同制度がれっきとした史実であることを明らかにすること。

  まず、このことが求められる。

2・日本軍慰安婦を口実にした差別の横行の解説

  北星学園や元朝日記者、その家族への脅迫をはじめとした、
  レイシストの在日コリアンや日本人へ対する暴行について紹介すべきだ。

  この差別や暴行は現在進行形であり、緊急に対処する必要がある。


3・慰安婦をめぐる政治家や学者の改ざん行為への言及

  八木秀次や渡辺昇一、橋下徹や河村たかしなど、
  史実を否定し、そのことをもって、他国や在日コリアンへの差別を
  扇動する連中が腐るほどいる。彼らのような差別主義者の糾弾なくして
  ジャーナリズムは成り立たないだろう。

以上の3点の詳説を仮にゴールデンタイムにお茶の間にお届けしてくれるのなら
私は喜んで池上氏を讃えたいのだが、実際はその逆になると思う。


つまり、朝日の誤報を重点的に扱い、結果として否定派に役立つ解説を行うのではと。
(その場合、自分のコラムに関する事件を自慢げに語るはず)


正直、誤報を言えば北朝鮮や中国に関する記事をはじめとして、
朝日も読売も産経もしょっちゅう行っているし、誤報でないとしても、
あからさまに権力者を擁護する記事や社説を大手メディアはしょっちゅう書いている。


例えば、普天間基地移設問題における琉球新報社と大手新聞社の社説を
比較すると、如何に後者が安倍政権のまわし者であるかがよくわかるだろう。



要するに、今年の夏にあった問題がまだ引っ張られている一方で、
平然と極右の横暴な振る舞いが等閑視されているのである。


慰安婦制度の否定のネタになるニュースは数か月も繰り返し伝え、
他方で否定派の脅迫行為や差別はひたすら無視をする。


このような態度こそ問題なのだ。


断言できるが、池上は北星学園への脅迫行為については取り扱わない。
元記者の娘が右翼に追い回されたりしている非道い状況が起きたことまで言及しない。


何らかの奇跡が起きたとしても、一言、軽く言及して、
「朝日も悪いが、脅迫まではやりすぎだ!」という有りがちなコメントをし、
自分が放火魔に向かってガソリンと火種を提供し続けていることに触れないだろう。


池上の場合、ほかの極右と違い、ファミリー向けに
差別を助長させる解説を「これぞ王道なり」と垂れ流すし、
周囲の人間も彼が売れる解説をするものだから「池上さん、すげー!」と
その解説の間違いについて、一切訂正しようとしない。何とも恐ろしいプロパガンダ。



誰でもいいから、メディア研究をしている学者やジャーナリストが
このすさまじい状況について、一石を投じてくれないだろうか?

無理か。