時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

池上彰氏に安倍総理や石原慎太郎氏を批判する資格はない

2014-12-15 22:42:44 | マスコミ批判
何やら昨日の特番では池上彰が調子に乗って政治家に喧嘩を売っていたようだ。



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「池上さん無双、再び!」「池上彰のやりたい放題に改名すべきw」「池上彰オンステージ」……。

予想通り自民党圧勝で終わった総選挙だが、テレビの選挙特番も同じように“池上無双”が人気を集めた。


テレビ東京の『池上彰の総選挙ライブ』だ。


たとえば、東京1区で“海江田追い落とし”のために
閣僚をはじめ大物議員を応援に投入した自民党の戦法を指して、
池上氏は茂木敏充選対委員長に「えげつない戦い方するもんなんですねえ」と一刺ししたかと思えば、


同じく自民党の谷垣禎一幹事長には
「(自民党圧勝で)安倍さんこれからやりたい放題だ、怖いなあと言う声もありますが」
「(安倍首相の政策にブレーキをかける人がおらず)
  言いたいことも言えない雰囲気があるように思うんですが」とグサリ。


~中略~

ポスト安倍として注目される小泉進次郎氏にも、川内原発の再稼働や憲法改正について問いつめ
「自民党の方針に従っていくということですね。自身の考えが見えてこないんですけど」
と鋭く詰め寄った。



~中略~

さらに、民主党・福山哲郎政調会長が敗因に突然の選挙だったことを挙げると、
「急な選挙と言いますけど、野党は政権を取り戻す準備をしておくべきでは?」と一蹴した。



もちろん、こうした池上節は安倍首相にも向けられた。
まず、低い投票率のなかでの圧勝は“自慢できるものではない”としながら、

「総理大臣になった以上、一度は
 解散総選挙をしたいものだとみなさん思っているとよく言われます。
 おじいさまの岸総理大臣も解散総選挙を成し遂げました。
 やはり、一度は解散総選挙を自分の手で、という思いをお持ちだったのでしょうか?」

と、解散の理由はもしや安倍首相の“おじいちゃんコンプレックス”だったのでは?と質問。


集団的自衛権をめぐる憲法解釈の問題についても、安倍首相が
“私の考え方に反対するのであれば次の選挙で政権を変えてくれればいいじゃないか”
と言ったことを挙げ、

「そのわりには今回の選挙でアベノミクスのことは
 ずいぶんお訴えになったんですけど、集団的自衛権の憲法解釈、
 こういうことをあまりおっしゃっていなかったと思うんですけど」と投げかけた。

すると、安倍首相の返答は「そんなことありません」。

このとき、安倍首相は笑いつつも明らかにムッとしたようすだった。

http://lite-ra.com/2014/12/post-707.html
http://lite-ra.com/2014/12/post-707_2.html

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一見すると、池上は非常に批判的精神がある人物に見える。


しかし、実際には彼は
現職の自民党員には在特会とドッコイドッコイのネオナチ集団がウジャウジャいて、
今回、小選挙区でそいつらが続々と当選している
という

肝心な事実を伝えなかった。


この点に関しては、ニュースサイト『リテラ』のほうが仕事をしている。

ネトウヨも真っ青のトンデモ発言…衆院選候補者“極右ヘイト”ランキング(前編)
http://lite-ra.com/2014/12/post-688.html

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★第13位 萩生田光一(自民党/東京24区)


先日は“自民党に批判的な報道をするな”という脅しともとれる通達を
在京テレビキー局へ送付して、大顰蹙を買った自民党副幹事長の萩生田光一氏。


そんな萩生田氏にもヘイト勢力との関係が浮上している 


村田春樹という、国政選挙にもたびたび出馬する
極右政治団体「維新政党・新風」と深く関係を持つ人物がいる。


彼が「東京代表」を務める「外国人参政権に反対する会・全国協議会」は、
今から約10年前に誕生した市民団体で、
在特会と共同してヘイトデモや集会などを頻繁に繰り返していた

14年現在、同会は活動を縮小しているが、
在特会のHPには今でも「協賛団体」として名が連ねられている。


そんな「外国人参政権に反対する会」のHPを見ると、
「当会主催集会に出演(もしくはメッセージを)
頂いた国会議員・地方議員リスト」というページがある。

実はそのリストのなかに、稲田朋美氏(福井1区)、
衛藤晟一参議院議員らと並んで、萩生田氏の名前が載っているのだ。


萩生田氏は他にも、神道系極右団体・神社本庁直轄の「神道政治連盟国会議員懇談会」、
「日本会議国会議員懇談会」、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」幹事長代行、
超党派保守議員組織「創生『日本』」と、ほとんどの右翼系組織とつながっている


だが、萩生田氏が一番問題なのは、統一教会との関係だろう。

今年の10月に統一教会多摩文京区が主催した
「祝福原理大復興会」なるイベントに、萩生田氏が来賓として出席していたと
「週刊朝日」に報じられたのだ。入手した同集会の資料のなかに、
萩生田候補の名前が記載されていたという(14年12月05日号)。


ちなみに、統一協会系の団体「世界平和連合」は反共右翼的組織で、
集団的自衛権の行使容認を求めるなど、安倍政権の政策や方針と近く、
実際に安倍首相やその周辺とのつながりを指摘する声が後を絶たない。


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萩生田氏は東京24区で50%の得票率で当選している。

ネオナチ議員が余裕で当選する選挙。
その怖さを池上が指摘したことが一度でもありましたか?



はっきり言って、テレビで池上がやってたのは只の冷やかしだ。


自民党に所属する小泉進次郎氏が党の方針に従うのは当たり前だし、
いきなりの解散で組織力の弱い党の準備が不十分だったのはウソではない。


安倍の祖父にあたる岸信介が解散総選挙をやっていたのは全くの偶然だし、
自民党は選挙中、軍事・外交問題についても演説で語っていた。
「俺の話だけで判断するなよ」と安倍総理が怒ったのも当然だ。


第一、池上は

「中国人に欠けているのはモラル」

「外国に靖国神社参拝の意味を理解してもらえるようにしなければならない」

「日本は慰安婦問題解決に誠意を示したのに韓国の市民団体がぶち壊した」

「北朝鮮は日本から金をふんだくる食い逃げ計画犯」などなど、

そのへんの右翼よりヤバい台詞を吐きまくっている


「集団的自衛権の閣議決定は実効力を持たない!安倍何やってんだ!」と怒る佐藤優に
「そうだそうだ!」と相槌を打っていたりする。維新・次世代の党と同レベルの右翼っぷり。


池上の安倍批判は「手ぬるいぞ!もっと右傾化しろ!」
という意味の批判であることを忘れてもらっては困る。



リテラに限らず、出版社も新聞社もテレビ局も
池上に逆らえない状況になっている。



先日の朝日新聞社とのケンカも、リテラは好意的に評価していたが、
これは「俺の文にケチつけるなら実力行使だぞ」と脅したにすぎない。


高視聴率にベストセラー、とにかく売れる情報を作る天才なので、
彼に頭が上がらないのではないだろうか?


さて、こういうことを頭に入れた上で、記事の続きを読んでみよう。

池上神への崇拝っぷりが常軌を逸していてドン引きするのでは?


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またしても“池上無双”
──このような白熱したネット上の人気に対し、しかし当の池上氏はいたって平静。

著書『聞かないマスコミ 答えない政治家』(ホーム社)では、
党首や候補者への私のインタビューは、ジャーナリストとして当然のことをしたまでで、
これに関する高い評価は面映ゆいものがあります
〉と打ち明けている。


これくらいのことは、アメリカの政治番組では当たり前だからだ。

もちろん、他局のキャスターと政治家の“馴れ合い中継”に対しても、不信感をあらわにする。

〈「当選おめでとうございます。いまのお気持ちは?」
 これではスポーツ選手に対するヒーローインタビューと同じではありませんか。

このレベルの質問をしていては、政治家の答えも容易に予想できます。

(中略)

日本の選挙特番では、政治ジャーナリストがキャスターを務めることはめったにありません。


政治取材の経験がないアナウンサーやお笑いタレントが
メインのキャスターを務めることが多いのは、不思議なことです。

政治のことを深く知らない出演者に、「いい質問」ができるのでしょうか

http://lite-ra.com/2014/12/post-707_2.html
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「お前も良い質問してねーじゃねーか」
とツッコミを入れたくなるコメントだ。



この池上という男、自分を演出することにかけては天才的だ。

これだけの演技力を持っているのは石原慎太郎氏や橋下徹氏ぐらいじゃないだろうか?


もっとも、この二人は自分が極右であることを表明し、右翼や中間層にむけて、
「極右で何が悪い!」と自分たちは反日勢力と戦う勇士なのだと宣伝している。


一方の池上は「私は右翼でも左翼でもありませんよ~」と中立を気取り、
思いっきり右翼的な発言をバランスのとれた正しい意見であるかのように演出して、
ファミリー(特に10代の子供や主婦)を主な洗脳対象としている。


極右が基本、本や専門チャンネル、
ネットでしか活躍できないのに対して、
池上はテレビや新聞で、猛毒を垂れ流している。
それも、何も知らない家族をターゲットにして。

明らかに池上のほうが危険だろう。



さて、おべんちゃら記事は、この後、池上伝説の布教に熱中している。


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そもそも、“池上無双”のスタートは、2012年12月の総選挙にさかのぼる。

選挙特番として池上氏をメインキャスターに抜擢した『総選挙ライブ』は、
放送後に再放送とDVD化を求める視聴者の声が殺到。

選挙特番としては異例の「第50回ギャラクシー賞」優秀賞まで受賞した。


その理由は、わかりやすい番組構成・解説、
そして前述したような政治家への歯に衣着せぬ鋭いツッコミにある。

たとえば前回の総選挙時の放送では、
石原慎太郎氏の諸外国に対する差別的な発言に対して
「そんなこと言うから暴走老人と言われるんですよ」と切り返し、
中継相手が池上氏だと知るや否や石原氏が態度を急変させると、
「石原さん、相手によって態度を変えるようですね」。

“ブラック池上”の面目躍如である。


http://lite-ra.com/2014/12/post-707_2.html
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繰り返すが、池上彰は
「今の中国人に足りないのはモラル」
とTVで説明した男である。



現在、13億人を突破し、漢民族・モンゴル族・満州族などの
多民族が暮らす国家の人々を「モラルに欠けた連中」と罵倒するこの男、ただ者ではない。


安倍や石原の文句など、池上に言う資格はない。
彼らと池上は同類なのだから。


池上は自説の根拠として文化大革命で儒教批判がされたからだと述べている。
しかし、当時の儒教批判は学生運動の一種としてスタートしたのであり、
文字通り、共産党の腐敗を糺すために始められたことだった。


つまり、池上が理由として述べる儒教批判は、
現実の共産党の汚職批判と同じ文脈で用いられたのであり、
モラル否定どころかモラルにこだわったからこその批判だったのである。



まぁ、実際は毛沢東が自分の反対勢力を封じ込めるためにやったことも
あるのだが、それでも実際に反毛沢東派が腐敗政治をしていたので、
学生をはじめとした活動家は大まじめだった。それが具体的な損得の
対立もあって、段々、単なるテロルになっていった。


諸説あるのだが、いずれにせよ、毛沢東の虐殺というイメージは完全に誤りだ。
少なくとも事件の一面しか見ていないと言えよう。



こういう事情を一切無視して中国の悪イメージを刷り込む池上をどうして評価できよう?
中国の欠点への批判は必要だが、それは確かな知識に裏打ちされたものでなければならない。



さて、政治家への冷やかしと右翼と大差ない「中立的」発言をする池上だが、
こういう男が視聴率を取れることを理由に賞を得てしまうことこそが、
今のメディアの腐敗と危険性を何よりも強く表しているのではないか?


記事の最後は、以下のようになっている。

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日本の政治家のレベルが低い理由には、
〈政治家と真剣勝負をしてこなかった日本の政治ジャーナリズム〉にも責任がある。

──そう感じてきたからこそ、
池上氏は『選挙ライブ』でこれまでの選挙報道に風穴を空けた。

そして、その人気にあやかろうとしたのか、
今回の選挙特番は各局とも鋭い質問を投げかけていたようにも思えた
(ただし宮根誠司と安藤裕子がキャスターを務めたフジテレビを除く)。


こうした“総池上化”によって、政治家も少しは賢くなるのだろうか……?
http://lite-ra.com/2014/12/post-707_3.html
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リテラ自身が書評を掲載した元日テレ社員・現法大教授の水島宏明氏が書いた
『内側からみたテレビ やらせ・捏造・情報操作の構造』には、
 耳が不自由だと言われた佐村河内守氏が実はゴーストライターに曲を書かせていた件について

「テレビは物語があるとわかりやすく、感情移入しやすい。
 ニュースでさえ、いろいろな場面で物語で表現すると伝えやすいので、
 それを挿入して編集するケースが多い。」とコメントしている。


難聴の障害を抱える音楽家、佐村河内氏が苦しみの果てに生み出した感動曲。
こういうわかりやすいドラマをメディアは得てして演出するから気をつけろと
水島氏は述べているのだが、リテラの記事はまさにそれを文字でやったようなものだ。



政治家のレベルの低さにはメディアの責任があるというのも、
確かにそうかもしれないが、少なくとも池上は責任があるほうの側であり、
しかも現在進行形で罪状を増やしている人間だ。それを感動秘話でごまかし、
彼が合法詐欺師であることをひた隠しにするのは、佐村河内氏のそれと変わりない。


私はリテラは、その辺の週刊誌より骨があるニュースサイトだと思うが、
こういういい加減なニュースを流していると、そのうち朝日新聞と
大差ないレベルにまで堕落してしまうのではないかと怪しんでしまう。


巨悪よりも小悪のほうが社会に悪影響を与えることがある。
そのことを忘れてはいけないだろう。

衆院選について2

2014-12-15 19:24:18 | 日本政治
投票しないということは、白紙委任と同義である。

無言の支持に等しい。

大雪で投票所に行けなかった方や、
仕事が忙しくていけなかった自営業の方を除いて、
今回、投票に行かなかった連中は、その自覚が足りないのではないだろうか?


以下、共産党が21議席を獲得したことについて、
まとめサイトから気になったコメントを抽出する。

『共産党21議席確定!!!!!!』より
 (http://newskenm.blog.fc2.com/blog-entry-29207.html)

―引用開始―

28 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です

東京の比例は90万票近く入ってるね
結構すごい



35 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です

ブラック企業規制法案で
共産vsジタミの殴り合いが見れるわけか




56 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です

共産党に投票した人は、共産主義のもと粛清、
処刑、収容所送りでどれだけの人が死んだか調べてみろよ。

61 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です

>>56
馬鹿ウヨのほうが戦争と貧困で遥かに殺してるだろw

68 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
>>56
それは日本共産党がしたことじゃないでしょ
よそはよそうちはうち


73 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
>>56
 とっくに今の与党は
低賃金非正規少子化で子孫虐殺してるだろ

64 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
毎年の自殺者はジタミに殺されてるようなもんだろ


72 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
お前らみたいなのは共産党に集団農場送りにされて強制労働させられるのがお似合いだな。


77 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
すでにブラック企業勤務で強制労働同然の状態ですよ


80 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
国会質問で安倍政権の悪事を暴いて足を引っ張ってくれれば
それで満足やわ。


99 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
共産主義は望んでないけど
対抗馬として共産に入れた人が多いんでね?
どうせ政権なんてとれないし少量の毒も薬になるかもしれない


161 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
共産党は大敗北
2/3とって貰って消費税5%か廃止にして欲しかったのに


181 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
うちの区では自民の候補者が50%ほど得票して
7%が共産の人、43%は生活の党の人だったんだが
共産が完全に自民アシストしてたわ
小選挙区で勝てる見込みのない候補者乱立すんのやめろよ


206 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
>>186
野党が抑止力にならないと
独裁社会と変わらないもんな



―引用終わり―

私も労働時間の規制とブラック企業根絶が
共産党が今後もっとも達成できる見込みがあるものだと思う。


すでに当選した議員の中には、
ブラック企業や労働時間の規制を法案提出すると発言している者もいる。


「どうせ否決されて終わる」というコメントに対して
「明らかに自公のイメージが悪くなるだろ」というツッコミがあった。


 まぁ、せっかく法案を提出できるようになったのだし、するにこしたことはない。


それ(粛清など)は日本共産党がしたことじゃないでしょ
少量の毒も薬になるかもしれない
共産党は大敗北(議席数自体はまだまだ少ないから)
野党が抑止力にならないと独裁社会と変わらないもんな

いずれも同意できる意見で、
民主主義に必要なものは、良くも悪くも反対意見であり、
それも圧殺するために存在するような少数意見ではない、
確固とした効力をもったものでなければならない。


薬、抑止力と表現されているが、この種の反対意見が
きちんと力を持っているような構造にしないと事実上の独裁になってしまう。


そういう意味で、今回の民主・共産の議席数増加は本当に良かったと思う。
だが、総議席数は100議席もなく、多少増えたからと言って浮かれてはいけないだろう。



最後に、粛清や強制労働などの悪行に日本の共産党は加担してないでしょ
という意見、まったくもってその通りなのだが、歴史的にはそういう
十把一絡げの無茶苦茶な理屈が他ならぬ左翼によって行われてきた。



民主が共産よりも議席を取っているのも、
その辺の反共活動が確実に聞いているからだと思う。



連中は、口を開けば左翼のふりをしているが、
実際には左翼を攻撃して中道を支援している。



中道は状況次第では右翼も支援する連中だ。
加えて、歴史的に日本の中道は極右を党内に飼ってきた。それは今も変わらない。


最近は、ネトウヨよりも彼らを焚きつけたり、
彼らに都合のよい言動をとる左翼に対してより批判的な目を向けるようになってきた。


日本の右傾化は確かに極右のせいではあるものの、
結果的に右傾化を促す反共左翼の責任でもある。


この点を無視して表面ばかりの反対姿勢をとっても真の改革は成し遂げられないだろう。

2014年衆院選を終えて

2014-12-15 19:12:29 | 日本政治

衆院選の結果は次の通り

自民293→291 公明31→ 35

民主62→73 共産8→ 21

維新42→ 41 次世代19→ 2

生活5→ 2 社民2→ 2

無所属 17→8



大幅に変化した政党を赤文字で示した。

まず、増加したのが民主と共産。それぞれ、11議席、13議席を増やした。
次に、減少したのが次世代と生活で、それぞれ、17議席、3議席を減らした。
最後に、無所属の当選者が9人も減った。


自公はプラス2議席、民主・共産はプラス24議席、
維新・次世代はマイナス18議席、生活・社民はマイナス3議席となった。


以下、総評。


総評1

今回は、極右政党の議席を民主・共産が分け合った選挙だったと言える。

維新と次世代が18議席減らした分、民主・共産は24議席増やした。
これに生活のマイナス3議席が民主に流れたとみなせば、ほぼ増減ゼロになる。

(民主・共産→プラス24議席、維新・次世代・生活→21議席)


安倍政権は「大勝」と報道されているが、
実際に数字を見れば、増加数は2議席に留まっている。


代わりに共産党は、今回の増加により
単独法案提出権を取得した。この意味は非常に大きい。



例えば、沖縄基地問題や改憲などの問題についても、
今までは社民の数を合わせても議席が足りなくて法案を提出することが出来なかった。


それが今回の選挙により、可能になった。
結果としては、自民党は共産党に反対権を付与したことになる


もっとも、議席数自体は与党が3分の2を誇っているので
依然、強行採決という名の独裁が可能となっている。



安倍が強気なのも国会を自民党に言いなりにできる体制が維持できたからだろう。
形式的な答弁をして、数の正義で無理を押しとおす。これが自由民主主義だ。


早速、安倍は憲法改正を唱え始めた。


「自公で過半数という目標には到達した。
 憲法改正は悲願であり自民党結党以来の目標だ
 そのためには国会の3分の2以上の議席に加え、国民の理解が重要だ。
 憲法改正の必要性を訴えていきたい」

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6142239(毎日新聞の記事より)


引き続き、反対運動を行う必要がある。
今まで、それはデモという私に言わせれば暴力的な手段でしか表現できなかった。
しかし、今は法案提出というより民主的な手段に訴えることができる。


共産党には、ぜひ今回得られた力を存分に発揮してほしい。



総評2

民主党の社会党化。


かつて、日本には日本社会党という政党があった。
この政党は一見、左派政党に見えるのだが、実際は左派というより中道で、
保守派の議員と革新派の議員が混在している不思議な党だった。


現在、社会党は解体、消滅しているが、
一般的には社会党が名前を変え、社民党となったと認識されている。


社民党と共産党がセットで扱われやすいのもこのためである。


だが、実際には残存勢力は民主党にも流れており、同党を応援する労組も少なくない。

そして、民主党には極右・保守系議員も多く在籍しており、
これはかつての社会党とおなじ構成である(保革の共生政党)。



つまり、実態だけを見れば、日本社会党の後継者は民主党だと言える。

選挙でも共産党は何だかんだで小選挙区はサッパリだった。
その分、自民は嫌だが共産も嫌だという人の受け皿として民主が機能している。


中道というのは普段は反対勢力として働くが、
肝心な時に肝心な問題で市民を裏切る傾向がある。


数年前の普天間移設問題や消費税増税問題を思い出してほしい。

結局、中立的な意見というのは右翼が許せる範囲内での反対意見であり、
場合によっては、簡単に右翼に屈してしまうのである。


よって、民主の議席数が増えたというのは、
反対政党が増えたという点では喜ばしいが、冷静に考えればそこまで良いことではない。


当分は自民党との違いを見せつけるための努力をするはずだが、
果たして本当に消費税をはじめとした重要な問題で戦ってくれるかは疑問である。


総評3

トンデモ議員は全員当選。


人種差別をする人間が議員になってよいものだろうか?

今回の選挙では、極右政党が減った一方で、
相も変わらず首相を含めた人種差別を行う自民党員は生き残った。


例えば、京都1区で共産党と戦い、2万票の差をつけて勝利した伊吹文明氏。


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「市場原理主義」のために「愛国教育」を! 
 
 グロテスクな極右ヘイト議員の元締め


★第5位 伊吹文明(自民党/京都1区)


解散までは衆議院議長を務めていた伊吹文明氏。

大蔵官僚出身ということで、他のタカ派議員に比べると、
知的で上品なイメージをもっている人も多いと思うが、騙されてはいけない。


第一次安倍政権では文部科学大臣に就任し、
安倍首相の右腕として教育基本法改悪に取り組み、愛国教育復活の先鞭をつけた。


また、伊吹氏は長らく志帥会=旧中曽根派の会長をつとめていたが、
この志帥会は安倍首相の出身派閥である清和会と並ぶ極右派閥で、
故・中川昭一氏を筆頭に、古屋圭司氏(休会中/岐阜5区)、
林幹雄氏(千葉10区)、江崎鉄磨氏(愛知10区)、
西川京子氏(九州ブロック比例)、伊東良孝氏(北海道7区)、
高木宏壽氏(北海道3区)、そして参議院議員では衛藤晟一、
片山さつきなど、多くの右派・ヘイト議員を生み出してきた。

いわば、ヘイト議員の巣窟の元締的役割を演じてきたのだ。


もちろん、個人としての政治姿勢も極右そのものだ。
神道政治連盟国会議員懇談会、日本会議国会議員懇談会、
親学推進議員連盟といった団体に参画し、元在特会大阪支部長が
事務局長の「教育再生・地方議員百人と市民の会」に「顧問」として名を連ねていた。



暴言も連発している。

「(人権は喩えると)栄養がある大切な食べ物だが、
 食べ過ぎれば日本社会は『人権メタボリック症候群』になる」
 といった人権否定を口にしたこともあるし、文科相時代には
「美しい日本語が話せないのに、外国語をやっても仕方ない」という国粋主義発言、

最近も
「体罰を全く否定しては
 教育なんてできない」

と体罰を容認して批判を受けた。


さらに、2011年の自民党支部大会では
悠久の歴史の中で、日本は日本人がずっと治めてきた
大和民族がずっと日本の国を統治してきたということは歴史的に間違いない事実
「日本は極めて同質な国」という発言をしたこともある。


この発言が問題なのは、沖縄や北海道の歴史を無視した差別性もさることながら、
日本を「同質な国」と誇らしげに語っていることだ。これは、先の戦争で
アジア諸国に「同化政策」「皇民化政策」を推し進めていった
大日本帝国の発想そのものであり、現在の外国人排斥、ヘイトの流れにもつながるものだ。


しかも、伊吹氏が特徴的なのは、
こうした極右思想と新自由主義的な経済政策をミックスさせていることだ。

弱肉強食の市場原理による競争社会を全面肯定し、
そのうえで「競争資本主義になればなるほど当事者の自己抑制、人間力が大切になる」
「人間力の回復には、良き慣習や伝統の継承を基本に家族のあり方を見直し、
 地域社会を復権することが求められる」として、
「そのためには日本国憲法の改正、教育基本法の大幅改正が必要になる」と主張する
(「自由民主」05年12月号)。


これはつまり、強者に収奪されて貧困状態に追いやられても
おとなしく国のいうことを聞く国民を育てたい、そのために愛国教育をやれ、
ということだろう。そういう意味でいうと伊吹氏は、
伝統保守ですらない今の自民党のタチの悪さを象徴する政治家と言えるかもしれない。

http://lite-ra.com/2014/12/post-705.html

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いくら現職の議員とはいえ、こんなネオナチ野郎が勝ったというのは辛いことだ。
維新の党もそれなりに票数を稼いでいたとすると、京都第1区の投票者の半数以上が
ネオナチどもに票を入れたことになる。これはすごいことだ。


とはいえ、過去最低の投票率(52%)や無記名投票も考慮すれば、
「自民党や維新は嫌だが、共産にも入れたくない。民主もない」という人間が
 それなりにいるのかもしれない。選挙に参加しないことは白紙委任と同義ではあるが。


どのみち、ネオナチ議員が大勢、与党にいる現実は変わらない。


橋下市長(維新)は今回の選挙を「大敗」と評価した。
維新自体は1議席しか減らしていないにも関わらずだ。


一方、いくら法案提出権を得たとしても、共産党は21議席。維新の半分しかない。

「躍進」と喜ぶのはほどほどにして、勝って兜の緒を締めなければならないだろう。



総評4

社民党の透明化


今回、社民党が獲得した議席は沖縄から1議席、大分から1議席だった。
村山元首相の応援ということもあってか、かろうじて比例で1議席を得られた。


しかし、議席が2というのは、ほぼゼロだ。非常に危機的な状況だろう。


あくまで実感だが、現在、もっとも高齢化した政党は社民党だと思う。
自民党や共産党のように、若い議員がいない。支持者も高齢者ばかりだ。

まぁ、支持者が高齢者ばかりというのは、どこの政党も同じだが、
後継者がいないというのは致命的だ。長期的に見れば、早いところ、
若い議員を当選させて鍛えていかないと今後、生存することは難しいのではと思う。
(一応、吉川はじめ(48)議員が比例で当選してはいるが……)



以上、今回の選挙について総評を記した。

良いこともあるにはあったが、やはりネオナチ議員が権力を握っている状況は変わらず。
繰り返すが、共産党には今後、よりいっそう働いてほしいと思う。