牛を餓死させるなんて……ショックだ。
あの映像、ショックすぎる。
なんとかならないのだろうか。
乳牛が餓死する。
それもつながれたままだ。
まるで空気の抜けたビニール人形のように倒れていた。
餓死だ。
まるで日照り下のサバンナ。
ああいった大型動物は水がないと生きていけない。
撮影隊に向かって「モーモー」と必死に啼いていた。
「えさをください、ごはんをください、でないと死んじゃいます」
背中の骨が浮き上がっている。
一番かわいそうなのは飼い主だ。
ほんとうに身を引き裂かれる思いだろう。
餌くらいにやりに行かせてくれ。
水くらい与えさせてくれ。
今日も選挙カーが駆け回っていた。
「復興に、安全に」
「みなさまがたのために」
それが口先だけだってことはみんな知ってる。
「〇〇〇〇は被災地に行っております。被災された方に物資を配っています。
動物たちを救助しています」
そんな応援は一言もなかった。
選挙カーには被災地への思いはまったくない。
そんな遠くのことなんか知ったこっちゃない、ってか?
あるのは選挙に勝ってお金を儲けることだけ。
日本の政治家は金だけ。
いつも金、金だけ。
かわいそうな牛。
ぼくはショックのあまり涙してしまうのだ。
日本に動物愛護団体はないからな。
世界の愛護団体が黙っていないんじゃないか。
黙っていないでほしい。